起業して、身の軽さとは何かを知ったが、取引相手は軽くないという事実


シンジです。起業して今日でまだ5ヶ月くらいでしょうか。営業開始が8月なので本格稼働は3ヶ月くらい。コネというコネを駆使しまくったお陰で、当社のお客さんは中堅企業以上、メインは超絶大企業がカスタマーとなっています。僕らはスタートアップで身軽に動くのに対して、相手はそうはいかない。ところが、相手は「動きたくない」と思っていないというのが面白いポイント。

スタートアップであることをフル活用したい

明らかに組織が固まった企業では難しい、だからといってスタートアップなら皆がやることも別に追いかける気はないので、適当に思いついてチャレンジしている感じです。

給与改定を年12回に「雰囲気給料」

月末月初のタイミングで、Zoom.usなりSlack Voiceなりで音声ミーティングで全員を繋いで、全員でGoogleスプレッドシートを見ながら翌月支払われる給料を自己申告します。

今月どれくらいやったから、これくらいはくれよ。っていうのを、雰囲気で自己申告します。基本的に申告通り支払われます。

この時、人件費で出せる予算は限りがあるので、この総額から削っていくスタイルです。つまり、会社の利益は殆ど残さず、全てを人件費としてメンバーに還元します。

とある日、案件の都合で入金がひとつきズレることがありました。スタートアップ的には大きな打撃です。人件費に割り当てられる予算はグッと減ります。

そうすると、その担当者だったメンバーが、今月は少なくていいけど、生活もあるからといって、他のメンバーに交渉して、ちょっとずつ前借りしたりします。で、翌月戻すといった具合。

何が大変って、役員は給料をポコスコ変えられないので(年1回って決まってる)、シンジだけは固定というか、そもそも支払う義務もないので、減らす側に振っています。ところが、メンバーの給料は毎月変動するので、社会保険料とか厚生年金の金額を、毎月計算しまくらないといけません。が、そこでクラウドです。ありがとうSmartHR。

人手が必要な時にどうするか

ITと言っても結局は人なので、物理的・人的に人手が必要なケースもあります。クラウドワークスなどを活用するケースもありますし、社労士さん弁護士さん会計士さんや経営の先輩方に相談して、案件次第では数十人から数百人を調達なんていうケースもあったりなかったり。

僕らは基本的にはマネジメント側に立って、全体を常に見通せる状態に居続けるべきで、この辺りは同時期に独立して今でも一緒に活動しているあんどーなつさん(株式会社アンドゲート)http://www.andgate.co.jp/と協力しながら臨機応変に対応しています。

人を使えばお金がかかります。

メンバーが人を使いたいと思ったら、自分の資金や自分が持っているプロジェクト、会社全体への影響度を加味しながら予算取りして自分で人をコントロールします。

極端な例にすれば、

自分の給料が月に200万
やりたいプロジェクトが月500万出る
じゃあ100万だして人を探そう

みたいなノリです。これを各々がやります。

メンバーが使った経費は経費として還元しない

自分のタスクを遂行するために、性能の良いパソコンが欲しいとか、タクシーで移動したいとか、いろいろとあると思いますが、これらの全ては「雰囲気給料」に盛り込んでもらいます。

例えば、50万のパソコンがあると業務が効率よくなるのであれば、自分で買えば良いのです。売るのも自由。「雰囲気給料」で、50万盛ればOKといった具合。自分のものにしてもらいます。

シンジとして投資して欲しい、こちらから押しつけるものもあります。例えば最近ではiPhone Xが話題なので、FaceIDを体感して欲しくて全員に買ってもらいました。なので、翌月の給料は全員プラス15万ずつ盛ります。こういったことは、ままあります。特にクラウドサービスであればもっとカジュアルに買っちゃいます。

自分で使って自分で試して自分で理解できていないものを他人に勧められますかね。ありえないでしょ。批判するサービス対象も、使ったからこその説得力ってあると思っています。

