2017.11.05
どうも、おしょぶ~^^/です。
このグラミン銀行の日本進出は2月に話が出ておりました。この銀行の創設者、ムハマド・ユヌスさんが日本に来られて時に、明治学院大学大学院の菅正広教授と「グラミン銀行日本」の設立で合意していました。
この菅さんは、世界銀行での勤務経験もあったりする、貧困層向け小口融資に詳しい先生です。
◆グラミン銀行とは
経済の事にあまり興味が無い方も、この銀行は「ノーベル賞」絡みで名前ぐらい聞いた事があるかもしれません。この銀行の創設者がノーベル平和賞を受賞しているからです。
グラミン銀行は1983年にバングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス博士が設立した金融機関です。別名「貧困の銀行」なんて呼ばれ方をしています。
貧しい女性などに少額を貸し付ける「マイクロファイナンス」を手掛ける事から、そう呼ばれていまして、無担保で少額を融資し生活向上を手助けします。
これは最終的に、起業や就労によって貧困から脱出するのが目的で、投資家は投資額を回収できるが、それ以上の配当金などは分配されないちょっと変わった銀行です。
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◆8月に準備組織を設立
2月に話が出て、もう8月に準備組織設立ですよ^^動きが早いですね~
もう、日本のこの手の企業ならまだまだ時間がかかる事でしょう。
その法人は「一般社団法人グラミン日本準備機構」と言います。
※すでに公式サイトもありました。
これね、バングラデシュのやり方をそのまま…とは行きませんから、これから日本社会の実態に合うように貸し付けの形などを考えないといけません。
また、金融当局への手続きも、かなりましになったとは言え手がかかるでしょうね。
◆日本でなぜ必要か
準備機構の公式サイトにすべて書いてありますが、すこしまとめますね。
この銀行が日本で目指すもの
「貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会」
つまり、いまの日本はそうじゃないと言われているわけです。
今の日本の現状をサイトではこう書いています。
日本は国民の6人に1人、約2,000万人が貧困ライン以下で生活。一人親世帯の過半数は貧困(過去30年以上一貫して)。貧困格差が広がり、明日は我が身の問題。
貧困と言うのは、落ちてしまうとなかなか這い上がれないのが特徴です。また、人と言うのはある意味、悪い事にも慣れてしまうので「生活保護をもらいながら生活する」事にも何も感じなくなると言われています。
つまり、意欲のあるうちにこう言う機関に助けてもらって、脱出しないと…と言うことでしょう。
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◆ユヌス・ソーシャルビジネス7原則
このビジネスモデルには、創設者が提唱している原則があります。
1. 利益の最大化ではなく、社会問題の解決こそが目的であること。
2. 財務的に持続可能であること。
3. 投資家は投資額を回収するが、それ以上の配当は分配されないこと。
4. 投資額以上の利益は、ソーシャルビジネスの拡大や改善のために使うこと。
5. 環境へ配慮すること。
6. スタッフは標準以上の労働条件・給料を得ること。
7. 楽しみながら仕事をすること。
この「ソーシャルビジネス」ですが、社会的課題をビジネスの手法で解決する事業体の事で、ムハマド・ユヌス博士がノーベル平和賞を受賞するときに提唱しました。
◆融資を受けるかたち
融資のかたちも変わっているのでご紹介しておきます。ただ、このまま日本で運営するかは検討中です。
①貧しくても働く意欲のある人を対象に無担保で少額融資
②5人1組の互助グループをつくり、連帯責任を負う
※この連帯責任ですが、連帯保証人ではなく誰かが返済を怠れば、他の4人が融資を受けにくくなると言うことです。
③融資期間は6か月~1年、最高20万円から
④週1回のミーティングへの参加が必要
トップクラスの頭脳集団がやることですから、それなりの成果を上げてくれると期待しております。
◆菅正広教授の本
貧困克服への挑戦 構想 グラミン日本 (グラミン・アメリカの実践から学ぶ先進国型マイクロファイナンス)
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マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)
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