(レイチェル)新戸部文夫だ。
(目黒)将来の首相候補か…。
(新戸部)先生のお名前に傷が付かないよう気を付けます。
(チャイム)
(金坂澪)は〜い。
久しぶりですね。
成人式以来だね。
どうしたの?そんな怖い顔して。
あの人に頼まれたんですか?あの人っておじいちゃんなんだから。
そうなんですよね?ハッ…違う違う。
政界のドン轟雄之助と縁を切った孫が1人暮らししてる。
無事かどうか心配するのは当然でしょ?大体僕がここにいるのが先生にバレたら怒られるだけじゃ済まないよ。
はい!これこれ。
たい焼き粒あんでしょ?好きだったの。
覚えててくれたんですか?もちろん。
しかし随分質素な暮らししてるんだね。
先生が送ったお金は?使ってないの?自分のために使うつもりはありません。
あのお金はもっと正しいことに使われるべきです。
正しいこと?ええあなたのように。
爆発音
(澪の声)2年前セントラルベイホテルで起きた爆弾事件。
他の政治家が逃げ惑う中…。
(女性)助けてください!
(新戸部)どうしました!?子供が中にいるんです!
(澪の声)新戸部さんは危険も顧みず自分を犠牲にして人命救助に当たりました。
あの日からたくさんの人が支持するようになりました。
新戸部さんが正しい政治家だからです。
だからあんな人とは決別すべきです。
(新戸部)ご両親が亡くなった今先生はたった一人の家族だ。
血がつながってるのは先生だけなんだからもっと大切にしたほうがいい。
たまには手紙ぐらい書いてあげてよ。
もし先生に連絡取りづらかったら僕に言って。
困ったことがあったら力になるから。
《たった一人の家族》
(カンちゃん)それ轟じゃん。
あ…そう轟。
(ぱるこ)ワイドショーでやってた陰のドン。
《ドン…》いかにもラスボスって顔だよね。
《ラスボス…》総理大臣決めてるんでしょ?こいつに逆らった議員は即行抹殺されるらしいよ。
《やっぱりひとに言えない》
(ぱるこ)あっ澪ちゃん時間。
うん。
どうしたの?
(ぱるこ)行こう?・焼肉定食で〜す・
(千川完二)天ぷらうどん?おいしそうだね。
誰ですか?はじめまして脅迫屋です。
益子孝行君今からあなたを脅迫します。
1週間以内に500万用意しろ。
さもないと君の母親の秘密をバラす。
(益子)おふくろの?あっ就職決まったんだってねおめでとう。
でも会社にバレたら内定取り消しになっちゃうかも。
誰に頼まれた?君の母親に騙された被害者の家族。
(箸が机に当たる音)ん?何してるんですか?何で君がここにいるんだ?こっちのセリフです私の大学になぜいるんです?知らないの?大学はオープンなスペースだ。
広く一般に開放されている。
お言葉を返すようですが一般人は大学生を脅迫なんかしません。
しかも同じ学びやの学生を強請るなんて見逃すことはできません。
今すぐ警察に通報してください。
分かりました。
何とか金を用意します。
えっ?お〜!話が早くて助かるよ。
じゃ1週間後に。
あ…あっ。
ちょっと!食べたら食器は片付けて…。
あっあの私…教育学部の金坂澪と申します。
あんたも脅迫屋の仲間?単なる顔見知りです。
それよりどうしてお金を払うとおっしゃったんです?脅迫になど屈してはいけません。
俺脅されてもしょうがないから。
結婚詐欺師だったんだ俺の母親。
どういうことですか?シングルファーザーを狙って財産騙し取ってた。
俺が中学の時に警察に捕まって5年前に出所したけどその後ガンが見つかって…。
