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平成21年9月14日 よくわかるエル・カンターレ

 宗教団体「幸福の科学」は、1986年に設立されました。

 六畳一間の事務所から出発して、最初の会合は80人。
 わずか4年後には、賃料が月々2000万円の本部を構え、会員は20万人に急成長しました。



 そんな「幸福の科学」のリーダーが、大川隆法総裁です。

 なお、昔は大川総裁の外部への露出は少なく、ルポライターの米本和広さんの文章では、

機関雑誌のバックナンバーをめくってみると、たしかに顔写真がないのである。
もちろん百五十冊近いその著作にも写真はまったく見つからない。
(中略)
「小学校の上級生で超肥満体となった私は、いつもLLの短パンをはいて体育の授業に出ておりましたが、飛び箱、鉄棒、逆立の三種目は、私の顔を恐怖でひきつらせました。しかし、私が最もおそれていたのは、夏、すなわちプールの季節でした」(八七年九月号)
(中略)
顔写真を出さなかったのは、べつに深い意味があるわけではなく、あんがい容貌に対するコンプレックスのせいだったのかもしれない。
『いまどきの神サマ』 213~215頁)

 ……などと邪推していました。

 しかし、その後の大川総裁からは、容貌への恥じらいなど微塵も感じられません。
 この堂々たるお姿を、見よ。見よ、見よ、見よ。

『永遠の挑戦』 より
1994年12月、東京ドームのエル・カンターレ聖夜祭にて、龍に乗って現れた大川隆法総裁

『ネオ・ジャパニーズ・ドリーム 1993.12.23 エル・カンターレ聖夜祭』 より
1993年12月、東京ドームのエル・カンターレ聖夜祭に現れた、超カッコいい大川隆法総裁(37歳)

 まあ、教祖になって大成功して、幼少からのコンプレックスが裏返って突き抜けた姿に見えないこともありませんけど。



 振り返れば、総裁が最初に突き抜けたのは、1991年7月に東京ドームで開かれた「大川先生35歳のお誕生日おめでとうイベント」でした。

 星の王子さまみたいな格好で登場した総裁が、いきなり自分はエル・カンターレだと言い出したのです。

きょうは、この私の三十五回目の生誕を祝してくれたことを、心より嬉しく思う。
(中略)
あなた方は、肉体に宿りたる大川隆法という名の人間の存在にも、迷うてはならぬ。
あなた方の前に立ちたるは、大川隆法であって、大川隆法ではない。
あなた方の前に立ち、永遠の神理を語るは、エル・カンターレである。
われは、この地球の最高の権限を握りたるものである。
われは、この地球の始めより終わりまですべての権限を有するものである。

 名前の雰囲気はグリムジョー・ジャガージャック刹那・F・セイエイに近いものがありますが、エル・カンターレは現実です。

 地球の全権限を握っているのに議席は取れなかったのが不思議ですが、とにかく、幸福の科学の出版物に書かれた紹介によると、

大川隆法先生とは、地球系霊団の最高大霊である主エル・カンターレが、地上に下生された存在であり、過去、その意識の一部が、インドで釈尊として、ギリシャでヘルメスとしてお生まれになったことがあります。
今回ご降臨された大川隆法先生は、そのご本体意識であります。


 「テニスの王子様」でたとえるなら、釈迦は参式波動球に過ぎず、大川総裁は百八式波動球にあらせられるというわけです。

 しかも、実はエジプトのトト神も大川隆法で、旧約聖書のエロヒムも大川隆法です。
 あと、1万2000年前のアトランティス大陸の指導者も大川隆法でしたし、数十億年前に金星で栄えた高級文明の支配者も大川隆法でした。

 宗教でも電波でも自分は偉いと主張するひとは多いですが、こんだけ偉いのは珍しいです。

われ、この日の本の国に生まれずんば、この日本の国もまた、海の藻屑となる運命にあったということを、あなた方は知らなければならない。
『理想国家日本の条件』 278頁)

 日本が沈没しないのも大川総裁が生まれたおかげなのです。



 さて、エル・カンターレは、病気を治したり、昆虫の感情を理解したりできますが、特に予言が得意です。

 たとえば、1991年のエル・カンターレ聖夜祭の発言では……。

見よ。見よ、見よ、見よ。
今年、わが第一の予言は、すでに成就された。
(中略)
第二の予言は、アメリカ合衆国の没落であり、
第三の予言は、ヨーロッパの没落であり、
第四の予言は、第三次世界大戦の勃発であり、
そして、第五の予言は、あなた方がまだ記憶にないところの天変地異が起きるということだ。

『理想国家日本の条件』 275~276頁)

 こんな感じで、20世紀末の危機を予言しまくっていたので、実際に阪神大震災が起きた直後、1995年2月の横浜アリーナの講演会では、ほれ見たことかと言わんばかりでした。

一月十七日早朝、「阪神大震災」が起きました。
すでに、昨年の秋から、映画『ノストラダムス戦慄の啓示』で予告してきたことが、意外に早く現実化した
(中略)
私は、みなさんに言っておきます。
「『阪神大震災の“大”の時は、付ける必要がなかった』と言われる時期が迫ってきている」ということを──。
確かに、阪神地方で起きた災害は、五十年ぶりの悲劇ではありますが、これから起きるものを予想すると、今回の震災による被害は、その一パーセント程度にしかすぎません。
もっともっと信じられない光景が、今世紀末から来世紀初頭にかけて現れるでしょう。
『奇蹟の時代を生きる』 7頁、12~13頁)

 そして、20世紀中の東海大地震などを予言した上で、

東京には、大きな地震が少なくとも三つは来ます。
おそらく、一九九八、一九九九年ごろに来る地震が最大のものであろうと思います。
(中略)
この、首都圏を中心とした次なる大震災に、いかに対応すべきか──。
私もここ一週間ほど考え抜いたのですが、残念ながら、現実的方法として、打つべき手はほとんどありません。
すでに、世紀末まで押し迫っているこの時期において、こうした大きな震災を止めうる手段はないと思います。
『奇蹟の時代を生きる』 22~24頁)

 至高神エル・カンターレのお力でも、1999年前後の首都圏連続大震災は、もはや止めようがないのです!

