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先に生まれただけの僕#04[解][字][デ] 2017.11.04

(鳴海涼介)他に候補はいないんですか?事務長!
(柏木)残念ながら非常勤講師として今すぐ来てもらえる数学の先生はこの人達だけです。
ハァ…。
いっそのこと予備校から講師を貸してもらいますか?うちにそんなお金は…。
ありません!だったら言うな!すいません。
ハァ…。
じゃあもう鳴海校長がやるしかありませんね。
え?頑張っておられたじゃないですか数学の授業!いやあれは1回きりだったし…。
結局うまく行かなかったし。
じゃあその中から選ぶしかありませんよ。
島津先生みたいな授業ができたらなぁ…。
あぁ…素晴らしい授業だったそうですね!いやそれはもう!ああいう授業をみんなができ…。
そうだ。
(郷原)教師全員?そうです皆さん全員で。
アクティブラーニングを勉強するんですか?
(河原崎)冗談でしょ?
(文恵)冗談よ!島津先生がアクティブラーニングの実践方法をご存じです。
(島津)あ…。
ちょっとちょっと!?
(柏木)校長はぜひ皆さんにそれを学んでいただいて生徒にとって魅力的な授業をやってほしいと思っております。
(薫)そんな急に言われても…。
(日菜子)無理ですよ!島津先生の授業はホントに素晴らしかったんです。
ねぇ真柴先生。
(真柴ちひろ)素晴らしかったです。
(河原崎)いやでもそれは島津先生のやり方であって…。
我々には我々の授業スタイルがあります。
そうよ!今更アクティブ何ちゃら勉強しろって…。
僭越ながら申し上げますが現在の京明館高校の平均偏差値44を50に上げるためにはそして大学進学の実績を上げてうちへの志願者を増やすためにはやはり先生方に魅力的な授業少なくとも寝ている生徒が1人もいない!そういう授業をやってほしいと校長は望んでいらっしゃいます。
ここはひとつ…ご協力願えませんか?杉山先生。
私?ありがとうございます事務長。
はたで見ていてもう校長が痛々しくて…!
(日菜子)あの…。
音楽もアクティブラーニングで授業できるんですか?島津先生。
できると思います。
日本史も?もちろんです。
あ…物理も古文も生物もできます。
現代社会も。
(日菜子)教えてください!私やりたい!あ…私もちょっと興味出て来たアクティブラーニング。
島津先生に教えてもらってください。
真柴先生も。
考えさせてください。
何を考えるんです?何をって…。
全部の授業を変えるなんて無理よ。
混乱を招くだけですよね?でも矢部先生がやりたいって言うんだったら…。
一緒にやりましょうよ河原崎先生!じゃあ…!河原崎ちゃん?やらない。
え?
(柏木)確かに一度に全部の授業を変えるのは無理かも…。
ま3年生はもう11月ですからしょうがないとして授業内容を変えるとしたら1年生と2年生ですね。
それでいいと思います。
では皆さんお願いします。
(薫の声)私真っ先にちひろちゃんが手挙げると思ってた。
え?
(薫)だって言ってたじゃない?「私も島津先生みたいな授業ができたらいいな」って。
うん…そうなんだけど…。
何か引っ掛かるんだよね。
ナルミンに命令されたみたいに聞こえたの?教育現場を知らない素人校長。
そうじゃなくて…。
何かちひろちゃんって素直になれないっていうかこじらせてるよね。
ん?恋人いない歴何年だっけ?5年?6年?どうしてそんなこと…。
7年か。
5年です。
何で恋人つくんないの?薫さん…。
だって全然合コンとか行かないじゃん?もしかしてこの先1人でもいいとか思っちゃってんの?私そんなに開き直ってないし結婚願望だってあります!
(薫)ふ〜ん。
ただ相手がいないだけ!じゃあ河原崎先生がしょっちゅうやってる合コンに。
合コンは嫌。
(振動音)ああいう浮ついた会話私耐えられない。
島津先生だ。
島津ッチ?何「島津ッチ」って。
え?島津です。
何かありました?生徒のトラブルとか?
