◇マガジン誌上で「幸福の科学」を布教した伝説の漫画 『明王伝レイ』 まとめ◇
▼「明王伝レイ」 第1部 (補足:「明王伝レイ」第1部と「幸福の科学」) ▼主人公が一方的に女の子にモテまくる漫画を菊池としを先生が描くとこうなる ▼レイ四番勝負 ▼大川隆法、「マガジンスペシャル」誌上で説法す ▼仏陀がこの地に‥‥? ▼クライマックス! ▼最終回!! |
平成22年3月6日 | 「明王伝レイ」 第1部 | |||||||
1988年、「週刊少年マガジン」で、菊池としを先生の「明王伝レイ」の連載が始まりました。 序盤は、当時「ヤングジャンプ」で人気だった「孔雀王」みたいな話です。 たとえば、連載第1話。 とりあえず1ページ目は読者を釣って、 13ページ後には、 こうした超常事件を、高校生の拝み屋・レイくんが「破邪──ッ!!」と解決していきます。 そんな感じで、エロとグロと破邪──ッ!!が無限ループする一話完結ものだった「明王伝レイ」ですが、途中から、巨大な敵と戦う連続ストーリーになります。 第20話、戦いで忙しくなったレイが高校を自主退学する場面は……。 イケメンです。 そして、第40話。 レイが宿敵・ルシフェルを倒して、異次元から帰ってくると……。
日本は、「北斗の拳」のような世界になっていました(新展開)。 そんなこんなのストーリーが、微妙に宗教ネタを含みながら進行します。(詳細は別ページで補足) 最後は、レイも殺されてしまいますが、死ねば肉体を離れて霊体となって戦えるから逆に好都合だぜという理屈でラスボスに勝利。
「第1部完」ということで、連載を「マガジンスペシャル」に移して、「第2部」がスタートします。 第2部の内容は、第1部で死んだレイが、あの世で過去の出来事を回想するというもの。 つまり、日本が「北斗の拳」になる以前のエピソードということで、話を無理矢理「孔雀王」に戻した感じです。 |
平成22年3月6日 | 主人公が一方的に女の子にモテまくる漫画を菊池としを先生が描くとこうなる | ||||||
そんなわけで、第2部では、レイの中学時代のエピソードが中心になります。 たとえば、レイの日常会話は、 男子中学生が後輩の女子に霊感の話を振られて返答が子宮とか、完全に狂っています。 実は、これは「幸福の科学」の主宰・大川隆法さんの受け売りで、
その後、この後輩に迫られたレイは……。 好意を寄せてきた女子に「俺の理想に近づく努力をしろ」と言い放つレイですが、これも大川隆法の影響です。
こうした経緯を経て、最終的に、後輩は嫉妬の炎を燃やしすぎて人体自然発火を起こして焼死。 結論としては、レイが彼女にやさしく接しすぎたのが良くなかったそうで、「やさしさだけでなく 時として きびしさも必要なのだと知るレイであった‥‥!!」という教訓でした。 |
平成22年3月6日 | レイ四番勝負 | ||||||||||||
レイVSおとなりさん もともと、レイの自宅「日輪心霊コンサルタント」のおとなりは、「根倉不動産」だったのですが、
いつのまにか「幸福の科学 関東支部」になっていました。 レイVS花粉症 レイによると、花粉症にかかるのは自然への感謝が足りない人なのだそうです。 レイが何か変なことを言い出したときは、ほぼ間違いなく大川隆法の本に元ネタがあります。
レイVS神父さん 「異教徒と教議論をするつもりはない」という神父さんに対して、レイは、「幸福の科学」のような教えを教会で説かないのはなぜだと怒ります。 レイ、キリスト教徒に輪廻転生を説くの巻。 冷静に「聖書にはない教えだな‥‥」と返す神父さんに対して、イエスが本当に説きたかった教えは聖書には書いてないと反論するレイ。 そんなことを自信たっぷりに言い切れる根拠は、もちろん、大川隆法が呼び出したイエス本人の霊がそう言っていたからです。
レイVS歴史教師 レイが中学3年のときの授業中のことです。 「先生──っ!! ジャンヌって神の声を聞いて動いたって本当ですかァ?」という質問に、歴史の教師は、「はは‥‥まあ迷信深い昔の話だからな‥‥」などと答えます。 すると、レイは机をバンと叩いて立ち上がり、「ジャンヌ・ダルクは神の声を聞いて立ちあがり‥‥神にすべてを捧げて死んでいったんだ‥‥」「神を信じないあなたにはわかるまい‥‥!!」とマジ説教。
授業を妨害したいお年頃とかではなく、本気なのがタチ悪いです。 |
