記事公開日: 2017/11/07 インタビュー日: 2017/11/02
MAMORIOとは
MAMORIOはiBeaconによる落とし物追跡タグで、ユーザはiOSとAndroidアプリから利用でき、その落とし物追跡タグからスマートフォンが離れると通知するというのを基本機能としてもつデバイスです。
2014年9月1日にクラウドファンディングサイト「MotionGallery」にて資金調達実施後、2015年にMAMORIO一般販売が開始されています。
訊いてきたこと
今回のインタビューでは、インタビュアーをsusieyyさんにお願いし、MAMORIO社のCTO takanoさん、iOSアプリ開発のメンバーであるSatoTakeshiさん、akio0911さんにお話を伺ってきました。

みなさんは入社してどれくらいですか?
- CTOのtakanoさん
- 社名が株式会社落とし物ドットコムのときから最初のエンジニアとして入社
- 役割: 開発チームの統括と社外との交渉
- 入社のきっかけ
- 「いま暇なんじゃない?」と言われて、ちょうど暇だったので働くことに
- SatoTakeshiさん
- 役割: iOSアプリ開発
- 入社のきっかけ
- フリーランスから会社員になった
- 営業が苦手だから会社員のほうが向いていると思った
- MAMORIOではボトムアップでサービスの改善について話せたから
- akio0911さん
- 勉強会でSatoTakeshiさんから相談された
- 役割: iOS(週一で開発に関することを手伝ってもらってる)
- 週一でどのように役割を分担してる?
- 朝会で何をやるか決める
- ModelとかViewModelから作っている
開発体制について教えてください
- MAMORIO
- iOS
- Android
- サーバサイド
- ハード
- 物流改善

コードレビューはどのようにしていますか?
- サーバ(Ruby on Rails)
- iOS
- SDKソースコード
- 公開用SDK(ビルド済みバイナリのリポジトリ)
- SDKはMAMORIOの機能を使えるWebAPIを利用できるようにしている
アプリ仕様の共有はどのようにしていますか?
- 流れとして
- ユーザレビューやユーザフィードバックを毎週チェックしておく
- 最初は機能の方針や修正内容を議論
- PlotとSketchでデザイナさんに作ってもらう
- CTO takanoさんがそこからTrelloにかいたりSlackに流す
- 複雑な画面遷移があるものはQiitaチームに画面遷移を書く
- グルーブ感でやってる
アプリを最初に使い始める時、MAMORIOのタグ を登録する際にディスプレイへ乗せるのが分かりやすくて良いんですが、そこら辺はどういう経緯があるんでしょうか?

これってやはりディスプレイ上に乗せる必要はなくて、近くであればいいんですよね?
- そう、実はiPhoneと近ければ問題なくて乗せる必要性はない
- 必要性はないんだけど分かりやすさのための演出
- これは似たような例として、ICカードのSuica(スイカ)でも本当は非接触なのにタッチアンドゴーという名目で改札に乗せるほうが認識率が高くなるという話と似ている
- ユーザ体験のわかりやすさを重視した結果
- 他にはMAMORIOタグがもし2個あると、どちらを登録されるかで困るためになるべく登録するタグを近くにしてほしかったというのもある

MAMORIOでiBeacon規格を採用されたメリットは結構あるんじゃないですか?
- iOSだとiBeaconからのアドバタイズに対してバックグラウンドで動作できる
- iOSとiBeaconは双方向通信しないのでファームウェアの整合性を気にしないでいい
- 双方向通信するのであれば両方のバージョンなどを気にしないといけなくなる
- OEM生産でタグの生産をお願いするときに規格が明確なのでお願いしやすい
MAMORIOタグの小型化について、電池と基盤を直接半田付けしているというインタビュー記事を読んだんですが本当ですか?
- 昔は直接半田付けしていたが半田付けはしないようにした
- より電池持ちを良くするためにスイッチとして絶縁シートを付け、絶縁シートを引き抜くと電池と基盤が接触して導通するようにした
- ユーザが開封時にMAMORIOタグから絶縁シートを引き抜いてもらう
同じく小型化について、外装に超音波溶着を使ってパッケージングしているというのも他のインタビュー記事で読みましたが、現在は他の技術を使ってるんでしょうか?
- 今は超音波溶着を使っていない
- 超音波溶着というのは超音波振動で外装を溶かし接着するパッケージング方式
- 電池への直接半田付けをやめてスイッチを付けるためには超音波溶着は向いてないということがわかった
- 他にはコンデンサなど電子部品にもやはり超音波溶着は向いてないこともある

他にMAMORIOのこだわりはありますか?
- MAMORIO本体にはボタンなどを付けないようにしている
- ユーザに重荷になる操作はさせないというこだわりを貫いている
- だけど、作ってる開発者たちも音を鳴らしたい誘惑にかられる
開発環境について自慢したいことありますか?
- ベンチャーだけど社員の勉強会参加の支援してる
- 例としてWWDCの交通費とホテル代を会社の経費で出している
- リモートワークやっても問題ない
- 席はフリーアドレス
- 現状はフリーアドレスが良いと思ってる
- 今のところ組織の区切りを作りたくない
- 休憩スペースがある


現状の開発について改善したいことはありますか?
- 社内ではTrelloに自由にタスクを書き込めるようにしてるので、未消化のタスクが多く出てきてしまうのが悩ましい
アプリの改善したい所はありますか?
- アプリで「今日0000個発見しました!」と表示される箇所
- これは他人のMAMORIOを自分が見つけた数が表示されている
海外展開について何か話せることはありますか?
- アメリカだけとは限らず世界への展開していきたい
- アメリカを調べてみると落とし物調査の統計という概念がどうやらないらしい
- アメリカでは落とし物は自己責任なので諦めているんじゃないか
- MAMORIO は落とし物が見つかったら嬉しいという体験を世界に広めたい


AfterShow
インタビュアーのsusieyyさんのMAMORIO購入後、ここからは社内でのインタビューで聞けなかったことをご飯を食べながら訊いていきます。


場所をヨドバシAkiba8階にあるステーキハウス 「STEAK&WINE Block」に移して、個人的なことを訊いてみました。

最近気になってる開発者は居ますか?
オレはこう思ったっす
「MAMORIOタグを小さくシンプルなままに」というこだわりと、音を鳴らせるようにしてもいいんじゃないかという両方の気持ちがあるという、開発者の深い葛藤について興味深い話を聞けたというのが率直な感想です。
毎日MAMORIOタグを携帯している一人のユーザとしても、彼らが引き続き葛藤し続けることで、さらに良い製品を次々と出してもらえるんじゃないかという期待感を持てたインタビューでした。
MAMORIOはMAMORIO公式ストア、 Amazon Launchpad、家電量販店で購入できるようです。