(島津)あいえ…。
真柴先生もぜひいらしてください勉強会。
え?一緒にやりましょう!新しい授業。
分かりました。
じゃあまた明日。
はい。
失礼します。
(薫)何?何?「新しい授業一緒にやりましょう」って。
何で私は誘われないわけ?結婚してるから?やっぱりちひろちゃんのこと好きなんだ〜島津ッチ。
違うよ!いやいやいや…。
いや私年下無理だから!いやいやいや…。
ちょちょちょ…何?「いやいやいや」って。
20世紀型教育。
それは教師が知識を与え生徒がそれを受け取るというシステムです。
その中での教師は生徒の集中力を持続させるために大声で怒鳴ったりもします。
コラ!聞いてんのかそこ!つまり教師と生徒は一方通行の強制的なコミュニケーションで成り立っているわけです。
なるほど…。
しかもその授業は答えを知っている教師がそこに生徒を誘導する。
正解にたどり着くことだけがゴールなんです。
だから褒められるのは一番最初に正解にたどり着いた生徒。
(文恵)あなたはちゃ〜んと分かってるわね。
どうしてみんな分かんないの?
(島津の声)問題はこの教育方法ではクラスの中に常にゴールにたどり着けない生徒がいるということです。
あぁ…。
ずっとゴールインできなかった生徒が勉強嫌いになるのは当然だと思うんです。
うちの生徒だ!
(河原崎)メンデルの遺伝の法則は3つある。
優性の法則。
これはどういうことかというとヘテロ接合体…。
アクティブラーニングは部活と一緒だと思ってください。
部活?
(島津)はい。
部活ではまずコーチが今日の課題を伝えます。
そして部員達は練習を始める。
つまり自らがプレーする。
自らがプレー?強くなるために試合に勝つためにお互いが叱咤激励し技術を高め合って行きます。
そうね。
でも部員達に任せっきりはダメですよね?コーチが常に練習の雰囲気や流れを観察しアドバイスを与えて行かなければなりません。
その通り!それと同じことを授業でやるんです。
できるかもしれない!教壇に立ちますか校長!立ちます!はぁ!?
(部員達)よし!♪〜教師が流れをつくる。
生徒が自分で答えにたどり着く授業。
生徒に丸投げをしない。
(沙織)校長先生が数学をご担任なさるんですか?はい。
(沙織)これからもず〜っと?そのつもりです。
(沙織)ハァ…ますますストレスがたまることになりますよ。
だからここで勉強してるんじゃないですか!はい?僕がおかしくなって来たと感じたらすぐにケアをお願いしますね?綾野先生。
お先に失礼いたします。
(加賀谷)このプロジェクトは失敗できないからな。
お前のチームが責任持ってやれよ後藤田。
(後藤田)頑張ります。
頑張るんじゃねえやるんだよ!必ずやり遂げます。
(加賀谷)次の予定は?
(友梨子)30分後にクラウドビジョンの社長がいらっしゃいます。
(加賀谷)終わりだ仕事に戻れ。
(一同)失礼します。
(友梨子)お疲れさまでした。
(加賀谷)おい後藤田。
お前鳴海と同期だったな。
(後藤田)はい。
(加賀谷)連絡取り合ったりしてんのか?
(後藤田)鳴海が何か?「京明館高校事業改革案」!こんなもん出して来やがった。
ハハ…!読む気にもならねえ。
あそこを黒字にしろとは言ったが改革しろとは言ってねえんだよ俺は!
(後藤田)加賀谷専務は鳴海がお嫌いなんですか?お前もだろ?私は別に…。
(松原聡子)何がダメなんですか?専務。
鳴海さんは赤字だった弘前支店を2年で立て直しました。
今だって加賀谷専務に命じられた仕事を一生懸命やっています!専務が鳴海さんを嫌う理由が分かりません。
ひとの好き嫌いに理由なんてない。
子供っぽいこと言うなよ。
私は専務のほうがよっぽど…!
