クレジットカードのショッピング枠を現金化するための方法としては大きく
- クレジットカードで購入した商品の買取
- 現金キャッシュバック特典付き商品をクレジットカードで購入
といったふたつの方法に分類されます。
現在でも街中にはカードでお金の看板の店舗では現金化業者に指定された新幹線のチケットを購入し買い取る方法でショッピング枠が現金化されていることは間違いありません。
この商品買取での現金化方法に対し、オンラインでの商品購入によるカード決済だけで現金がキャッシュバックされる方法での現金化は利便性に優れているといえるでしょう。
ただこのキャッシュバック方式での現金化の場合、クレジットカードによって購入する商品の特典として現金がキャッシュバックされる方法となり、商品自体は決済金額には釣り合わない価値のない商品が使用されます。
そのため商品の売買取引を装った事実上の高金利の融資として違法行為と判断され現金化業者は貸金業法違反などの罪で摘発される可能性があるのです。
今ではキャッシュバックによるクレジットカード現金化はヤミ金融といった印象がありますが、この現金キャッシュバックのような方法で高金利での金銭貸付を行っていた宗教法人が逮捕されました。
違法行為となるヤミ金融とは?
いつの時代にもお金に困っている方というのはいなくなることはありません。
もちろん正規の貸金業となる銀行や消費者金融などで借り入れをすることはできますが、必ずしも融資を受けることができるわけではなくそういった貧困層は多く存在しています。
そういった多重債務者や審査の通らないブラックリストの方をターゲットとした違法な金利で融資をしているのがヤミ金融なのです。
ヤミ金融にはいくつかの種類があり
- 自動車金融
- 年金担保金融
- 手形・小切手金融
などさまざまなな手口で行われています。
では今回の宗教法人によるヤミ金融とはどのような手口によって行われていたのでしょうか?
宗教法人を隠れみのにしたヤミ金融の手口
超高金利で金を貸し付けていたとして宗教法人「至誠光魂寺」の代表者らが逮捕された事件で、宗教法人はヤミ金融の実態を隠すために設立されたとみられることが分かりました。
伊万里市の宗教法人「至誠光魂寺」の代表・立石扇山容疑者77歳ら4人は、中小企業の経営者らを入会させ、金を貸し付ける際に「ネイチャーパワーがある」とうたったコーヒーカップを販売するなどして法定金利を超える不当な利息を得ていたとみられています。
【被害者の1人】「これ送るから3万円振り込んでくださいいう感じですね。なんでお寺の坊主がこんなことすんのかないうぐらいは思いましたけど」警察によりますと宗教活動はほとんど確認されておらず、立石容疑者が以前、貸金業を営んでいたことなどから、宗教法人はヤミ金融の実態を隠すために設立されたとみて捜査しています。
この佐賀県にある宗教法人では宗教活動の実態はなくヤミ金融を営むための宗教法人だったのです。
逮捕された宗教法人の言い分としては
「貸金業者ではありませんし、まして、高金利により貸付を行っているものでもありません。自身の魂を磨き、徳を積み重ねることを趣旨とし、生活水準の向上と健全な社会への発展を図るため宗教法人を設置しています」
というあくまでも貸金業ではなく、ネイチャーパワーのあるコーヒーカップや茶碗を販売していただけということです。
ただ実際には主に事業主を相手に法定金利を大幅に超える金利を取るための口実としてコーヒーカップなどの販売が行われていました。
ある一例では
「お寺さんがこんなことしていいのかなって。なんでお寺の坊主がこんなことするんかなって思った」
立石容疑者から実際にお金を借りたというこの男性(70)は、大阪府で自動車部品の製造会社を経営していました。
経営難からヤミ金融業者を利用するようになり、2年前、この宗教法人を紹介されて18万円を借りようとすると…
「これ送るから3万円振り込んでくださいみたいに(言われた)」
コーヒーカップの側面を見ると、何やらカラフルなマークがプリントされています。
立石容疑者はカップには現代科学では解明できない「ネイチャーパワーが込められている」とうたい、お金を借りに来た人たちに高値で売りつけていました。
この男性は15個もカップを買ったということです。
宗教法人を隠れみのとしネイチャーパワーがこもったコーヒーカップの販売を装ったヤミ金融の手口はこれまでに前例はありません。
キャッシュバックによる現金化と同様に商品売買を装った貸金業
宗教法人による茶碗やコーヒーカップの販売は高金利の融資を隠すための商品売買取引といえるでしょう。
つまりキャッシュバック特典付商品を販売するクレジットカード現金化も同じことになります。
キャッシュバックによるクレジットカード現金化の場合、価値のない商品に現金キャッシュバックという特典がありクレジットカードで購入することによって現金が振り込まれる方法です。
宗教法人が販売していた茶碗やコーヒーカップは2,000円程度で購入できるものを数万円で販売していました。
どちらの方法でも商品の売買取引はあくまでも建前上のものであり、本来の目的は金銭の取引といえるでしょう。
したがって貸金業法違反や出資法違反といった犯罪となり、今回の事件のように逮捕されることになるのです。
今後もこういった商品売買取引を装った手口というのは通用することはなく、違法行為と判断されていくことになるでしょう。