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マガジン誌上で「幸福の科学」を布教した伝説の漫画 『明王伝レイ』 まとめ

「明王伝レイ」 第1部 (補足:「明王伝レイ」第1部と「幸福の科学」
主人公が一方的に女の子にモテまくる漫画を菊池としを先生が描くとこうなる
レイ四番勝負
大川隆法、「マガジンスペシャル」誌上で説法す
仏陀がこの地に‥‥?
クライマックス!
最終回!!


平成22年3月6日 「明王伝レイ」 第1部

 1988年、「週刊少年マガジン」で、菊池としを先生の「明王伝レイ」の連載が始まりました。



 序盤は、当時「ヤングジャンプ」で人気だった「孔雀王」みたいな話です。

 たとえば、連載第1話。
 とりあえず1ページ目は読者を釣って、

『週刊少年マガジン』 1988年25号 3頁

 13ページ後には、

『明王伝レイ』 第1巻 56頁

 こうした超常事件を、高校生の拝み屋・レイくんが「破邪──ッ!!」と解決していきます。



 そんな感じで、エロとグロと破邪──ッ!!が無限ループする一話完結ものだった「明王伝レイ」ですが、途中から、巨大な敵と戦う連続ストーリーになります。

 第20話、戦いで忙しくなったレイが高校を自主退学する場面は……。

『明王伝レイ』 第2巻 224頁

 イケメンです。



 そして、第40話。
 レイが宿敵・ルシフェルを倒して、異次元から帰ってくると……。

『明王伝レイ』 第4巻 130頁、167頁
モヒカンと肩パットは基本

 日本は、「北斗の拳」のような世界になっていました(新展開)。



 そんなこんなのストーリーが、微妙に宗教ネタを含みながら進行します。詳細は別ページで補足
 最後は、レイも殺されてしまいますが、死ねば肉体を離れて霊体となって戦えるから逆に好都合だぜという理屈でラスボスに勝利。

『週刊少年マガジン』 1989年35号 412~413頁
ポエム部分は「幸福の科学」の根本経典「正心法語」のアレンジかと思います

 「第1部完」ということで、連載を「マガジンスペシャル」に移して、「第2部」がスタートします。

 第2部の内容は、第1部で死んだレイが、あの世で過去の出来事を回想するというもの。
 つまり、日本が「北斗の拳」になる以前のエピソードということで、話を無理矢理「孔雀王」に戻した感じです。


平成22年3月6日 主人公が一方的に女の子にモテまくる漫画を菊池としを先生が描くとこうなる

 そんなわけで、第2部では、レイの中学時代のエピソードが中心になります。

 たとえば、レイの日常会話は、

『明王伝レイ』 第08巻 13頁

 男子中学生が後輩の女子に霊感の話を振られて返答が子宮とか、完全に狂っています。

 実は、これは「幸福の科学」の主宰・大川隆法さんの受け売りで、

「女性は子宮で……」と言いますが、これはほんとうに霊的な器官で、ある意味で女性は全員霊能者なんですね。
(中略)
子宮に魂を宿さなければいけないのですが、そのときに受け入れられるというのは、やはり霊体質なんです。
要するに、他人の霊が入ってきて、十月十日、なかにいられるわけですから。
(中略)
霊的感受性は、一般的に男性より女性が高いのは事実です。
(中略)
要するに、霊降ろしをして入れているのと一緒
『フランクリー・スピーキング』 176~178頁/1991年7月の対談)

 その後、この後輩に迫られたレイは……。

『明王伝レイ』 第8巻 50~51頁

 好意を寄せてきた女子に「俺の理想に近づく努力をしろ」と言い放つレイですが、これも大川隆法の影響です。

愛情を欲するのはよくよくわかるのですが、立場を変えて、男の側から見て、あたたかい愛情を持ち続けることが可能な状態に、今あなたがあるかどうか
(中略)
赤ずきんちゃんのお話に出てくるオオカミのお婆さんのようなものを家に飼っておいてうれしいかといえば、そうではないということです。
(中略)
要求だけをするということは、あまりにも大人げないことではないでしょうか。
(中略)
けなげな、甲斐甲斐しい妻ぶりを発揮すると、夫はそれなりに可愛くなってくるものなのです。
このへんの事情をよくよく勉強されることを望みます
『「幸福になれない」症候群』 128~130頁)


