来年利上げは米国にとどまらず、生産ギャップ縮小で-ゴールドマン

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Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
  • 英国とカナダ、スウェーデン、NZもインフレ対応で利上げの公算大
  • ECBと日銀は「かなり長期にわたり」据え置きへ

結局のところ、インフレは死に絶えていない。ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらがあらたにまとめた試算で、先進国全体で生産ギャップが縮小したことが明らかになった。

  ゴールドマンが公表したG10の生産ギャップに関する報告書によれば、米国が完全雇用の状態を超えたほか、英国もこれに到達し、ユーロ圏では完全になくなっていないもののスラック(たるみ)が縮まった。

  つまり、幾つかの中央銀行は物価上昇へとつながる供給能力面の圧迫に既に直面している。ゴールドマンによれば、米連邦準備制度とイングランド銀行、カナダ銀行、スウェーデン中央銀行、ニュージーランド準備銀行がインフレ抑制のため、来年利上げする公算が大きい。

  ユーロ圏と日本にはスラックが残っているため、両中銀は「かなり長期にわたり」金利を維持する見通しという。

原題:Goldman Analysis Finds It Won’t Be Just the Fed Hiking Next Year(抜粋)

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【NY外為】ドル下落、日中安値近辺-原油など商品相場が大幅高

更新日時
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Photographer: Scott Eells/Bloomberg
  • WTI原油が3%余り上昇、サウジの政治不安定を懸念
  • ドルは対円で下げに転じ、113円台後半まで下落

6日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。ニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が2015年7年以来の高値をつけ、その他商品が幅広く買われる中、ドルは主要通貨と新興国通貨の大半に対して下げた。

  サウジアラビアは、リヤドの国際空港に対するイランの週末のミサイル攻撃は戦争行為と見なし得ると非難。WTI先物は米東部時間の正午前に上げ幅を大きく広げ、約2年ぶりの高値に達した。サウジで汚職を理由に複数の王族や政府要職者が一斉に逮捕されたこともあり、同国の政治が不安定化するとの懸念が増大、資源国通貨が上昇した。ドルは正午前に円に対して下げに転じ、113円台後半まで値下がりした。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前週末比0.3%低下。ドルは対円で0.3%安の1ドル=113円71銭。ユーロはドルに対し0.1%未満上昇して1ユーロ=1.1610ドル。

  欧州の中核国債利回りが米国債利回りより大きく低下したことを背景にユーロは売られ、ニューヨーク市場の午前には1ユーロ=1.1580ドルの安値をつけたが、その後急速に持ち直し、下げを消した。

  新興国通貨は前夜の大幅な下げから持ち直した。中でも、金属相場の上昇を背景に買われたブラジル・レアルが上昇を主導した。

欧州時間の取引

  欧州時間にはユーロがドルに対して下落。銀行系トレーダーによるドル買い持ちの積み増しが背景だと欧州市場のトレーダー2人は指摘した。IHSマークイットが6日発表した10月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値は予想を上回ったが、ユーロ買いの手掛かり材料にはほとんどならなかった。

原題:Dollar Trades Near Session Lows as Crude Surges: Inside G-10(抜粋)
Euro Unresponsive to Data as Banks Go Long Dollar: Inside G-10(抜粋)

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