苦しんだ揚げ句去年死んだ。
脅迫依頼して来たのって被害者の家族なんだろ?まっいつかこんな日が来るとは思ってたけど。
被害者の方の心中はお察ししますがおかあ様の罪はおかあ様の罪あなたはあなたです。
お金なんか払う必要ありません。
簡単に言うね。
俺今まで犯罪者の息子だってバレるたびに嫌がらせ受けて家を転々として来たの分かる?子供に罪はないなんて通用しない。
誰かが背負わなきゃいけないんだ500万だって。
だったらそのお金私が払います。
はぁ?私無駄にお金を持ってるんですだから…。
そんな金もらったらおふくろと同じじゃないかよ。
失礼なことを言ってしまって申し訳ありません。
でもお助けしたいんです。
何か私にできることはありませんか?だったら頼みたいことがある。
ハ〜イ。
何?何だよ。
益子さんが脅迫の件でお話したいことがあるそうです。
また君何か余計なこと言ったんじゃないのか?いいえご本人の意思です。
益子さんどうぞ。
何の話?あの…脅迫してほしい人がいるんです。
えっ?お〜!これはこれはご利用誠にありがとうございます。
益子さん私はそんなことのためにお連れしたわけではありません。
脅迫なんかに屈しないんじゃないんですか。
ご本人の意思だ。
詳しく聞こうか。
ダメです。
(益子)ある女性が男と別れたがってるんです。
だから彼女が自由になるようにその男を脅迫してほしいんです。
そんなこと頼む必要ありません。
もし女性が別れたがっているなら第三者を交えて話せば済みます。
報酬金額は?50万出します。
お〜50万。
いけませんそんなお金。
その女性の名前は?萩沼真希さんです。
萩沼真希?君との関係は?バイト先の友人です。
友人ねぇ。
で脅迫したい相手は誰?戸田という男です。
(益子の声)僕のバイトしているホテルで真希さんは働いていて戸田はそこの支配人なんです。
ただ…。
(戸田)萩沼君ちょっと…真希さ今夜ねスイートキャンセル出ちゃったみたいでさジャン!待ってるからふ〜ん愛人ねぇ。
戸田には奥さんも子供もいるのに…。
益子さんいったん冷静になって考えましょう。
こんなやり方絶対に間違ってます。
ちなみに君にはすでに500万の脅迫がかかってることお忘れなく。
これで合計550万だ。
準備できるのか?
(益子)何とかして用意します。
だから早く彼女を自由にしてあげてください。
こんな形で自由になってもきっと彼女は喜びません。
分からないだろ?泣いて喜ぶかもしれないだろ。
あなたは黙っててください。
あの…僕が依頼したことは絶対に真希さんに知られないようにしてほしいんです。
分かった。
(栃乙女)へぇ〜。
(栃乙女)50万払ってでも別れさせてあげたいなんてこれ恋だね純愛だね。
あっま!気が乗らない。
これは別れさせ屋の仕事だ。
俺達の仕事じゃない。
千川?これは神のいたずらか。
この萩沼真希ってコ俺に益子孝行の脅迫を依頼して来た女だ。
(真希)益子孝行を脅迫して500万を出させてくださいえっ?えっ?じゃあこれって…。
脅迫のダブルブッキングだ。
(ロビン)え〜っとダブルブッキングってそういうことじゃないと思う…。
いいんだよニュアンスニュアンス。
どうした?目黒。
要するに益子孝行は萩沼真希を助けたいが萩沼真希は益子孝行を脅迫したいんだな?ああしかも益子は萩沼真希が自分の母親の被害者家族だということを知らない。