(後藤田)やめなさい松原君。
失礼しました!行こう。
仕事に戻るんだ!君は…。
ホントに鳴海のことが好きなんだな。
それとこれとは…。
うらやましいよ。
え?僕もあんなふうに専務にたんか切れたらな…。
(振動音)
(鳴海の声)「今夜会えない?」。
鳴海と松原はデキてんのか?
(友梨子)婚約してるって噂です。
なるほどねぇ…。
だから俺にあんなことを…。
「私は専務のほうがよっぽど子供っぽいと思います」!言ってませんよ。
ハハハ…!香坂君もそう思うか?
(友梨子)私は専務のやり方を知ってますから。
ほう?言ってみろよ。
(友梨子)加賀谷専務が高圧的な態度を取られるのは優秀な社員に対してだけです。
そういう人を自分の支配下に置きたくて怖い存在になろうとされるんです。
実は俺は鳴海のことを認めてるって?ええ。
ハッ…!ハハハハ…!フフ…。
アハハハ…!ア〜ハハハハ…!♪〜うまく行きそうなの?数字で結果が出たってわけじゃないんだけど何かやれそうな気がして来たっていうか学校とか教育とかそういうのに熱くなれるんだ…って思えて来ちゃったんだよね。
涼君顔つきが全然違う!そう?うん。
フフ…。
よかったホント!サト。
この前「今は結婚は考えられない」って言ったけど…。
やっぱり何があってもサトへの気持ちは変わらないと思うしもう少し落ち着いたら具体的に考えよう結婚。
結婚!ホントに?うん。
え…?いや…泣くほどのこと…?ほらサト。
すいません何でもありませんからすいません…!学生の本分は勉強です。
だから勉強が楽しくなければ学校はつまらない。
これから1年生と2年生の授業を変えて行こうと思います。
面白いって思えるような授業に。
・え〜!・・面白い授業?・言っちゃった…。
「面白い」って何だよ。
勝手に宣言すんなよ。
私達の授業がつまんないって言いたいの?これは京明館高校をもっともっといい学校にするための挑戦です。
あっ3年生はこのまま突き進むのみ。
もう受験も迫ってるし専門学校志望の人就職する人みんなそれぞれの進路に向かって頑張ってください。
よし行こう!はい!よ〜し。
絶対大丈夫です。
はい!
(日菜子)あっあ…すいませんすいません…。
矢部先生まで何張り切っちゃってんだよ…。
頑張れ自分!ホント迷惑だよな。
教師全員が授業を変えるみたいなこと言っちゃって。
それがあの校長のやり方なのよ郷原ちゃん。
無視してりゃいいのよ私達は。
あぁ空か…。
じゃあいってきます!頑張ってください校長!はい!落ち着いて堂々と!はい!自信を持って!校長ならできる!はい!今日はきっと歴史的な日に…!もう行っていいですか?いってらっしゃい!はい!みんな教科書を閉じてください。
・え?・教科書を閉じて。
今日はみんなにグループに分かれて考えてもらいます。
これはイギリスの大学入試で実際に出た問題です。
・イギリス?・・大学入試?・はいよく聞いて〜!違法駐車をしたら死刑という法律ができました。
すると違法駐車が激減しました。
これはいいことだと思いますか?日米修好通商条約とはどういうものだったのか今日はみんなにきっちりと理解してもらおうと思います。
幕府薩摩藩商人農民。
まず班に分かれてそれぞれの立場からアメリカに何を要求したいかを考える。
もちろんアメリカ役の班もつくります。
理想を言えばハリスとの交渉は英語でやってもらいたいんだけど。
・英語だって・
(薫)は〜いじゃあみんな立ってはいみんな立つ立つ。
はいじゃあ6人ひと組の班になって。
♪〜「超絶技巧練習曲第10番ヘ短調」♪〜・速くない!?・・すごい…!・
(拍手)今のはリストの超絶技巧練習曲第10番です。
当時の人達もこれを聴いた時はび〜っくりしたの!今でいうヘビメタのギターの速弾きみたいな。
・なるほど・・あれか・じゃあ今日はこの曲とヘビメタを聴き比べてみよ〜う。
・え〜!・・めっちゃ嬉しいんだけど・
(生徒達が話し合う声)・そうそうそう…!・・あっこれかこれか!・時間はまだあるから焦んなくていいよ〜。
(男子生徒)合ってるあっじゃあこれか。
分かった分かった…!はい分かった!
