Amazonの格安タブレットFire HDシリーズは7インチ、8インチ、10インチの3モデルから選ぶことができますが、少し前までは10インチディスプレイを搭載したFire HD 10が価格が高い割に性能が微妙だったので、Fire 7かFire HD 8のどちらかを選ぶ傾向が強かったように感じます。
しかし、2017年10月に販売が開始されたFire HD 10(Newモデル)が性能を大きく向上、価格も大幅に下がったのでFire HD 10の魅力度もアップ。Fire HD 8とFire HD 10のどちらを購入しようか、迷ってしまいますよね。ということで、Fire HD 8とFire HD 10の2機種をメインに画面の大きさ、スペック、使いやすさなど、何がどう違うのか比較をしてみたいと思います。
Fire HD 10とFire HD 8、どちらを買うべきか比較レビュー
本体デザイン・サイズの違い
基本的なデザインはFire HD 10がモデルチェンジしたことで3モデル全てが同デザインに統一されました。各モデルの違いはディスプレイサイズと性能の違いということになります。
左から2017年モデルのFire HD 10、Fire HD 8、Fire 7の3機種となっています。
こうやって並べると本体サイズはかなり違いますね。Fire 7とFire HD 8は近いサイズ感がありますが、Fire HD 10は別格のサイズとなっています。
ここからはFire HD 10とFire HD 8の2機種をメインに比較していきたいと思います。
まず、手で持った時のサイズ感についてですが、Fireタブレットはディスプレイが16:10のアスペクト比を採用していることもあり、アスペクト比が4:3のiPadに比べて長細いデザインとなっています。
なので、Fire HD 8をこのように片手で本体を持つのも簡単です。
厳しいですが、Fire HD 10もなんとか片手で持つことができます。
10インチサイズのタブレットを片手持ちできるのって意外ですが、それだけデザインが縦長ということなんでしょうね。Fire HD 10とFire HD 8のサイズは以下の通りですが、Fire HD 10の方が0.1mmほど厚くなっています。
Fire HD 10(2017) | Fire HD 8(2017) | |
サイズ | 262 x 159 x 9.8mm | 214 x 128 x 9.7mm |
重量 | 500g | 369g |
操作ボタンの配置もまったく同じとなっており、上部正面右から電源ボタン、USBポート、マイク、3.5mmヘッドフォンジャック、音量ボタンの並びとなっていますね。
microSDカードスロットは本体右側に搭載されています。
Fire HD 10とFire HD 8の本体左側にスピーカーが2つ搭載されており、臨場感あふれるステレオ再生をすることが可能。Dolbyオーディオに対応しているので、このサイズのタブレットにしては音質は良いように感じます。
音質は本体サイズの大きいFire HD 10の方が良いです。搭載しているスピーカーのサイズが少しだけ大きいのかもしれませんね。より力強い音を再生できているので、Amazonプライム動画やプライムミュージックをガンガン楽しみたい人はFire HD 10を選びましょう!
画面サイズと解像度
Fire HD 10は10.1インチ(1920 x 1200ピクセル)のディスプレイ、Fire HD 8は8インチ(1280 x 800ピクセル)のディスプレイを搭載しています。マルチタッチのポイント数がなぜかFire HD 10の方が少なくなっているのが気になるところですが、実際には5ポイントもマルチタッチできれば十分だと思うので問題はないでしょう。
Fire HD 10(2017) | Fire HD 8(2017) | |
ディスプレイ | 10.1インチ IPS 1920 x 1200ピクセル (226ppi) |
8インチ IPS 1280 x 800ピクセル (189ppi) |
マルチタッチ | 5ポイント | 10ポイント |
10.5インチのiPad Proと10.1インチのFire HD 10のサイズの違いは結構あります。インチ数が近い両機種ですが、iPad Proのアスペクト比は4:3、Fire HDは16:10という違いがあるのでが見た目はかなり異なります。
16:10というアスペクト比は映画を見るのに適した縦横比なので、Fire HDタブレットの使用用途を考えると納得いくディスプレイと言えるのではないでしょうか。
ディスプレイの解像度は、Fire HD 10が1920 x 1200ピクセルのフルHDで、Fire HD 8が1280 x 720ピクセルのHDとなっています。どれほど文字が見やすくなっているのか、分かりやすいように両機種で同じコンテンツで比較してみました。
もうね、一目瞭然ですね。HD解像度のFire HD 8は文字が潰れてしまい何が表示されているのか判別できませんが、フルHD解像度のFire HD 10は文字をしっかりと判別する事ができるほど綺麗に表示できています。
Yahoo!JAPANのトップ画面を表示させて比較してみました。
画面の大きさの差以外にも表示領域もより広くなっていることもわかります。Amazonプライムビデオの一覧画面も一度に表示されるコンテンツの量がかなり多くなっていますね。
一度に表示される情報量が多いので操作性は確実にFire HD 10の方が上です。
