小田急新ダイヤは不動産相場をどう変えるか

実は世田谷区内の利便性がアップ

現在、小田急線と東京メトロ千代田線直通の主力となっている「多摩急行」。2018年3月のダイヤ改正で姿を消すが、千代田線直通の本数は大幅に増える(写真:ゆうじ / PIXTA)

小田急小田原線の代々木上原―梅ヶ丘間で行われている複々線工事は順調に進んでおり、2018年3月にこの区間が供用開始されると、念願の代々木上原―登戸間約11.7kmの複々線化が完了する。

このスケジュールはすでに発表されていたが、新ダイヤがどうなるか、特に東京メトロ千代田線との相互直通運転(相直)の体制がどう変化するかに関心が集まっていた。その2018年3月からの新ダイヤの概要が、11月1日に発表された。

注目された「千代田線直通」の変化

小田急線と東京メトロ千代田線の相直は1978年に開始されており、長い歴史があるが、その形態は時代によって変わってきた。当初は本厚木への直通(小田急線内は準急)という形態であったのが、2002年からは多摩線への直通が開始され、現在は唐木田―綾瀬・柏・我孫子間を走る「多摩急行」がお馴染みとなっている。

千代田線はJR常磐線の取手まで直通運転を行っているが、以前は「小田急―メトロ―JR」の3路線直通に対応しているのは東京メトロの車両だけだった。だが、2016年3月の時点でJR東日本、小田急の車両も3社直通対応とする工事が行われており、相直をより拡大するうえでの車両側の準備は整っていた。

こうした状況から、2018年3月の新ダイヤへの期待が高まっていたわけだが、小田急電鉄からは長い間「輸送力の大幅アップ」と「ラッシュ時間帯の特急ロマンスカー増発」といった方針が発表されていただけだった。

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  • NO NAMEde42587be0e3
    世田谷は高止まりなので、上がる事はなさそうです。

    このダイヤ改正で上がりそうなのは登戸から新百合の間。

    特に生田ランド百合ヶ丘は準急と各停の駅だった事、山奥風の街並のせいか不動産がアホみたいに安かった(それこそ川崎北部田都の同様の不動産でも1000万程度違う)のだが、上りの通勤準急が増え、快急の登戸停車も使いやすく、更に下りの快急と各停+準急の乗り継ぎが相当良くなる。しかも環境はかなり良いので、これから注目されそうな地域ではある。
    up1
    down0
    2017/11/7 14:07
  • NO NAME918a16976ca9
    世田谷区内の場合、所有権売買の価額は既に高止まりなので大きく影響しないでしょう。
    ただ賃貸相場は駅徒歩圏を中心に上昇する可能性が高いと思う。
    あとは町田・海老名・本厚木など新宿から若干距離がある地域の地価にどの程度の影響が出るかは、非常に興味をそそられます。
    up6
    down5
    2017/11/7 10:10
  • NO NAMEe649b032d760
    田園都市線はキャパオーバー 京王線も朝は相当酷い 小田急に流れた方が皆ハッピーじゃん
    up8
    down8
    2017/11/7 10:05
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