(男子生徒)分かった分かった。
・頑張れ!・・頑張れ頑張れ…!・正解!正解だ!やったやった!移して。
はいゴール!
(男子生徒)正解!ゴール…!イェ〜イ!イェ〜イ!
(郷原)運動している物体の慣性の法則は例えば…。
(郷原)15秒までは秒速3mで進む場合は…。
(豊島)先生これから面白い授業に変わる…って校長先生言ってましたけど先生どうして変えないんですか?変えてほしい。
面白くない。
つまんな〜い変えよう?あれは校長の考えだ。
それにお前ら3年だろ。
(生徒達の不満の声)
(郷原)そのまんま同じ速度で進む場合は等速直線運動。
うまく行きましたか?はい!あんなに生徒が前向きになってくれたの初めてで…。
そう!流れの持って行き方は難しいけどでも生徒が自分の力で答えを導き出すというのは絶対いいと思います。
校長!よかったです。
僕も生徒全員がゴールにたどり着くことができました。
ありがとうございます島津先生。
あっいえ…真柴先生もうまく行ったんですよね?生徒は熱くなって議論してくれましたし寝ている生徒も1人もいませんでした。
大成功じゃないですか!おぉ〜!でも…この授業を毎回やるんですか?え?生徒達が楽しく勉強できて学力も身に付くんだからいいじゃないですか。
だとすれば年間のカリキュラムを変えるってことですよね?1〜2年生はアクティブラーニングで楽しく勉強することを覚えて3年生から受験モードにグッとシフトする。
私立だからこそできるカリキュラムですね。
こういうやり方で進学校に変貌した学校もあります。
すご〜い!そんなにうまく行くんでしょうか?
(薫)授業はうまく行ったんだしもう気にすることないんじゃない?真柴先生は杉山先生達が気になるんですか?あ〜抵抗勢力3人組。
そうなのかな?でも全員の賛成を待ってたら事は前に進みませんよ。
その通り。
(ノック)はい。
どうぞ。
・失礼します・岡村さん。
(桜子)3年3組の岡村です。
あっ弓道部のエース。
あぁ。
(杏奈)同じクラスの吉川です。
戸沢です。
どうしたの?僕に何か提案かな?私達の授業は変わらないんですか?2年生や1年生が授業が面白くなったって喜んでるんですが。
3年生の授業は全然面白くないままです。
だって君達は…。
(柏木)校長がおっしゃっただろ。
もう11月なんだから3年生はこのまま突き進めって。
校長先生は京明館高校をいい学校に変えたい…とおっしゃいました。
でもその計画の中に私達は入ってないんですか?え?いやそれは…。
そういう意味ですよね?僕達は見捨てられるんですか?
(杏奈)切り捨てられたんですか?私達は。
どうだった?
(女子生徒)校長先生何て言ってた?3年生を見捨ててるつもりはないって。
君達の不満はよく分かるって。
絶対分かってねえよあいつ。
そんなこと考えてもなかったって顔してたもん。
・はぁ?・・何だよそれ!・・どうでもいいのかよ!・・ふざけんなよ!・
(澤田)俺は就職だから関係ないけどな。
(直美)私も専門行くって決めてるし。
(有賀)でもひでぇよ俺ら3年生はどうでもいいなんてさ。
これだったんだ…。
え?私が引っ掛かってたの。
(文恵)私のとこにも言って来ましたよ3年の生徒が。
校長の話を聞いてムカついたって。
(河原崎)そりゃそうですよ自分達は相手にされてないんですから。
(郷原)ほらほらほらほらほら!