 むしろ翌月に起こる地下鉄サリン事件を予言して欲しかったところですが、そんなことより、エル・カンターレはとにかくヘアヌードが大嫌いなので、阪神大震災の話からヘアヌード批判につなげます

週刊誌にいたっては、この阪神大震災を特集しながら、その後半では、相も変わらず、愚にもつかない“ヘア・ヌード”の特集を一緒に載せている。
愚か者が!
なんということを……。

そういうことが、どれほど日本の国民の心を汚染し、日本の国の戦後を悪くし、最低最悪の国にしたか。
(中略)
また、幸福の科学出版からは、最近、『ストップ・ザ・ヘア・ヌード』という本も出ました。これに関しても(講談社から)圧力がかかりました。(中略)愚か者! なんということをするのか! まだわからないのか!

『奇蹟の時代を生きる』 53~55頁、71~73頁)



 また、エル・カンターレは宇宙人が人間を誘拐していると信じています。

いま、アメリカでは、UFOとの遭遇や、UFOによる誘拐事件などが、かなりの件数に上っており、大きな問題になっています。
(中略)
内容を見ると、だいたい似ているので、事実だと見てよいでしょう。
(中略)
ただ、彼らがやっていることの内容を見ると、いたずらの要素もかなり入っていると思われるので、異星人でも子供のようなものが来ていて、地球型生物を少しからかって遊んだり、“夏休みの実験”をしたりしているのかもしれません。
『神秘の法』 272~273頁、277頁)

 ──衝撃の真相、アブダクションは宇宙人の夏休みの自由研究だった!

 上の引用は2005年の著書からですが、ほかにも、グレイは宇宙人が作ったサイボーグだとか、爬虫類型宇宙人のレプタリアンが云々とか、総裁の宇宙人の知識が80年代で止まっているのが恐ろしいです。

 ちなみに、レプタリアンは、幸福の科学が作った映画「ノストラダムス 戦慄の啓示」(1994年。制作総指揮・大川隆法)などにも出演。

『映画ノストラダムス戦慄の啓示 全秘密』 113頁
右下の写真がレプタリアン星人だ! 人間に化けて地球征服を企んでいるぞ!

 もちろん、古代南米で悪い宇宙人を追い払った救世主リエント・アール・クラウドがのちの大川隆法であることは、言うまでもありません。



 そして、現代でも、エル・カンターレは数々の奇蹟を起こしています。

大川 前回の講演会「宗教改革の精神」はベイNKホールというところで十月二十日(一九九一年)に行ったのですけれども、そのときに、全盲の人が講演中に治ったり、それから、足が不自由な方が講演会が終わったときに治ってしまったり、そういう奇蹟は現実に起きています
あるいは、それ以外で言うと、よく起きるミラクルとしては、金粉が降るというようなことがあります。

──それは、いつ起きたんですか?

大川 それはもうしょっちゅうなんですが、たいてい、セミナーとか研修会、講演会の時に起きます。

『フランクリー・スピーキング』 35~36頁)

 そんなエル・カンターレですから、現代医学を超えた知識も持っています。

たとえば、風邪、インフルエンザが流行りますね。
あれは、普通は病原菌(ウイルス)が移って感染するというふうになっていますけれど、私が見たら、もうあれは完全に憑依ですね。
(中略)
医学が言うようにウイルスがあるのは事実なんですけれど、それを取り巻いている霊体があるんです。
(中略)
よく観察してみると、どうも虫たちの集合霊のようなんです。
寒くなると集団でバーッと虫が死ぬでしょう。それが集合霊みたいに漂っていて、まだ成仏していないのが風邪のウイルスと合体して、これがワーッと広がるようなんです。
だから、あれも一種の憑依現象なのです。
『フランクリー・スピーキング』 219頁)

 インフルエンザが冬に流行るのは、絶対湿度の関係などではなく、寒くなると虫が死ぬからなのです。


 まとめ



『永遠の挑戦』

スタンド名──『エル・カンターレ』
本体──大川隆法
集金力─超スゴイ 組織作り─スゴイ 選挙─ニガテ
考古学─ニガテ 妄想─超スゴイ 嫁─超ニガテ
能力──金粉を降らせる。
55億年前に金星の統治者として誕生し、地球人類を創造した至高の存在。
地上では能力が極端に制限されるが、圧倒的なファッションセンス、新しすぎて狂人に見える科学知識、ヘアヌードを許さない愛の心を持ち、どれだけ予言が外れても自分を信じられるほど悟っている。


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■「幸福の科学」会員の漫画家・菊池としを先生まとめ
『蓮華伝説アスラ』 …大川隆法の本を資料に描かれた少年漫画
アスラの結末の意味を考える
『明王伝レイ』 …マガジン誌上で「幸福の科学」を布教!
レイ第1部と幸福の科学
『YOH~光の抄~』 …打ち切り

『天空の門』 …ビジネスジャンプ誌上でも「幸福の科学」を布教
菊池としを先生の近況