もちろん自分を脅迫してることも。
そんな人を好きになっちゃったんだ〜。
しかも不倫相手から自由にさせてあげたいなんて依頼までしてかわいそ〜。
萩沼真希はセントラルベイホテルで経理の仕事をしている。
益子孝行はそこで清掃のバイトを始めて半年前に出会っている。
(レイチェル)知ってるそのホテル2年前に爆弾事件があった場所でしょ?あの新戸部が子供助けたっていう。
あ〜もう物騒な話はおしまい。
飲もう!今日は俺がおごるよ。
何てったって2つの案件で100万円だからな。
ホント?レイチェルあれ取って。
うれしい。
ごちそうさまです。
ロビンはダメ。
えっ何で僕だけダメなの?何かヤダ。
え〜。
目黒〜20年物の紹興酒開けるか?何か胸騒ぎがする。
金坂澪が萩沼真希に話に行く気がしてならない。
まぁね澪っちそういうタイプだから。
それなら…。
ノープロブレム。
(真希)益子君お疲れさま。
(益子)真希さん。
(真希)ねぇ終わったらごはんでも行く?あ…いやこの後もう一個バイトが。
そうなんだ。
(受信音)すみません。
どうしたの?あっいやちょっと…。
すみません失礼します。
益子さん。
脅迫屋から連絡が来た。
君が真希さんと接触するはずだから注意しろって。
言わないでって言ったよね?でも真希さんのことが好きだから頼んだんですよね?その真っすぐな気持ちを伝えれば…。
あのさ俺結婚詐欺師の息子だよ。
そんな奴の言葉誰が信じるの?おかあ様の罪とあなたは関係ありません。
関係ある。
俺は一生おふくろの罪から逃げられない。
君には分かんないよ。
分かります!私も家族のことで誰にも知られたくないことがあります。
だからといって自分の人生を諦めるのはおかしいと思います。
もっと前を向いて…。
何きれい事言ってんだよ!それができたらとっくにやってるよ!大体俺は脅迫屋に頼んだんだあんたには関係ないだろ。
二度と俺の前に現れるな。
《生まれて初めて会ってはいけない人ができてしまった》
(京田)おかえりなさい。
あっ京田さん。
こんばんは。
あれ?元気ないですね。
あぁまぁ…。
じゃあこれ食べて元気出してください。
えっ?友達の京都のお土産。
いっぱいもらったんで。
あぁ…。
じゃ。
あっあの…。
はあ…。
《ついに自分からお誘いして男性を部屋に上げてしまった》
(京田)あっ。
飾ってくれてるんですね。
おかげさまで癒やされてます。
何かあったんですか?誰かに話すと悩みは半分になるっていうじゃないですか。
もちろん言いたくないなら聞きませんけど。
私が失礼なことを言ってある方を怒らせてしまって。
それに二度と会いたくないと言われてしまったんです。
なるほど。
まともに行っても話にならないんですね。
そうなんです。
簡単ですよ。
えっ?そういう時は無理やりでも会わざるを得ない状況をつくればいいんです。
会わざるを得ない状況?
(目黒:栃乙女)はぁ?もう一回言ってくれる?私を脅迫屋さんに入れてください。
澪っちそれ本気?益子さんと会わざるを得ない状況になるにはこれしかないという結論にたどり着きました。
あんなに毛嫌いしてたのに。
でも一時的に籍を置くだけです。
絶対に脅迫はしません。
じゃあ君何ができるの?俺は脅迫。
目黒は盗み。
栃乙女はハッキング。
で君の役目は?おはぎ作り?うん!不合格!それではお引き取りください。
脅迫以外なら何でもやります。
雑用は得意なんです。
おい!勝手に触るなよ!