(柏木)こんなところに落とし穴があったか…。
いやしかしですね学校を改革しようとするならどっかで区切りをつけなきゃいけないわけだからこれはもう致し方ない…。
私もそう思います。
3年生からしたら楽しそうな授業に見えるかもしれないけど私達も手探りでやってるわけですから。
手探り?要するに2年生1年生を実験材料にしてるんだ。
いや…。
(郷原)アクティブラーニングで本当に学力が身に付くのか分からないのに?それは方法論さえ間違っていなければ…。
それ以前の問題でしょ。
私達は校長の改革案に賛成した覚えはありません。
ないない…ないですよ。
教員全員の理解を得ないうちに生徒に言っちゃったのがマズかったんだよな〜。
それは反省してます。
(文恵)カリキュラムを変える学校の方針を変える…ということは生徒の人生を変えることになるんですよ?責任取れるんですか?校長は。
(郷原)それとも偏差値44の学校の生徒にはどうせ問題意識なんてないから文句は言わないと思ったのかな〜?
(河原崎)生徒はクライアントで商品だと思ってるからな校長は。
あのコ達が傷つきやすい年頃の生身の人間だってことを忘れてんのよ。
そこまでおっしゃらなくても…。
あの…よろしいでしょうか?私も生徒はクライアントであり商品だという校長のお考えは正直よく分かりません。
でもこの学校は変わらなければいけない。
そのためには生徒を変えなければいけない。
そのためには何よりも私達教師が変わらなければいけない…という校長の意見は正しいと思うようになりました。
(郷原)やっぱり校長の味方になっちゃったんだ真柴先生は。
味方とか敵とかそんなんじゃなくて…それがこの京明館高校をいい学校にすることになるんだと思ったんです。
それに私自身新しい授業をやってみて生徒の目の輝きが全然違うのを見て思ったんです。
ホントに変わるべきは自分だったんだって。
(河原崎)でも実際問題が起きてるんですよ?そうだよ。
3年生は寂しい気持ちでここを卒業することになるんだわ。
「どうせ私達は」って。
それも先生方の役割ではありませんか?はぁ?変わらなければいけないところだと私は思います。
え?3年生は傷ついているそれは事実です。
だったらどうすればケアできるのかそれを私達は考えるべきではないでしょうか?事務長がおっしゃった通りどこかで線は引かなければならないんです。
それは謝って分かってもらわないと。
それが私達の仕事だと思います。
同感です。
私もそう思います。
あなたに分からせることができるの?保健の先生は生徒の成績つけなくていいから気楽にそんなこと言えるんですよ。
それは違います。
(薫)3年生のケアは必要だと思います私も。
就職組や専門学校組は仕方ないとして進学志望の3年生にはワンランクでも上の大学に行けるよう指導するしかないですよね。
特進クラスでもレベルの差があるので今よりも細かく学力別にグループ分けをして教えるとか。
簡単に言うけど私達の負担が増えるだけでしょ。
僕は部活で忙しいんです!合コンもね。
時間取られる上にひねくれちゃってる3年生なだめて勉強させなきゃいけないなんてな〜。
でもそれはやっていただきたいです。
というよりやるしかないです。
「やるしかない」って…。
ハァ…フッ。
ハァ…。
すいませんでした皆さん。
これは僕のミスです。
島津先生の授業に感動して何名かの先生が賛同してくださったから大丈夫だって思って前のめりになってしまいました。
申し訳ありませんでした。
でも…僕は素人なので受験指導をどうしていいか分かりません。
3年生の授業…。
皆さんで協力して行っていただきたいと思います。
どうか…よろしくお願いします。
読んだぞ。
ありがとうございます。
1年生2年生の授業を学習意欲を高めるアクティブラーニングに変えて3年生から受験モードに切り替える。