ただし、Fire HD 10はKindleアプリから小説を読むのには向いていません。文字のサイズが大きくなりすぎるので、非常に文章が読みづらいんですよね。漫画や雑誌については読みやすいと思いますが。
一応、設定からフォントサイズや行間を狭くすることができますが、最小にしたとしても文字が大きいと感じるので、小説を読むのには本当に向いていないのかなーと感じます。
まあ、FireタブレットはAmazonビデオを見るのに適した端末なので、小説を読みたい人は電子ペーパー(e-ink)ディスプレイのKindleを使った方が絶対に良いと思います。
CPU・RAMの性能
Fire HD 10とFire HD 8の心臓部となるCPUとRAMの容量、ストレージ容量は以下のとおり。CPUはどちらも64bitのクアッドコア(4コア)が採用されRAMの容量はFire HD 8は1.5GBなのに対しFire HD 10は2GBの容量となっています。
Fire HD 10(2017) | Fire HD 8(2017) | |
CPU | クアッドコア 64bit ARM MT8173 @1.8GHz + @1.4GHz |
クアッドコア 64bit ARM MT8163 @1.3GHz |
GPU | PowerVR GX6250 | Mali-T720 MP2 |
RAM | 2GB | 1.5GB |
ストレージ | 32GB/64GB | 16/32GB |
OS | Fire OS 5.3.4 Android 5.1 |
Fire OS 5.3.3 Android 5.1 |
バッテリー | 10時間 | 12時間 |
Geekbench 3でCPUの性能を計測してみました。
Fire HD 10(2017) | Fire HD 8(2017) | |
シングルコア | 1478 | 629 |
マルチコア | 2976 | 1731 |
Fire HD 10の方がシングルコアで2.3倍ほど、マルチコアで1.8倍ほど性能が高くなっている事が分かります。このスコアはAppleのiPhone 6とiPad mini 4に搭載されているA8チップよりも少しだけ性能が高い数字となっているので、それなり快適に動作しているといって良いと思います。
実際にFre HD 10を使ってみたところ、ウェブブラウザもサクサク動作しています。さすがにiPadよりも快適かと聞かれると厳しいところはありますが、そこそこ快適に動いてくれるので、とりあえず大画面のタブレットを使いたいというニーズには答えてくれるのではないのかなと思います。
カメラの性能
2017年モデルのFireタブレットにはリアカメラとフロントカメラが搭載されています。しかし、性能はかなり低いものとなっておりこのカメラで記念撮影をするのは絶対にやめておいた方がいいと思います。
Fire HD 10(2017) | Fire HD 8(2017) | |
カメラ | VGAフロントカメラ 200万画素リアカメラ |
実際に撮影してみましたが、パッと見でもノイズが多く画質が荒いのが分かりますよね。
注意しないといけないのがFire HD 10は本体サイズが大きいので手ブレしやすいです。同じ感じで撮影をしてもFire HD 10はどうしても手ブレしてしまう場面が多かったでしすね。まあ、Fire タブレットのカメラはあくまでメモを取る時に使う程度にしておいたい方がいいのかもしれませんね。
Wi-Fi通信
Fire HD 10とFire 8 HDの通信性能やセンサー、拡張性は以下のとおり。
Fire HD 10(2017) | Fire HD 8(2017) | |
Wi-Fi | デュアルバンド a/b/g/n/ac 5GHz帯対応 |
デュアルバンド a/b/g/n |
Bluetooth | 4.1LE | |
センサー | 加速度センサー 環境光センサー |
|
拡張性 | midroSDカード 256GBまで |
Fire HD 10のWi-Fi通信はac規格と5GB帯の電波に対応しているので、Amazonプライムビデオなどの動画もコマ落ちすることなく再生する事ができると思います。ただし、電波強度が弱いので、iPhoneやiPadでバリ3の場所でもFire HD 10では電波を拾う事ができない事があるので、あまり期待しない方がいいでしょう。
価格
Fire HD 8は16GB・32GBのストレージ容量となっていますが、Fire HD 10は32GB・64GBのストレージ容量となっています。
Fire HD 10(2017) | Fire HD 8(2017) | |
価格 | 32GB:18,980円 64GB:22,980円 |
16GB:11,980円 32GB:13,980円 |
同じ32GBモデルで比較すると価格差は5,000円差となっています。この価格差をどう見るかだと思いますが、たった5,000円で画面が大きくなりディスプレイ解像度がHDからフルHD、CPUの性能が約2倍、RAMの容量も増え、Wi-Fiの通信性能が高くなるので、少しでも快適に使いたいならFire HD 10を選んだ方がいいのかもしれませんね。
まとめ
2017年モデルのFireタブレットは基本的な性能はほぼ同じなので、サイズでどのモデルにするのかを選べばいのかなと思いますが、10.1インチのFire HD 10だけは他のモデル突比べても少しだけ性能が高いので、性能重視で選んでもいいのかもしれません。
通常価格は32GBで18,980円、64GBで22,980円となっていますが、定期的にクーポンを使って安く購入する事ができるキャンペーンをしていることもあるので、そのタイミングを狙うのもいいと思います。