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初めてお読みになる方はこちらからどうぞ→『第一話 来年から幼稚園』
前回の内容
来年幼稚園の入園を控えた息子“たける”は、超がつく繊細で感受性の鋭い気質の持ち主。
9月に入り、同年代の子のママたち同士では幼稚園話題が出始め、意識が高まってきていました。
“たける”のように、繊細さや感受性の豊かさ鋭さ、敏感さを生まれ持つ気質の子のことを、HSC(Highly Sensitive Child)=人一倍敏感な子と言います。
HSCは一般に、集団に合わせることよりも、自分のペースで思案・行動することを好みます。これはその子の独自性が阻まれることを嫌がるほどの「強い個性」とも捉えられるのです。
また、HSCは些細な刺激を察知し、過剰に刺激を受けやすいせいもあって、家や慣れている人や場所では絶好調でも、新しい人や場所、人混みや騒がしい場所が極端に苦手なのです。
HSCの特徴
①刺激に対して敏感である。
②ちょっとした刺激でも感知してしまう。
③過剰に刺激を受けやすく、それに圧倒され、人より早く疲労を感じてしまう。
④場の空気や人の気持ちを読み取る力『共感する能力』に秀でている。
⑤自分と他人との間を隔てる「境界」がとても薄く、他人の影響を受けやすい。他人のネガティブな気持ちや感情を受けやすい。
⑥物事の本質を見抜く力がある。直感力に優れている。
⑦物事を深く考える傾向にある。
⑧自分のペースで思案・行動することを好む。自分のペースでできた方がうまくいく。
⑨大人数の前や中では力が発揮されにくい。
⑩人の些細な言葉や態度に傷つきやすく、小さな出来事でもトラウマとなりやすい。
そこで、幼稚園の見学をさせてもらおうということに・・・。
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9月のこと。「見学させて下さい」
ドキドキ・・・。
「突然すみません、息子が来年幼稚園なのでちょっと様子を拝見できればと思いまして。あ、この子はたけるです」
「中へどうぞ」
「わぁ、幼稚園の匂いだ、懐かしい…」
「たけるくん、ここにある本、自由に見ていいからね」
「ありがとうございます」
「もうすぐ5歳だからみんなの一つ下なの。来年幼稚園生になるの、よろしくお願いします」
「あれはオオゴマダラだよ」
「すご~い」
「あそこにあるホウライカガミという植物の葉がオオゴマダラの食草なんですよ」
「まだ小さいけど幼虫見る?」
その日たけるは元気いっぱい、歓迎して優しく接してくれたお兄ちゃん・お姉ちゃんの姿をワクワクした目で見つめたり、一緒に遊んだりもしました。
大好きな蝶や幼虫を観察することもできて大喜び。
驚くことに、途中で帰宅を促しても「最後までいる」と言い、幼稚園が終わる時間まで滞在させてもらいました。
「バイバーイ、たけるくんまたね~」
「本当にありがとうございました。」
「こちらこそ」
「楽しかったね、良かったね」
「うん!」
「幼稚園に通うようになれば幼虫やさなぎを育てたりするかもよ~」
「育てたい!!」
「緑ヶ丘幼稚園に行きたいって思った?」
「うん!明日も行きたい」
「え?明日って、また見学に行くの?」
「うん!」
「ひぇ~~、信じられない」
意外。こんなに馴染めるなんて。
良かった。
入園へのハードルがグッと下がったかんじ。
「パパ、たけるね、すごく優しくしてもらって馴染んでたよ」
「へぇ~、すごいじゃん、良かった。ありがとう」
「うん、また明日行きたいって言うの、すごいよね。来週もまたお邪魔させてもらおうかな」
出だしは順調に見えた初めての幼稚園見学。
はたして2回目の見学はたけるの幼稚園生活への希望につながるのでしょうか?
次回につづく・・・
(*この物語は、実話をもとにしていますが、個人名や団体名、エピソードの一部に変更を加え、事実と異なるところがあります。)