お前いつから教育者になったんだ?京明館を黒字化させるには当然収入と支出の改善が必要なわけですが…。
学校という性格上どうしても生徒との向き合いや教師の意識改革が必要になって来る…。
そんなことを聞いてるんじゃない。
「学校の理念を変更する」。
「グローバル人材の育成」から「たくましく自立できる人間を育てる」へ。
お前は自分の城をつくって王様になるつもりか?いえ違います。
理念を変えるっていうのはそういうことだろうが!今の京明館高校には「グローバル人材の育成」よりも地に足の着いた自立した人間をつくる…というスローガンのほうが。
(加賀谷)鳴海。
俺はお前にこの高校を好きに変えろと言った覚えはないぞ?生徒との向き合い?教師の意識?お前はもうあの学校の全員から認められてるのか?全員のコンセンサスを取ってこれを作ったのかよ!数字で出せ!俺に分かるように数字を並べた改革案を出せ!お前何で社員バッジ外してんだよ。
やはり…出向して学校に来てるというのは…。
出向で校長やってんだろ?樫松の社員だろお前は!すいません。
またかけ直します失礼します。
・何階?・あっ12階に…。
あぁ…香坂さん。
忙しそうね。
同期の中で松原さんが一番仕事してるんじゃない?そんなことないよ。
今日も加賀谷専務に呼ばれてたよ鳴海さん。
何かあったの?この間の松原さんカッコ良かったわ。
あの怖い専務にケンカ売っちゃって。
だからなおさらなのかな…。
今日の鳴海さんにはがっかり。
京明館任されてるんだから堂々としてればいいのにちょっと言われただけで腰砕けになるなんて。
そんな人と結婚するの?松原さん。
それは…。
これ以上は言えない。
秘書ですから。
大丈夫だよ!サトが心配するようなことじゃない。
加賀谷専務に何かキツイこと言われたんでしょ。
まぁ仕事のことだしサトに説明しても仕方ないから。
ホント大丈夫。
そう…。
分かった。
じゃあね。
うん。
ハァ…。
(警備員)おはようございます。
(生徒)おはようございます。
(警備員)おはようございます。
(生徒)おはようございます!
(警備員)おはようございます。
(生徒)おはようございます。
(警備員)おはようございます。
(生徒)おはようございます!
(ノック)おはようございます。
あぁ…おはようございます真柴先生。
昨日は申し訳ありませんでした。
何がですか?うちの…弓道部の岡村さんが。
ああいうことは担任か顧問の私に先に言うべきなのに。
いや…。
あれは当然だと思いますよ。
私も彼女を納得させられませんでした。
え?
(ちひろの声)いつもはしっかりしてる彼女があんなふうになっちゃうんですから。
ホントに3年生は疎外感を感じてるんだと思います。
どうしたらいいんでしょうか…。
やっぱり校長先生が何か言ったほうがいいと思います。
「仕方がないんだよ」でも「申し訳ない」でもいいからちゃんとあのコ達と向き合ってあげなきゃいけないんじゃないでしょうか。
どうして真柴先生が?え?「教育の現場のこと何も知らないくせに」って僕のこと否定していたのに。
いや…ホントに素人です。
だからこんなことになってるんです。
でも…。
校長先生は私達には言えない言葉を持ってらっしゃいます。
(川口)真柴先生!え?これくらいでも痛い?
(須崎)いえ…。
骨にヒビが入ってるところまでは行っていないと思います。
まぁ肋軟骨骨折ぐらいでしたらこのままにしといても大丈夫なんですが…取りあえず病院に連れてってレントゲンを撮ってもらいましょう。
じゃあ私が家族に連絡します。
はい。
病院に行こう須崎君。
はい。
無理しないでゆっくり。
朝練でケガしたの?
(柏木)引退した3年生が来たそうなんです。
3年生?
(柏木の声)そいつがしごきのような練習を!
(大矢)捕れよ!そんなんでへばってんじゃねえぞ!行くぞ!