(栃乙女)あ〜あ…。
やっちゃった。
えっどういうことですか?あれは千川の大事な…。
金坂澪。
何でもやるって言ったよな?はいやります。
どうもいらっしゃいませ。
(トイレの水洗音)うっ!ちょっと何だお前おい!戸田雄介だな脅迫屋だ。
萩沼真希を自由にしろ。
二度と彼女に近づくな。
さもないと…不倫の事実を世間に公表する。
あっ申し訳ありません今はちょっと…。
(男性)えっ何で?あの故障中なんです。
いやそんなわけないでしょ。
いやそんなことあるんです。
誰に頼まれた?真希か?違う。
これ以上は言えないな。
欲しいのは金か?金ならあるんだ。
金じゃ動きませんよ仕事熱心なんで。
あっちょっと!すみません。
ちょっと何やってるんですか!あっいやあの…。
だったら提案がある。
俺にも脅迫の依頼させてくれ。
それならいいだろ?え〜?報酬はそっちの5倍いや10倍出す!ごめん!引き受けちゃった。
千川完二それって…。
そう。
これでトリプルブッキングだ。
皆さんよくこんな人について行きますね。
だって500万だぞ断る理由なんてないだろ。
で依頼内容は?萩沼真希を何があってもホテルから辞めないように脅迫してほしい。
萩沼真希をホテルから辞めさせない。
ん?ちょっと待って。
益子孝行の依頼は萩沼真希を自由にすること。
で戸田の依頼は萩沼真希をホテルから辞めさせないこと。
これってどっちか一個しか達成できなくない?確かに矛盾した内容ですね。
だったら報酬の高い500万か。
違う。
じゃあ手堅い50万?いや全部かっさらう。
(澪:栃乙女:目黒)全部?俺達はプロフェッショナルだ。
全ての脅迫を完璧にこなして全ての報酬を手に入れる。
言葉もありません。
でもこのおっさん500万も出すってそんなに愛人が大事なのかね。
確かに500万は高過ぎるな。
何か裏がありそうだ。
よし戸田を徹底的に調べろ。
以上解散。
あの千川さん。
そろそろ私益子さんにお会いしたいのですが…。
あぁいいよ。
えっいいんですか?うんその代わり1つ頼みがある。
(男性)おい益子お客さん来てんぞ。
えっ?お客さん。
いいよやっとくからいいよ。
あっすみません。
何でバイト先まで来るんだ!あんたには関係ないって言っただろ?はいなので一時的に脅迫屋さんに籍を置いています。
えっ?これなら会っていただけますよね?何でそこまで…。
え〜っと困っている方をお助けすることを諦めたくないから?はぁ?それに益子さんが私と同じく家族の罪で苦しんでるからです。
何だよそれ…。
その前に脅迫屋さんとしての仕事をさせてください。
あぁ…うん。
あっでもこれはあくまでも伝言ですから。
「脅迫されている500万と報酬の50万。
全部で550万は用意できそうか?もしできないなら保証人の要らない金融屋を紹介してやろう。
金利は10日で1割だ」。
でもこんなところでは絶対に借りてはいけません。
勧めておいてやめろってどういうこと?あっすみません今の一文は私の個人的なアレンジが入ってしまいました。
それで真希さんは自由にしてくれるんだろうな?「ご依頼の件順調に進行中だ」。
分かった。
真希さんが自由になったら益子さんはどうするんです?どうもしない。
あの人が自由になればそれでいい。
すみませんもう大丈夫です。
大丈夫か?頼んだぞ。
すみません。
真希さん?すみません。
はいえっと…。
私…脅迫屋の者です。
すみません。
では確認させていただきます。
どうして益子さんにあのような脅迫をなさったのです?それは最初の方に言ったはずですが…。
あっすみません確認ですのでもう一度…。
私が中学の時私の父は彼の母親に騙されました。
お父さん!どこ行くの?
(真希の声)結婚詐欺師だったんです。
(真希の声)残ったのは借金と抜け殻のようになった父だけでした。
私は高校を出てすぐに働きだして。
半分返し終わった時父が脳梗塞で倒れて…。
それでも少しずつ借金を返してようやく残りが500万になった頃です。
真希ちゃん彼今日からバイトで入る大学生の益子君よろしくお願いします益子さん…はい
(真希の声)名前を聞いてまさかと思って調べたらあの女の息子だって分かって。
憎らしかった。
私は今も苦しんでるのにあの女の息子は大学にも行き普通に暮らしてる。
だから…。
私から近づいたんです。
益子君彼女とかいないの?えっ?いや俺なんかそんなできないですとかいってかわいいコいるんじゃない?マジでいないっすじゃあ好きな人は?えっ?いないですよ!あれ?赤くなった!