それとは別に、マネーフォワードのMF経費を利用して、それぞれの経費計算もしています。この辺りは会計士さんと一緒に調整しています。

会計の全てをメンバーに公開している

「雰囲気給料」は良くも悪くも、自分の給料が全員に公開されるところです。それどころか、案件の状況や、会社の会計も全て見える状態で、人件費の予算がどう割り振られているのかも見えています。なので、明らかに低く提示してきたときは周りが「なんで?」って言いますし、その逆も然りです。

副業だろうと掛け持ちだろうとバイトだろうと契約形態も自由に選べます。

全員に経営への意識、会計への意識を少しでも、微々たるものでも持って欲しくてこれをやっていますが、まぁこれがいつまで続くかは分かりません。ただ、とりあえず今のところ「面白い」です。

いやー、こんなの今しか出来ないと思うマジでw

オフィスの必要性

フルリモートワークで行くぞ!って決めてたのですが、メンバーみなさん様々な事情や、そもそも仕事のスイッチと休みのスイッチの切り替えをしっかりしたいなどなどの理由で、オフィスがあるって大事だなって思ったところです。

個人的には24/365で仕事モードなので、家から出たくないですね。家が一番環境が整ってるし、すだちくんもいるし。もふもふだし。

というわけでオフィス借りた

WeWorkでオフィスを作ってもらうことになりました。既に契約済みで、2018年の2月に赤坂のアークヒルズ17階にオフィスが出来ます。全員分の席は用意してなくて、というのも全員がオフィスに常駐するわけじゃないので、半分くらいの席数にしておいて、後は入館カードの発行だけに留めました。

WeWorkも料金プランでいろいろ選べますが、僕らは登記が可能なプライベートなオフィスにしました。もちろん会議室で来客対応も可能です。

WeWorkを契約すると、その中でイベントも無料で行えます。アークヒルズだと100人くらい入ります。すだち勉強会とかJAWSとかも、そこでどんどんやろうとおもっています。

WeWorkは一度会員になると、WeWorkが展開しているオフィス全てへの入館権限を持つことが出来ます。

2018年3月にはGINZA SIX最上階全フロアもWeWorkになりますし、4月には新橋のビル1本全部WeWorkになるので、シンジが頑張らなくても勝手にオフィス拠点が増えていくという。最高。

でもシンジは家からでないからあんまり関係無いのよね。ちなみにアークヒルズの固定席は埋まってるっぽいです。パブリックなデスクなら全然いけると思いますが、借りたいーって人はシンジに連絡もらえれば中の人に繋ぎますよ。普通に連絡するよりイケます。

年内を目処に、一発シンジとWeWorkの共同でイベントでもやろうかって話しをしているところなので、決まったらみなさん是非おもしろ半分で来て下さい。

業務で歯がゆいところ

海外の会社とやりとりしてるときはあり得ないのですが、もちろん国内企業とやりとりすることのほうが圧倒的に多いので、相手に合わせて辛いなーと思う事も多々あります。

紙が無くならない

こちらはDocuSignなどの電子署名を活用したり、Boxなどでファイル共有したりするものの、相手が「そんなのしらん」となることは多く。よくありますよね。

一番意味不明だったのが、Dialpadを契約するときにSoftbankと契約しないといけないのですが、DialpadはSaaSなのでサクサク契約できるのに、Softbankからは芸術品と言えるようなエクセルファイルが送られてきて、いや、骨董品か?