(ちひろの声)練習中の事故でもいじめになるんでしょうか?普段はそんなことする先輩じゃないそうですよ。
やっぱりうっぷんがたまってるんでしょうかね…。
あのことで。
事務長。
は。
3年生を集めてください。
みんなに謝ります。
僕はこの京明館高校を改革するために校長として赴任して来ました。
でもその改革プランにみんなは入っていません。
卒業が近い3年生だから仕方がなかった。
君達の心を傷つけたのならば僕の失敗です。
本当にごめんなさい。
もうどうでもいいんじゃない?今更謝ってもねぇ…。
ですよね〜。
ただあえて言わせてもらいます。
こんなこと社会に出れば普通にあります。
社会では人は公平に扱われません。
必ずどこかで線引きされ評価され誰かが選ばれ誰かが落とされそうやってそれぞれの居場所が決まって行くんです。
何言いだすんだよ…。
卒業したら就職する人達立ってもらえますか?就職組立ってください。
社会に出たら理不尽なことがたくさん転がっています。
今君は君達は僕に腹立ててるかもしれないけど社会での理不尽なんてこんなもんじゃないよ。
それは覚悟しておくべきです。
覚悟しろって…。
もちろん入った会社がブラックだったらそんなのはすぐに辞めてもいい。
次の仕事を見つけるのは大変かもしれないけどでも心を病んだり命を落としたりするような職場だと思ったならさっさと逃げていいんだよ。
でもさっきも言ったように理不尽なことは当たり前に起きます理不尽な人はたくさんいます。
ちょっと嫌なことがあったからってそれだけで心が折れてしまってはこの先生きて行けません。
そんな時にまさに線引きです。
どういう時に頑張るのかどういう時に逃げるのかよく考えて線引きしてください。
校長!それはちょっと言い過ぎじゃありません?そんなに脅かさなくっても…。
座っていいよ。
本音で語りゃいいってもんじゃ…。
専門学校に進む人達立ってください。
(郷原)おいおい…。
うん。
自分の将来のことを今から決めてそのための勉強を選択したことは素晴らしいと思います。
でも…ここでもやっぱり現実の厳しさがあるんだ。
専門学校で習うことはまぁ恐らくどの業種もそうだと思うけど基礎中の基礎。
実際にその職場に行っても最初は何もできないと思います。
その仕事で必要なスキルは現場で学んで行くんです。
だから…。
「こんなはずじゃなかった」なんて思ってもそれは普通のことだと思ってください。
仕事をしてお金をもらうということは簡単なことじゃないんです。
そりゃそうだ。
座っていいよ。
・大学に進学する人達…・立ってください。
うん。
この中のどれくらいの人が勉強をするために大学に進学するのかまぁ僕はよく分かりません。
でも大学を卒業したほうが就職に有利だからとかまぁ今は将来やること決められてないから取りあえず大学に進学してそれから考えようっていう人もたくさんいると思います。
でもでもあえて言います。
今の京明館高校のレベルでつまりみんなのレベルで入れる大学は決して就職に有利といえる学校ではありません。
え…?いいんですか?もう知らねえよ。
勝手にして。
多くの企業は大学のランクを採用のポイントに入れていますそれが現実です。
だからこそみんなは大卒という肩書ではなくて1人の人間として人間力で勝負しなければならないんです!だから大学の4年間は絶対にムダに過ごしてはいけません。
まぁ僕の経験上から言うと大学のいいところは自由が増えるところです。
受けたい授業を自分で選択することができるし毎朝決まった時間に「起立」「礼」なんてのもありません。
あとは…まぁ…そう。
キャンパスで1人でいても全然大丈夫。
高校だったらその…付き合いが悪いヤツとか思われるかもしれないけど大学だったら誰も何も言いません。
まぁそうね。
でも大学に入れば戸惑うこともあるかもしれません。
例えば…例えば政治学部に入ったらどんな授業があると思う?え?政治…?どんな政治?どんな…?例えば18世紀のイギリス政治について勉強したりするわけさ。
いやこれはもう…高校以上に「これ一体何の役に立つんだろう」って思うかもしれない。
でも仕方ないんだ。
大学は専門的なことを勉強する場所なんだから。
だから…受けたいと思う授業があれば面白いかもしれないけどそうでなければ単位のために卒業するためだけに頑張らなければならない。
それが大学という場所です。
でもそこで勉強するのは学問だけではありません。