(真希の声)彼の母親が父を騙したように私のことを好きにさせて騙してやろうと思って。
真希さんのお父様を騙したのは益子ではありません。
息子さんに矛先を向けるなんて理不尽です。
どうして被害者の家族が不幸になって加害者の家族が普通に暮らせるんですか?それのほうが理不尽でしょ?益子さんだって親の罪を背負って生きて来たはずです。
つらい思いもして来たはずです。
それでも許せません。
それは本心ですか?もしかしたら真希さんは益子さんに好意を持ってるんじゃないですか?わざわざ益子さんのアルバイト先にまで足を運んで。
彼が心配だったんじゃ…。
何を言ってるの?ちゃんとお金が用意できるか確認しに来ただけ。
とっととお金をあいつから取ってください。
ただ今戻りました。
お〜おかえり。
お疲れちゃんよくやったよくやった。
えっ?萩沼真希と接触したんだろ?どうしてそれを?こ〜れ。
盗聴器話全部聞いてた。
どういうことですか?益子があそこでバイトしてたことは栃乙女のGPSでつかんでた。
ただここ数日萩沼真希のGPSがあの辺うろちょろしててさ。
もしかして共謀でもしてるんじゃないかと思ってその真意を確かめたかったんだよね。
だったらそう言ってください。
言ったら君緊張して絶対失敗する。
大体私が真希さんに話し掛けなかったらどうするつもりだったんですか?いや絶対話し掛けるでしょ君。
それに彼女の家を調べる時間稼ぎにもなったしはい。
えっ?真希さんの家に忍び込んだんですか?収穫はゼロだったが。
何のためにそんなことを…。
2年前にあのホテルで爆弾事件起きたじゃん?爆弾事件…。
(栃乙女)その時の改修費用いろいろ調べたら1億円合わなくてさ。
な〜んか横領してるっぽいんだよね〜。
1億を横領?真希さんがですか?一応そうなってるこのデータ上は。
恐らく本命は戸田だろう。
ただ発覚しても経理担当の萩沼真希の責任になるよう偽装されてる。
父親の借金を肩代わりするとでも言われたんだろ戸田に。
そして愛人にさせられおまけに横領の罪まで着せられた。
警察に行きましょう戸田さんを告発すれば…。
証拠がないそんなことしたら萩沼真希が逮捕されるだけだ。
じゃあどうすれば…。
はぁ…正直打つ手がナイチンゲール。
あるいは打つ手がナイアガラ?もしくは…。
証拠になるものないかな〜?失礼します。
《こんなことをしたらあの人を認めるみたいで心が苦しいのですが益子さんと真希さんのために私ができること…》
(振動音)すみません。
(振動音)澪ちゃんどうしたの?新戸部さんにお願いしたいことがあります。
クソ…全然足りない。
すみません。
(メールの受信音)はぁ…。
(メールの受信音)何これ。
あぁ澪っちが置いてった。
ふ〜ん。
あぁ…。
澪大丈夫?何かすんごいやつれてるんだけど。
ちょっと朝からいろいろあって…。
新しいバイト?何系だっけ?ハウスキーパーのようなアシスタントのような…。
(衝撃音)・キャ〜!・・おい!誰か階段から落ちたぞ!・益子さん!益子さん!大丈夫ですか?益子さん!真希さん?益子君!どうしたんですか?ケガしたって聞いて…。
あぁ…貧血で階段から落ちて。
大丈夫大したことなかったです。
あぁ…よかった。
あぁ…。
あ…誰から聞いたんですか?私が連絡しました。
真希さんやっぱり益子さんに好意をお持ちなんですね。
もし憎んでいたら仕事を抜け出してここまで来るはずありません。
ちょ…何言ってんだよ。
益子さん聞いてください。
あなたから500万円脅し取ってほしいと依頼したのは真希さんです。
真希さんのお父様はあなたのお母様に騙された被害者なんです。
真希さんが?ウソだ…。
あなたのせいじゃないことは分かっているはずです。
でも誰かのせいにしないとやっていけなかった。
だからですよね真希さん。
益子さんはそんなあなたを救おうとしたんです。
救う?あなたを戸田さんから自由にしてほしい。
益子さんはそう脅迫屋さんに依頼したんです。
家族のことで苦しむのはやめましょ。
これは誰の人生でもありません。
あなた達の人生なんです。
無理です。
私あいつから逃げられない。
その通り!このままじゃあ君達に自由はない!さぁ依頼を解決しに行こう。
さぁ中へ入って。
ちょっと千川さん説明してください。
どういうこと…。
金坂澪。
こっから先は俺の仕事だ君は外で待ってろ。
えっ?何で私も…。
あっそうだあの書類ありがとね。
大切に使わせてもらいます。
君が望んだ通りにしてあげるから。