平成22年3月6日 | 大川隆法、「マガジンスペシャル」誌上で説法す | ||||||||||||||
そして、「マガジンスペシャル」1990年7月号では、 「UFOと宗教とレイの謎が今、明らかに!!」ということで、 関東の上空に神が出現。 何の説明もないまま、「私の声を憶えているか‥‥!?」と、いきなり謎の説法を始めます。 神父や教師には尊敬のカケラもないレイですが、この怪しい6本腕の前では声を聞いただけで感動して泣き出します。 ちなみに、この漫画が描かれる前の年に発売された大川隆法さんの著書「仏陀再誕」の書き出しは、
……というわけで、6本腕の台詞は大川隆法の本とまったく同じ内容です。
読者は「明王伝レイ」を読んでいるつもりで、いつのまにか大川隆法の説教を読んでいるわけです。
この、限りなく大川隆法に近い何かの説法に、レイは神妙に聞き入ります。
それから、この6本腕は姿を消して、それっきり二度と出番ナシ。 読者に理解可能な説明は何もなく、UFOと宗教とレイの謎は深まるばかりでした。 |
平成22年3月6日 | 仏陀がこの地に‥‥? | |||
「幸福の科学」の会員である女優の小川知子さんは、こう語りました。
これと同じことを菊池としを先生は、真っ二つにされながら涙を流して絶叫するジジイで表現しました。 としを先生がこのコマで本当に言いたいことは、大川隆法と同じ時代に生まれたことは希有なる幸福であると知れ──ッ!!(エル・カンターレと同じ国に生まれて「幸福の科学」を信じないなんて、それでも日本人か──ッ!!)です。 さて、このジジイ関連のエピソードで、レイは、自分が仏陀を守る使命を持って生まれたことを知ります。 ということは、レイが生まれたこの現代日本に、守るべき仏陀が生まれているということになり、 連載当時、この漫画にもついに大川隆法ご本人出演フラグが立ったと期待されました。 しかし、残念ながら、それから8話後に「明王伝レイ」の連載は終了。この伏線は回収されませんでした。 |
平成22年3月6日 | クライマックス! | ||||||||||||
そんな連載終盤では、レイが小学生のころのエピソードとして、無神論者の先生が登場。
どんな無神論者でも、死んであの世に行けば、「幸福の科学」の教えが正しかったと後悔するのです。
つまり、証拠の存在しない時点で信じていないと地獄行きという、ひどいルールです。 それで先生も無信仰地獄に堕ちるところだったのですが、生前にレイの話を聞いていたおかげでギリギリ助かったそうで、 そんなわけで、読者のみんなが手おくれにならないように、連載3か月分に渡って、この先生が霊界から「幸福の科学」の基本教義を解説してくれます。 たとえば、「マガジンスペシャル」1992年8月号では、 「これが死後の世界だッ!!」ということで、 死後の世界に関する「幸福の科学」の教義(12月25日の更新を参照)が説明されます。 その他、特に面白味もないのでダイジェストでご紹介しますが、要するに、先生というキャラクターが「幸福の科学」の講義をしているだけでした。
そんな感じで、「明王伝レイ」の終盤は、布教の露骨さが最高潮でした。 |
平成22年3月6日 | 最終回!! | |||
そして、5年間の長期連載を締めくくる最終回は、なぜか唐突に相撲の話。 外国人力士の旭関は、人気アイドルと結婚していたことを週刊誌にスッパ抜かれてしまい、ファンの嫉妬が生霊になって集まったことが原因で連敗中です。 レイによると、相撲は神事だから、ちゃんと四股を踏めば生霊を祓えるそうですが、旭関は「自分はクリスチャンデスから‥‥イエス様以外ハ信仰するつもりハアリませんッ!」と拒絶します。 しかし、旭関の奥さんの人気アイドルは、
結局、このやりとりで改心した旭関は、全国から集まってきた嫉妬の悪念を相撲パワーで祓って、久しぶりに白星をあげます。 しかし、その姿を見ても、嫉妬したファンたちのブーイングは相変わらずで……。 「それでも日本人か──ッ!! 破邪──ッ!!」と、レイがブチ切れたところで明王伝レイ・完。 しいて補足するなら、当時、週刊誌が大川隆法さんの悪口を書いた影響から「幸福の科学」への風当たりが厳しくなったという経緯があり、俗悪な週刊誌に踊らされる大衆への憤りを示しつつ、読者に宗教的覚醒を説いて終わったという感じですが、それにしても恐ろしくどうでもいい最終回でした。 |