トランプ氏、対日貿易赤字に不満 通商協議に意欲
日米経済人と会合

経済
北米
2017/11/6 10:52
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 来日中のトランプ米大統領は6日午前、日米経済人と開いた会合で演説し「米国は日本との間に年700億ドル(約8兆円)もの貿易赤字を抱えている。対日貿易は公正ではなく、開かれてもいない」と強い不満を表明した。自動車分野を中心に2国間での通商協議で貿易赤字解消を求める考えを表明した。環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰には、改めて否定的な考えを示した。

日本の経済人と握手するトランプ米大統領(6日、都内の米大使館)=ロイター

 日米経済人との会合は、都内の駐日米大使公邸で開いた。トランプ氏は同日午後には安倍晋三首相との首脳会談を予定しており、北朝鮮問題とともに貿易不均衡が議題の一つとなりそうだ。

 トランプ氏は1月の大統領就任後に「歴代政権で最も規制の緩和を進めてきた」などと成果を強調。米議会で審議が始まった大型減税にも触れて、日本企業に米国内での一段の投資を促した。

 一方で日本との2国間貿易について「米国は巨額の赤字を抱えている。対日貿易は自由ではなく、互恵的でもない」と不満を表明した。とりわけ自動車分野の貿易不均衡を取り上げて「実質的に米国から日本への自動車輸出はない」などと指摘。具体的に「両国にとって公正な貿易交渉」を始めるよう日本に求めた。

 日本政府はTPPに米国が復帰するよう求めている。ただ、トランプ氏は6日の会合で「TPPは正しい考え方ではなく、我々は貿易でTPP以上の成果を得られる」と協定復帰に否定的な考えを改めて示した。

 米国側からの発表によると、6日午前、トランプ大統領との会合に出席した日本の経済人は以下の通り。

ANAホールディングス社長、片野坂真哉氏▽三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)社長、平野信行氏▽ブリヂストン最高経営責任者(CEO)、津谷正明氏▽デンソー会長、加藤宣明氏▽富士フイルムホールディングス会長兼CEO、古森重隆氏▽日立製作所会長、中西宏明氏▽ホンダ社長、八郷隆弘氏▽Jパワー社長、渡部肇史氏▽JERA社長、垣見祐二氏▽マツダ社長、小飼雅道氏▽三菱ケミカルホールディングス会長、小林喜光氏▽三菱重工業社長、宮永俊一氏▽三井物産会長、飯島彰己氏▽日産自動車社長、西川広人氏▽ソフトバンクグループ会長兼社長、孫正義氏▽サントリーホールディングス社長、新浪剛史氏▽東洋ゴム工業社長、清水隆史氏▽山崎製パン社長、飯島延浩氏

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