どうぞ座ってください。
(栃乙女)お待たせ〜。
あぁ…。
おい!どういうつもりだよ依頼解決したんじゃないのか?もちろんこれからビシっと解決してみせますよ。
えっ?ところで500万のほうは?お〜!それではこちらへどうぞお座りください。
どうぞどうぞどうぞ。
今回の依頼は同時多発的に発生しました。
分かりやすく皆さんに集まっていただいて順番に解決して行きたいと思います。
まず最初の依頼人は萩沼真希さん。
あなたの依頼は益子孝行から500万円脅し取ってほしい。
でしたよね?そして次の依頼人は益子孝行さん。
あなたの依頼は戸田雄介を脅して萩沼真希を自由にしてやってほしい。
でしたよね?そして最後の依頼人は戸田雄介さん。
あなたの依頼は萩沼真希を脅してホテルを辞めさせないでほしい。
でしたよね?あれ?依頼が矛盾してる!でもご心配なく。
あなた方の依頼を全て解決してみせます。
何せプロの脅迫屋なんで。
まずは戸田雄介あんたから脅迫する。
萩沼真希を自由にしろ。
さもないと1億円横領したことが告発される。
横領だと?何言ってんだ。
あれ?2年前の爆弾事件の改修費用1億円合わないのご存じない?知らん!大体私がそんなことできるわけないだろう。
やれるとしたら経理の萩沼君しかいない。
う〜ん…。
栃乙女!は〜い。
ララララララライ。
はい。
さてこれは何でしょうか?これはあの時の金の流れ。
その全てが記された書類です。
当時事件のごたごたでうやむやに処理された1億円。
この書類をちゃんと調べたらその金が誰に流れて行ったのか一発で分かっちゃうね。
そんなものどうしてお前…。
さぁね〜。
これが公表されればあんたは全てを失う。
彼女のせいにはできないね。
萩沼真希を自由にしろ。
あぁ…。
言う通りにしたらそれ公表しないんだな?ああ。
だったら…。
要求をのむ?フッ。
よかったね戸田さん自由にしてくれるって。
それじゃあ次は君の番だ萩沼真希。
君は絶対にホテルを辞めるなさもないと…。
(益子)ちょっと待ってくれ!この人がいる限り真希さんは自由じゃないだろ!あっだよね?だったらこのうなだれてるおっさんにホテル辞めてもらおっか。
はぁ?いや萩沼真希をホテルから辞めさせないでほしい…っていうあんたの依頼これをかなえるためにはあんたに辞めてもらうのが一番いいと思うんだよね。
ふざけるなよ!ホテルの支配人としての地位を失うか全てを失うかどっちが得かな?お出口はあちらです。
あっ報酬はきっちり頂きますんではい。
はぁ…栃乙女。
何?この書類持ってひとっ走り警視庁行って来てくれるかな?あっ捜査二課ね詐欺と横領専門の。
(栃乙女)は〜い。
あ〜ちょっと待ってくれ!はい。
お金。
またのご利用お待ちしております。
くっ…。
澪っち見てんでしょ。
脅迫って悪いことかもしれないけどさあいつはあいつで考えてやってるよ。
というわけで萩沼真希。
君は自由だ。
ホテルは辞めるなよいいな?はい。
そして最後に益子孝行。
今からお前を脅迫する。
今すぐ500万を彼女に払え。
さもないと母親の秘密をバラす。
(カバンを開ける音)金は50万しかできなかった。
はぁ…。
これじゃ依頼料にしかなんないんだけどな〜。
待ってください。
こんなこともう意味ないです。
私依頼を取り下げます。
ダメだ!俺達脅迫屋は一度受けた依頼は確実にこなす。
益子孝行今すぐ500万払え。
期限は今日だ。
金を払えないのか?すみません…。
お前が金を払えなかったら彼女の借金はどうなる!?金融屋を紹介してください。
分かった。
じゃあ俺がその金融屋になってやるよ。
ただし貸すだけだ。
必ず返せよ。
真希さん…。
俺の母親はあなたの人生をめちゃくちゃにしました。
これを払ったからといってその罪が消えないことは分かってます。
結婚詐欺師の息子の言葉なんて信じてもらえないかもしれないけど俺は…真希さんが好きです。
何をしてもおふくろと家族である事実は消せません。
だから俺はずっと自分の人生を諦めてました。
しょうがないって思ってました。
でも…あなたを救うことだけは諦めたくありません。
受け取ってください。
受け取れよこれで借金返せ。
そしたら君は自由だ。
あのおっさんからも忌まわしい過去からも。
このお金は必ず僕が返します。
当たり前だ。
10年だろうが50年だろうが100年だろうが孫の代までかかっても必ず返せよ。
いえこれは2人で返しますから。
っしゃ〜100万!これでホントにパーティーできるぞ!
