親戚ん家に行ったら生後半年の赤ちゃんがいた。超かわいかった。
普段からとても大人しい赤ちゃんらしく、実際私などが来ても全然人見知りせずお祖母さんの腕の中に収まっていた。
赤ちゃんをだっこさせて貰った。「重いよー」と赤ちゃんのお祖母さんは言ったが、六歳と三歳の子供のいる私にしてみると、まるで羽の様に軽く感じられた。そんな私も子供達が生後半年の頃には、くっそ重い~腰が折れる~とか言いながらおんぶしていたものだが。毎日抱いている子供は重いけれども、たまにしか抱かない赤ちゃんはぬいぐるみみたいに、軽くてふわっふわ。
赤ちゃんは、だっこした瞬間は本当に綿の様なふわっふわだったし大人しかったが、すぐにだっこしているのが慣れ親しんだ家族ではなく知らないおばさんだと感知したようで、体を少し強ばらせて「んぶー、んぶぶー」と控えめながら抗議の声をあげていた。なので赤ちゃんのお祖母さんのもとへすぐに返した。
つい自分の子供が赤ちゃんだった時のノリでハグしてしまったが、こんなに小さな赤ちゃんでもやはり他人と保護者の区別をちゃんとつけており、気安く距離感0のおつきあいはゆるしてくれないのであった。
一方私はというと、赤ちゃんをだっこした時の感覚がもはや懐かしいものになっていた事に驚いていた。自分の上の子だってまだ甘えたがりだし、下の3歳児もたいがいベッタリ私に張り付いているものだが、それでもいつの間にか、赤ちゃん時代よりは距離が離れていたらしい。
私は子供達が大好きだし、子供達も私を大好きだが、だからこそ気付かなかったのだ。赤ちゃんの様にはもうベッタリとひっついていられないという事を。お互い自分の体の一部の様に、繋がりを感じてはもういられないという事を。
子供達はいつの間にか私の手を離れて行ってしまうし、他人が産んだ赤ちゃんは最初からお互いに一線引いている。子供と距離感0でいられるなんて人生のうちの本当に短い私にしてみればボーナスステージの様なものであり、貴重な一時だったのだ。
それは月並みだが失ってみて初めて気付くかけがえのない一時であった、というか、いつの間にか失っていたことにやっと今気付いたのであり、なんかすごく淋しいんだがまあしょうがない。
そういや最近立て続けに0距離なのに「近い」って言ってるイラスト見てツッコミ入れたくなった