志望してない学生を口説くのがニトリの伝統

「通年採用」で優秀な人材を獲得する

2017年11月6日(月)

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 2018年4月入社の内定式が10月1日(2日)に行われたかと思えば、既に2019年入社の採用活動が始まっている。では、各社が求めている人材像とは?──本連載では各業種の人気企業を対象に、新卒採用担当者のインタビュー記事を連載していく。

 今回は、「お、ねだん以上。」でおなじみのニトリ。2017年2月期決算では、30期連続増収増益を達成。今年6月には念願であった東京・渋谷への出店も果たした。今後は海外での展開も加速させる。

 まさに快進撃を続けるニトリ。支えるのは、独自に作り上げてきたSPA「製造物流小売業」という事業モデルだ。商品企画や材料調達、製造、物流、販売など、すべての工程を自社で行っている。この徹底した「自前主義」が、コストダウンを実現させ、消費者ニーズにあった商品を次々と生み出してきた。

 

 「ニトリというと店舗のイメージが強いが、実はそれは氷山の一角。その裏側には実に様々な仕事がある。学生にはそれを知ってもらいたい」と話すのは、人財採用部の永島寛之マネージャーだ。「ニトリを志望していない学生に来てもらいたい」と語るその真意とは。

(聞き手:白井咲貴)
人財採用部の永島寛之マネージャー。最終面接も担当する(写真:竹井 俊晴)

エントリーシートの段階で、1万5000人からの応募があるようですね。

永島:そうですね。そこから8割くらいが面接に進みます。1万人くらいですね。

1万人ですか。相当な人数ですね。どのように対応しているのですか。

永島:実は、新卒採用チームには40人が所属しています。学生とは1対1で40分ほど話します。1次面接から最終面接まですべての面接でそうです。

40人も新卒採用チームに配置して、1対1で面接する。会社が採用に相当力を入れていることの表れですよね。

永島:創業者である似鳥昭雄会長自身、採用で会社をつくってきたという思いがありますから、その部分への投資は惜しまないのでしょうね。 

 まだニトリが北海道の小さな家具店だったころ、新卒を採用するのにとても苦労していました。似鳥会長は大学に行って、学生に学食をおごり、「食べている間だけでいいから話を聞いてくれ」と口説いたのです。そのときに、似鳥会長に共感して入社したのが、今の白井俊之社長だったり、専務取締役の池田匡紀だったりするわけです。

どのような人材を求めているのですか。

永島:ニトリを志望していない学生ですね。金融に行きたいとかメーカーに行きたいとか、そういう人を採用してこそ当社の成長はあると思います。

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「志望してない学生を口説くのがニトリの伝統」の著者

白井 咲貴

白井 咲貴(しらい・さき)

日経ビジネス記者

2017年3月大学卒業、大学では国際政治学を専攻。同年4月、日経BP社に入社。日経ビジネス編集部に配属され、旅行・レジャー・ホテル業界、家具・雑貨専門店を担当している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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