「65歳以上中心の会社を作ろうと思います」

オリックス宮内義彦氏×河合薫対談 その3

2017年11月7日(火)

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前回はこちら→「若き宮内義彦氏が毎日“ジジィ”と戦えたワケ

宮内義彦(みやうち・よしひこ)氏。
オリックス シニア・チェアマン。1960年8月日綿實業株式会社(現 双日株式会社)入社。64年4月オリエント・リース株式会社(現 オリックス株式会社)入社。70年3月取締役、80年12月代表取締役社長・グループCEO 、2000年4月代表取締役会長・グループCEO 、03年6月取締役兼代表執行役会長・グループCEO、14年6月シニア・チェアマン(現任)。著書に『私の経営論』『私の中小企業論』(日経BP社)ほか。(写真:大槻 純一、以下同)

河合 薫(以下河合):オリックスに入社してくる新入社員さんが「オリックスという立派な会社に入れていただいてありがとうございます、ここで一生懸命勉強させていただきます」って言う…ってことは、完全に“ブランド”として、オリックスに就職してますよね。

宮内 義彦 オリックス シニア・チェアマン(以下宮内):(就職活動は)僕が面接していた数十年前とは、ずいぶん変わりました。ブランドで会社選びをするのではなく、自分の価値観を大切にしてもらいたい。そのほうが得るものは大きいでしょう。仕事の成果は実力がものをいいますから。「僕がこの会社を変えてみせます」くらいのことを考えてほしいです。「おっ、やってみろ!」って言い返してやりたいですね。採用する方としては。

もう原石を磨く時代ではないと思います

河合:でも、縁あって入社した社員を、やっぱり育てるわけですよね? 今はブランド信仰に惑わされているかもしれないけど、ひょっとしたら原石かもしれません。

宮内:今まで日本の会社は原石を採って磨くということをやっていたし、私たちもやってきました。

 だけど、もうそんな時代とは違うと思うんです。出来上がった人を採ってきて、そういう人ができるだけ能力を発揮できるような組織にすることが会社のやるべきことです。だから僕は研修で磨こうという考えは嫌いなんです。会社はアウトプットしてもらうところであって、会社で勉強してもらうなんて、逆さまじゃないかと。勉強した人に来てもらうところだと。

河合:なるほど。私はずっと一括採用は辞めるべきだと主張してるんですけれど。

宮内:そのとおりなんです。僕も中途採用を中心にせよと言ってきたんです。あとは日本人だけを採るなと、盛んに言ってきたんですけどね。

河合:そ、そうなんですか?

宮内:僕の言うことなんて、半分もわかってくれませんでした。せいぜい3分の1聞いてくれる程度でしたね。河合さんの言う“ジジイ”って言われないように、僕も気をつけなくちゃいけないですね(笑)。

河合:あはは…。日本人じゃなくて外国人を採れというのは、ガッツがあるからですか?

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河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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