 こうした経緯を経て、最終的に、後輩は嫉妬の炎を燃やしすぎて人体自然発火を起こして焼死

 結論としては、レイが彼女にやさしく接しすぎたのが良くなかったそうで、「やさしさだけでなく 時として きびしさも必要なのだと知るレイであった‥‥!!」という教訓でした。


平成22年3月6日 レイ四番勝負


 レイVSおとなりさん


 もともと、レイの自宅「日輪心霊コンサルタント」のおとなりは、「根倉不動産」だったのですが、

『明王伝レイ』 第06巻 181頁
『明王伝レイ』 第08巻 23頁

 いつのまにか「幸福の科学 関東支部」になっていました。


 レイVS花粉症


 レイによると、花粉症にかかるのは自然への感謝が足りない人なのだそうです。

『明王伝レイ』 第8巻 78頁

 レイが何か変なことを言い出したときは、ほぼ間違いなく大川隆法の本に元ネタがあります

実は杉の花粉に含まれている霊的な要素の影響というものがあるのです。これは、自然霊の一つなのですが、この自然霊の一つが人体に刺激を与えると、そのような異変が起きるようになっているのです。
(中略)
すなわち、文明生活の中にあまりにもドップリとつかり過ぎていて、このような大自然に対する感謝の念を忘れているということなのです。
(中略)
ひと昔前で言うならば、山の神のたたりということ
(中略)
自然に対する感謝をなし、自然を守ろうという愛に満ちた優しい気持ちを持った時に、そうした花粉症というものはおそらく消えていくでありましょう。
大川隆法著 『エドガー・ケイシー霊示集』 62~63頁)


 レイVS神父さん


 「異教徒と教議論をするつもりはない」という神父さんに対して、レイは、「幸福の科学」のような教えを教会で説かないのはなぜだと怒ります。

『明王伝レイ』 第12巻 77頁

 レイ、キリスト教徒に輪廻転生を説くの巻。

 冷静に「聖書にはない教えだな‥‥」と返す神父さんに対して、イエスが本当に説きたかった教えは聖書には書いてないと反論するレイ。

 そんなことを自信たっぷりに言い切れる根拠は、もちろん、大川隆法が呼び出したイエス本人の霊がそう言っていたからです。

転生輪廻というのが、あるクリスチャン達にとっては異教の説、異端の説というように思われております
(中略)
私の時は迫っていたために、三年間という短い期間の間に燃焼してしまいました。そのために、“法”そのものを非常に残念ですが、構造的に、体系的に述べることができなかった
(中略)
私の語った言葉自体も、いま聖書という形で残っておりますが、非常に不充分な形で残しました。(中略)弟子達は私が僅か三年で死ぬとは思っていなかったものですから、後で慌ててうろ憶えで書いているわけです。
(『キリストの霊言』 53頁、73~74頁)


 レイVS歴史教師


 レイが中学3年のときの授業中のことです。
 「先生──っ!! ジャンヌって神の声を聞いて動いたって本当ですかァ?」という質問に、歴史の教師は、「はは‥‥まあ迷信深い昔の話だからな‥‥」などと答えます。

 すると、レイは机をバンと叩いて立ち上がり、「ジャンヌ・ダルクは神の声を聞いて立ちあがり‥‥神にすべてを捧げて死んでいったんだ‥‥」「神を信じないあなたにはわかるまい‥‥!!」とマジ説教。

『明王伝レイ』 第13巻 32頁

神を目の前に出してみせるなら信じるという、一見、科学的合理主義者に対して、私はいいましょう。
モーゼや釈迦やキリストという人類数千年の歴史が誇る偉人に対して、あなた方は、脱帽敬礼をしてから、そのことばを発しなさい、と。
人類数千年の歴史が「尊敬」の二文字をふしつづけてやまない彼らの教説を一笑にふす自信があるならば、彼ら以上の人格者であることを、まず、あなた方が証明してごらんなさい、と。
大川隆法著 『太陽の法』 17頁)