そこに必要事項を入力し、印刷して、印鑑を押したら、郵送してくれというのです。発狂しました。ちなみにこれは未だにあります。回線の問題でFAXが国内だとサービスとして提供されていないのもマイナスです。ただこれはDialpadと会話して、もごもごしているらしいのでもごもごします。今は言えない。

DialpadはSoftbankのゴミエクセルと戦う覚悟があるなら良いサービスです。クラウドだからカジュアルに電話番号が追加出来ると思うでしょう。できないんだなぁ。そもそもSoftbankの担当者が5人くらいいた気がしますが、誰もDialpadを使ったことがないと言ってたのでもうお話になりません。

その他、各種契約書は製本してあれこれというケースも多いですし、なかなか電子化されない深い闇を感じています。

WindowsのIEでしか動かない銀行と会計

別にWindowsマシン持ってないわけじゃないのですが、僕らメインがMacなのです。仕方ないのでAmazon WorkspacesとかAzureにWindows 10 Proを建てたりして対応してます。今はもうAWS側は消してAzureだけにしてます。AzureはネイティブWindows 10 だし。

これ、ちょっと闇が深すぎますね。

社内の規制がすんげーきつい会社さん

コミュニケーション方法は様々あっても良いとは思っているものの、相手側はそうは思っていない事もあるわけです。

対面、電話、メール。

以上!

ふぁーーーーーーーーーーー

こちらはSlack、Trello、Teamwork.comなどを利用してプロジェクト管理しますし、ファイルはBoxやGoogle Driveを各ツールにIntegrationして使うわけですが、相手がこれに参加出来ない、もしくは相手のものにも参加出来ないというシチュエーション。まぁ昔から経験はしていたものの、まだまだあるなぁと実感。

とはいえ僕らの取引先は、みんな前を向いている

僕らが一緒にやらせて頂いている会社さんは、ネガティブな要素が当たり前だと思ってなくて、ワンチャンどっかでひっくり返してやろうって沸々と思ってる人達ばかりなので、こちらもとても楽しいです。そもそも、立ち上げ間もないわけの分からん会社と取引できるところまでねじ込んでもらえてるあたりがすごいし感謝。

次へのステップというのは、少しずつしか進めなくて、飛躍ってまぐれで、いきなり革命的に変わったりすることはまれだなーって。
たまにはありますよ、トップダウンで激変したりすることも。でもまれですね。うまくいかないことが多い。

特に組織が大きかったり歴史があったりすると、そもそも情報システムやセキュリティ部門がこれまで投資してきた製品やサービス、運用や保守費が、どれだけ儲かる方向に進められたかという評価をやることがないケースが多いです。

新しくて良いものは、基本的にお金がかかるのですが、高いと言って値段だけをみて叩きに来るのは経営とは言いません。経営者をサポートすべき人達は、経営を効率よく進めるために、会社を良くするために、自分の給料を上げるために、早く帰るために、本来あるべき姿だがしかし不可能だと思うものを目指さなければならないのです。

局所的な部分最適化には費用対効果があまり望めなくて、全体を俯瞰して見たときに、どうすべきかの完成図を描いて共有し続けないと前には進まないものです。

その為にITがあるのです。

クラウドだけではなく、物理オフィス、物理ネットワーク、政治、人間関係性、モチベーション、セキュリティ、経営、数字、全てを客観的に見て、どうすべきかを考えていかなければならないわけです。

これが本来あるべき情報システム部門です。情報システム部門は、コミュニケーションの集合体でもあります。社内IT全てを握っている部門が前に進めば、会社全体が前に進むのは当然の事です。

レガシーな組織に、いきなりサーバーはコンテナだーと周りが言っても意味不明ですよね。現実路線で未来へ向かう方法を作るのです。レガシーから育ってきたけど今はコンテナも作れる人が話に入るのか、物理から良い物理にしてきた人が話に入るのかでは未来図が変わります。

未来図通りにできる、できない、は、どうでもいいんです。どうにでもなるからです。
未来図を書くときに、未来の前に今を知ってるか、知らないかの差で決まります。
ITだからこそコミュニケーションが大事ってことです。

僕らは引き続き、ググっても出てこないITの世界で、情報システム部門のお手伝いをしていく次第です(それっぽく人材募集もしています)

CloudNative Inc. - 株式会社クラウドネイティブ
https://www.cloudnative.co.jp/

あと、すだちくんは結構でかいです7kgあります