3 Lines Summary
- ・三ツ矢サイダーとセーラー万年筆が愛され続ける理由
- ・三ツ矢サイダーは「愛される味は守りつつ少しずつ進化」
- ・セーラー万年筆は「手作業での仕上げ」にこだわる
おなじみの「三ツ矢サイダー」と「セーラーの万年筆」。
実はこれらは、発売から100年を超えて愛されるロングセラー商品なのです。
2つのロングセラー商品が時代を超えて愛され続ける秘密とは?
明治時代から愛され続ける「三ツ矢サイダー」
「三ツ矢サイダー」は安心・安全へのこだわりで進化を続け、2013年には販売数が4000万箱を突破している。
そんな三ツ矢サイダーの誕生は1884年。
明治時代から愛され続ける130年を超えるロングセラー商品だ。
ルーツとなるのは、兵庫県川西市にある平野水の源水地だ。
1881年、当時の宮内省が天然の炭酸水が湧き出る源泉を調査。
当初、外国の要人に振る舞う炭酸水だったが、3年後の1884年、この炭酸水を万病に効く強壮剤「三ツ矢平野水」として販売を開始。
これが後の「三ツ矢サイダー」となり、あの夏目漱石にも愛飲されたという。
容器のデザインは時代ととともに変化
三ツ矢サイダーの容器のデザインは、時代とともに変化。
1971年には初めての缶が登場すると、瓶のデザインもおなじみのプリント瓶に変わり、様々なフレーバーがラインナップされた。
1996年にはペットボトルが登場。
少しずつリニューアルを繰り返し、現在の形になった。
愛される味は守りつつ少しずつ進化
まずは、ろ過したお水にレモンやライムなど10種類以上の香料を加えていき、糖類や酸味を調える。
2004年から香りの味を良くする香料は、果実由来のものだけを使用しているのだという。
三ツ矢サイダーの象徴である「炭酸投入」で、重要なのは徹底した温度管理。
温度は社外秘だが、ある温度まで冷やすことで、炭酸が多く混ざるのだという。
三ツ矢サイダーについて、アサヒ飲料の広報担当・水上典彦さんは「原料ですとか、技術といったものをですね、新しいものは取り入れています。一方で、三ツ矢サイダーのフレーバーという唯一無二のものについては、その配合をしっかり守り抜くというところを並行してやっている」と語っている。
愛される味は守りつつ少しずつ進化させたことが、愛され続ける理由のようだ。
誕生して今年で106年「セーラーの万年筆」
「セーラーの万年筆」は誕生して今年で106年。
今、この万年筆を求めて、文具店には多くの若者たちが足を運んでいる。
銀座の文具店「伊東屋」の全体売り上げのうち、万年筆の売り上げは約2割を占めていて、雑誌『日経WOMAN』の付録にもなるなど、オシャレなアイテムとして注目されている。
セーラー万年筆は「手作業での仕上げ」にこだわる
セーラー万年筆は、日本初の国産万年筆メーカーとしてスタート。
その後も、プラスチック製やカートリッジ式の万年筆を他社に先駆けて開発。
70年代には、カラフルなキャンディー万年筆が女子高校生に大ヒット。
現在も常に進化を続け、業界をリードしてきたという。
それでも、創業当時から変わらないことがある。
それは、熟練の職人による手作業での仕上げ作業。
セーラー万年筆の馬渕親志さんは「万年筆の命はペン先。書き味を決めるのはそこですので、そこは機械には任せられない」と語っている。
筆のように書くことができる万年筆も
100年以上に渡って磨かれてきた技術だからこそ、成し得た驚きの進化もある。
こちらは画家・古山浩一さんの作品。
よく見ると様々な太さの線で描かれているこの作品、実は全て、万年筆で描かれている。
通常、万年筆は線の太さが一定なため、線に強弱を付けられない。
そのため、古山さんは試行錯誤していた。
その時、相談をしたのが、「神様」と称された、セーラー万年筆の職人・長原宜義さん。
相談を受け、長原さんが作り上げたのが、通常ではありえない、先端が曲がったペン先の万年筆。
長原さんの計算され尽くされた技術により、筆のように線の強弱が自由自在に。
古山さんは万年筆1本で、見事な作品を書き上げることができた。
これをきっかけに、「ふでDEまんねん」というヒット商品も生まれている。
ロングセラーを生んだ情熱は、100年の時を超えた今も確かに受け継がれていた。
(『とくダネ!』10月30日放送分より)