 授業を妨害したいお年頃とかではなく、本気なのがタチ悪いです。


平成22年3月6日 大川隆法、「マガジンスペシャル」誌上で説法す

 そして、「マガジンスペシャル」1990年7月号では、

『マガジンSPECIAL』 1990年No.7 200~201頁

 「UFOと宗教とレイの謎が今、明らかに!!」ということで、

『明王伝レイ』 第9巻 20頁

 関東の上空に神が出現

 何の説明もないまま、「私の声を憶えているか‥‥!?」と、いきなり謎の説法を始めます。

『明王伝レイ』 第9巻 22~24頁

 神父や教師には尊敬のカケラもないレイですが、この怪しい6本腕の前では声を聞いただけで感動して泣き出します

 ちなみに、この漫画が描かれる前の年に発売された大川隆法さんの著書「仏陀再誕」の書き出しは、

諸々の比丘、比丘尼たちよ。私の声を憶えているか
大川隆法著 『仏陀再誕』 12頁)

 ……というわけで、6本腕の台詞は大川隆法の本とまったく同じ内容です。

『明王伝レイ』 第9巻 24~25頁

私はかつて、あなたがたに、このように教えたはずである。
たとえ、おまえたちは、どのように汚れた肉体に宿っていようとも、どのような、汚れた衣を身にまとっていようとも、たとえ、その体が骨と皮になるとも、おまえたちの魂は、永遠の王国を築いているのだと。
大川隆法著 『仏陀再誕』 27頁。赤字は漫画と一致する部分)

 読者は「明王伝レイ」を読んでいるつもりで、いつのまにか大川隆法の説教を読んでいるわけです。

『明王伝レイ』 第9巻 26頁

諸々の比丘、比丘尼たちよ。
この私の語る言葉も、私の説法も、やはり、あなたがたの心境、あなたがたの時、そうしたものによって、その受け取られ方は、違っていくのだ。
したがって、
諸々の比丘、比丘尼たちよ。我が言葉を、自分流にのみ受け取ってはならない。
我が言葉の真意を探求しようとせよ。
大川隆法著 『仏陀再誕』 45~46頁。赤字は漫画と一致する部分)

 この、限りなく大川隆法に近い何かの説法に、レイは神妙に聞き入ります。

『明王伝レイ』 第9巻 27頁

人びとよ、人間は順調な時にはともすれば慢心する。
順調なときに慢心しないためには、自戒の言葉が必要だ。
自らを戒める心がけが大事だ。
そうした、自戒の言葉を常に胸に刻み、口ずさみ、そして、脳裏に描き続けることだ。
自戒の言葉とは何であるか。
それは、得意の時に
忘れがちであることは、どうしても自分の力を過信するということだ。
大川隆法著 『仏陀再誕』 46~47頁。赤字は漫画と一致する部分)


 それから、この6本腕は姿を消して、それっきり二度と出番ナシ。
 読者に理解可能な説明は何もなく、UFOと宗教とレイの謎は深まるばかりでした。


平成22年3月6日 仏陀がこの地に‥‥?

 「幸福の科学」の会員である女優の小川知子さんは、こう語りました。

いままでの歴史のなかでは、地上に仏様とか神様がいない時代に生きている方が多くて、その時代では、祭壇に向かって、仏様、神様ってやっていたわけでしょ。
それが現代は魂の親である、主エル・カンターレ、大川隆法主宰先生という方が実際にこの地上に降りられているという奇蹟の時代でもあるわけです。
(中略)
形骸化してしまった教えを学んでいるわけでもなんでもなくて、実際に、現在進行形で説かれている教えにのっとって生活ができる。
(中略)
もうこんなに素晴らしい人生は、これから先もまずないと思いますよ。
『マンガ 希望の革命』 183~184頁)

 これと同じことを菊池としを先生は、真っ二つにされながら涙を流して絶叫するジジイで表現しました。

『明王伝レイ』 第14巻 3頁

 としを先生がこのコマで本当に言いたいことは、大川隆法と同じ時代に生まれたことは希有なる幸福であると知れ──ッ!!(エル・カンターレと同じ国に生まれて「幸福の科学」を信じないなんて、それでも日本人か──ッ!!)です。



 さて、このジジイ関連のエピソードで、レイは、自分が仏陀を守る使命を持って生まれたことを知ります。

 ということは、レイが生まれたこの現代日本に、守るべき仏陀が生まれているということになり、

『マガジンSPECIAL』 1992年No.6 160頁

 連載当時、この漫画にもついに大川隆法ご本人出演フラグが立ったと期待されました。

 しかし、残念ながら、それから8話後に「明王伝レイ」の連載は終了。この伏線は回収されませんでした。


平成22年3月6日 クライマックス!

