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Segwit2xのフォークが迫っている。これについて、私の個人的な意見を述べる。
11月16日頃に予定されているSegiwit2Xのフォークであるが、新しいコインがもらえて資産が増える、と思っている人も多いようだ。
このフォークは、Bitcoin GoldやBitcoin Cashの時と違い、新しいコインが追加されるプラスサムゲームではなく、オリジナルビットコインと2Xコインがお互いの存続を賭けて行われる戦争であり、ゼロサムゲームだ。極端なシナリオでは、どちらかのコインの価値がゼロになる可能性もある。
(以下オリジナルチェーンを1xチェーン、Segwit2xチェーンを2xチェーンと呼ぶ)
Segwit2Xは、もともとは、ニューヨーク合意というビックブロック派とスモールブロック派の政治的妥協案として提案された。スモールブロックが押すSegwitをアクティベートさせるかわりに、ブロックサイズを2Mに増やすハードフォークを行うというものだ。
2Xが、Gold や Cashのフォークと違うのは、2Xこそが正当なビットコインであり、オリジナルのビットコインのアップデートであると主張している点だ。
つまり、1xチェーンは誰もつかわなくなり、2xチェーンに全員が移るということを想定している。
このようなアップデートは、全員一致であれば問題はない。たとえば、直近、イーサリアムは、ビザンチウムというハードフォークを行った。これがまさにアップデートで、古いチェーンは破棄され、誰もつかわなくなり、全員が新しいビザンチウムチェーンに移った。
Segwit2Xは、全一致でない状況で、アップデートを強行しようとしている。マイナーの80%の賛成と、いくつかの大きなビジネスプレイヤーの賛成を得たが、現状のソフトウェアの開発者である「コア開発」は不賛成を示しているし、マイナーの20%も賛成を示していない。コイン保持者や、取引所の賛否もバラバラだ。
こうしたなか、「アップデート」を強行することは戦争になる。
2Xが意図を完遂するならば、1xチェーンは放棄され、消滅することになる。支持者が一定する1xチェーンを多数のちからで消滅させようとすることは、1x側からみれば攻撃と映るのは否めない。
2Xは、リプレイプロテクションをあえて実装していない。リプレイプロテクションとは、2つのコインを分離して別々のものとして扱えるようにする工夫だが、これを実装すると、現在のビットコインウォレットでは2Xコインが使えず、新しく2X対応ウォレットが必要に成る。一方、リプレイプロテクションを導入しなければ、2xチェーンの(ハッシュパワーが大きくなった場合は)現在のウォレットのコインが2Xに自動的に入れ替わることになる。
繰り返すが、全員一致でのアップデートなら自動的にアップデートのコインに移行するほうがユーザーにとっては嬉しいが、コミュニティの意見がわれている以上、2つのコインに別れる結果になるのは明白だ。
多くの主要な取引所は、ユーザーの権利を尊重し、1xコイン、2xコインの両方を取引所で上場し、別々に売買ができるようにするとみられている。
このため、2xコインがタダで貰えると考えているユーザーもいるようだが、繰り返すようにこれはゼロサムゲームである。
仮に、殆どのマイナーが2xを堀り、1xのコインのマイニングが著しくおくれたりして機能しなく成る場合、1xコインの価値は著しく低下する。
2xが勝利を収め、アップデートに成功ということになるが、2つのコインに別々の価格がついているのだから、その過程は血みどろになる
つまり、2Xが当初の目論見通り勝利をおさめることになれば、現在85万円を超えている1xコインの価値がゼロになり、新しく2xコインに価値がつくということになる(いくらに成るかわらないが、自動的に85万円を引き継ぐわけではない)(同様に、1xチェーンが勝てば、2xチェーンは急速に価値を失いゼロになるだおう)
このようなことが起これば、ビットコインという資産に対する市場の信任は完全に無くなることになり、資金が一気に市場から抜けることになるだろう。現在10兆円以上ある1xチェーンの価値がゼロになるようなことが仮にでもおこれば、訴訟が連発し、取引所は顧客を失い、人々は暗号通貨市場を見切るだろう。
アルトコイン支持者の中には、ビットコインが混乱で消滅すれば、支持するコインの天下がやってくると考えている人もいるようだが、そうはならない。10兆円の主要通貨が短期間に人為的に消えれば、この市場は、アルトコインもすべて引き連れて、すべて死ぬだろう。
ビットコインが潰れれば、アルトコインに利が来ると考えているアルトコイン支持者は、反市場的な考えを持っていると言わざる得ない。
ニューヨーク合意・Segwit2xは、ビットコインをより良くしようと考える案であったはずだ。もし、その案が市場の崩壊の引き金になるかもしれないというのであれば、この合意は目的を失っているとしか思えない。
ニューヨーク合意を遂行しようとしているマイナー及び、支持者には、もういちど再考を願いたい。
ユーザーやコイン保有者も、自らの資産が危険にさらされることのないよう、声をあげよう。
私の意見では、マイナーが経済的に合理的あれば、決してSegwit2xのフォークを行わないと考えている。11/16日には、実際は何もおこらないだろう。マイナーも、価値の低い2xコインを採掘せず、1xコインを採掘し続けるだろう。
ビットコインは、関係者が経済合理性にしたがって動くことでコンセンサスが得られる仕組みになっている。
みなが経済合理的に振る舞うことを望む。
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