(3人)イェ〜イ!はぁ…。
じゃあ私一時的に籍を置いていましたが脅迫屋辞めますんで。
あ〜はいはいどうぞ。
しかしあんな資料よく手に入れられたな。
(栃乙女)そうだよあんなの普通のルートじゃ絶対手に入んないでしょ?どうしたの?あ〜あれは…。
新戸部議員にお願いしたんです。
新戸部?澪っち知り合いなの?私轟雄之助の孫なんです。
失礼します。
轟雄之助って政界の黒幕か?ちょっと待って。
そんなヤバい人の孫使いっぱにしてたの?ヤッバ〜!新戸部さん本当にありがとうございました。
(新戸部)爆弾事件の前からあのホテルの監査役を知ってたからね。
でも知っちゃった以上その支配人をほっとくわけにはいかない。
ただ澪ちゃんこういうことにはもう首を突っ込まないほうがいいよ。
はい今回だけです。
これからは波風が立たないようにつつましい暮らしをして行きますから。
あっ新戸部さん。
この間頂いたたい焼きってどこで買ったんですか?あれあんこと皮のバランスが絶妙で!えっ?新戸部さんクリームのほうが好き?ウッソ〜それ邪道ですよ!ぎりぎり譲歩して白あんかな?たい焼きのハムチーズ?もうそれ別の食べ物ですから。
やっぱり和菓子はあんこでしょう。
それは譲れません。
2017/11/05(日) 22:30〜23:25
読売テレビ1
今からあなたを脅迫します#03[解][字][デ]
脅迫屋・千川が今回依頼をうけて解決するのは「3人の男女のもつれた恋模様」!不倫、片思い、復讐など思惑が絡み合う中、見事解決できるのか!更に澪の周りに不穏な影が…
詳細情報
出演者
ディーン・フジオカ
武井咲
鈴木伸之
島崎遥香
山賀琴子
佐藤玲
内藤理沙
蛭子能収
三宅弘城
近藤正臣
【ゲスト】
浅香航大
南沢奈央
東幹久
袴田吉彦
番組内容
澪(武井咲)は大学で、千川(ディーン・フジオカ)が学生の益子(浅香航大)を脅迫する現場に遭遇。『500万払わなければ母親が結婚詐欺師だったことをバラす』という要求を益子は飲むという。それどころか益子は千川に『バイト先で働く真希(南沢奈央)が妻子がいる戸田(東幹久)と別れられず困っているので戸田を脅迫して欲しい』と自らも脅迫を依頼。脅迫の依頼が同時多発的に起こる中、千川は全てを解決できる?!
監督・演出
【演出】
狩山俊輔
原作・脚本
【原作】
藤石波矢
【脚本】
根本ノンジ
音楽
【主題歌】
「Let it snow!」DEAN FUJIOKA(A−Sketch)
【音楽】
林ゆうき
制作
【プロデューサー】
松本京子
難波利昭
【製作著作】
日本テレビ
【制作協力】
AXON
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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