僕が広島から東京の大学に来て思ったことはとにかくいろんなヤツがいるっていうことなんです。
同じ学年にも上にも下にも。
いろんな人間がたくさんいました。
まぁそんなヤツらととにかく話したりするわけさ。
うん…。
教室とかサークルの部室とか居酒屋とか。
真面目な話からどうでもいい話までとにかく熱く議論をたくさんしました。
そうすることで自分の視野が広がって行くんです。
君なんかそういう体験をすることですごく成長できると思うよ。
今回みんなに指摘されて僕は問題に気付くことができました。
やっぱり人と人は正面からぶつからないとならない。
黙ってないで行動を起こさなければならない。
そういうことをみんなは僕に思い出させてくれました。
大学に行くみんなはこれからの4年間がこの先の人生を決めるくらいに思っていなければなりません。
僕達企業の人間から見るとダメなヤツはすぐ分かっちゃう。
どんなに自己アピールしてもどんなに話盛ってもウソはすぐ見抜かれてしまいます。
だからそういった場所で君達が語るべきことは実際に自分達が体験したことや自分達が感動したこと感じたことそういったことでなくてはなりません。
座ってください。
君達はまだ10代です。
これから10年後20年後どうなるかなんて分かりません。
まぁもちろん将来どうなりたいかもう決めていて逆算してそれに向かう努力をして実際にそうなれればまぁそれはそれでいいけど…。
もし今将来の自分をイメージできていなかったとしてもそれはそれで構いません。
だって10代の君達が思い付く仕事なんかたかが知れてんだから。
これからみんなはたくさんの人に出会うと思います。
いろんなことを体験していろんなことを考えて行くでしょう。
そうした中で自分がどういう人間なのか分かって行き自分にふさわしい仕事が見つかって行くと思います。
まぁそうした中で君達のことを分かってくれる誰かが「こっち来たら?」なんて誘ってくれることもあると思います。
そうやって自分の仕事を見つけた大人はたくさんいます。
思い通りの人生なんて絶対にないよ絶対に。
人は壁にぶつかり悩み考えることで自分をつくりその壁を乗り越えることで自信を持って行くんだ。
一番ダメなのは何もしないことです。
何もしないヤツにはチャンスはやって来ない。
サッカーだってそうだろ。
走ってるヤツにしかパスは回って来ない。

(足音)これから京明館高校は変わって行きます。
でも皆さん3年生も大事な生徒であることには変わりありません。
これから卒業まで残り5か月。
最後まで自分と向き合って友達を大切にしできるなら後輩達を励まして充実したと言い切れるような高校生活を過ごしてください。
あの野郎…!2017/11/04(土) 22:00〜22:54
読売テレビ1
先に生まれただけの僕#04[解][字][デ]

怒涛の10分超えロングスピーチ!改革から取り残された三年生のみんなへ!

詳細情報
出演者
櫻井翔
蒼井優
瀬戸康史
木南晴夏
森川葵
平山浩行
池田鉄洋

多部未華子

井川遥
荒川良々
秋山菜津子
高嶋政伸
風間杜夫
番組内容
生徒たちの勉強意欲を向上させるべく、鳴海(櫻井翔)は授業にアクティブラーニングを導入したいと教師たちに提案する。ノウハウを持っていた島津(瀬戸康史)をはじめ、薫(木南晴夏)、日菜子(森川葵)は賛成。一方、文恵(秋山菜津子)、郷原(荒川良々)、河原崎(池田鉄洋)は反対。職員室の意見が分かれる中、生徒たちには好評で、鳴海は手応えを感じるも、同時に、予想していなかった問題が持ち上がり…。
監督・演出
【演出】
水田伸生ほか
【プロデューサー】
次屋尚
高橋史典
原作・脚本
【脚本】
福田靖
音楽
【主題歌】
「Doors 〜勇気の軌跡〜」嵐(ジェイ・ストーム)
【音楽】
平野義久
制作
【製作著作】
日本テレビ
【制作協力】
ケイファクトリー

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
主音声ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
解説ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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