 そんな連載終盤では、レイが小学生のころのエピソードとして、無神論者の先生が登場。

『明王伝レイ』 第14巻 141頁
イヤな先生ですが…
『明王伝レイ』 第14巻 148頁
死んだ
『明王伝レイ』 第14巻 157頁
IN 霊界

 どんな無神論者でも、死んであの世に行けば、「幸福の科学」の教えが正しかったと後悔するのです。

「信じろというのならば、きちんと証拠を出してみろ」というような方は、すでに神というものをさばいているのです。
神をさばけるほど、自分がえらいと思いあがっているのです。
しかし、人間では、地球の誕生以前からいらっしゃる神の存在を証明することなどできません
その証拠がほしければ、死んであの世に還ったあと、証拠を見せられるでしょう。
ただし、そのときには、すでにほとんどが手おくれなのです
大川隆法著 『太陽の法』 217頁)

 つまり、証拠の存在しない時点で信じていないと地獄行きという、ひどいルールです。

 それで先生も無信仰地獄に堕ちるところだったのですが、生前にレイの話を聞いていたおかげでギリギリ助かったそうで、

『明王伝レイ』 第14巻 157頁

 そんなわけで、読者のみんなが手おくれにならないように、連載3か月分に渡って、この先生が霊界から「幸福の科学」の基本教義を解説してくれます。

 たとえば、「マガジンスペシャル」1992年8月号では、

『マガジンSPECIAL』 1992年No.8 202~203頁

 「これが死後の世界だッ!!」ということで、

『明王伝レイ』 第14巻 181頁

 死後の世界に関する「幸福の科学」の教義12月25日の更新を参照)が説明されます。

 その他、特に面白味もないのでダイジェストでご紹介しますが、要するに、先生というキャラクターが「幸福の科学」の講義をしているだけでした。

『明王伝レイ』 第14巻
「死んだ時の参考にして下さい‥‥!!」

 そんな感じで、「明王伝レイ」の終盤は、布教の露骨さが最高潮でした。


平成22年3月6日 最終回!!

 そして、5年間の長期連載を締めくくる最終回は、なぜか唐突に相撲の話

 外国人力士の旭関は、人気アイドルと結婚していたことを週刊誌にスッパ抜かれてしまい、ファンの嫉妬が生霊になって集まったことが原因で連敗中です。

 レイによると、相撲は神事だから、ちゃんと四股を踏めば生霊を祓えるそうですが、旭関は「自分はクリスチャンデスから‥‥イエス様以外ハ信仰するつもりハアリませんッ!」と拒絶します。

 しかし、旭関の奥さんの人気アイドルは、

『明王伝レイ』 第15巻 209頁
レイに「幸福の科学」の教えをふきこまれた人気アイドル。恐っ。

 結局、このやりとりで改心した旭関は、全国から集まってきた嫉妬の悪念を相撲パワーで祓って、久しぶりに白星をあげます。

 しかし、その姿を見ても、嫉妬したファンたちのブーイングは相変わらずで……。

『マガジンSPECIAL』 1993年No.2 275~276頁

 「それでも日本人か──ッ!! 破邪──ッ!!」と、レイがブチ切れたところで明王伝レイ・完

 しいて補足するなら、当時、週刊誌が大川隆法さんの悪口を書いた影響から「幸福の科学」への風当たりが厳しくなったという経緯があり、俗悪な週刊誌に踊らされる大衆への憤りを示しつつ、読者に宗教的覚醒を説いて終わったという感じですが、それにしても恐ろしくどうでもいい最終回でした。

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■菊池としを全連載解説
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『明王伝レイ』 …マガジン誌上で「幸福の科学」を布教!
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『YOH~光の抄~』 …打ち切り

『天空の門』 …ビジネスジャンプ誌上でも「幸福の科学」を布教
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