どうもwebサービスが好きすぎるせせりです:)
前回僕流のサービスを作るまでの流れを書いて
【前編】「怖くないキラキラしてないInstagram」を目指して写真投稿SNS「Culon」を作ってみるまでの流れとユーザー獲得戦略について - 考えすぎてしまう人のブログ
この記事では「どうやってユーザーを集めるの?」について説明しようと思ったのですが……書くことが多すぎる
あれもこれも説明したいとやっていたらあまりに長くなり、それも迷惑だと思うので説明する内容は1つに絞りました
これだけでも6000文字で短いとは言えませんがこれ以上短くできなかったので許してください
もしもっと細かく興味がある人は会ったときにでも直接聞いてください:)
突然ですが「サイトに人を集める」って具体的に何をすればいいか分かりますか?
- 広告
- 営業メール
- 宣伝
- プレスリリース
パッと思いついたのはこういう「どうやって人を連れてくるか」ばかりではないでしょうか?これらはもちろん大切なのですが逆に言うと「金さえあればどうにかなる」部分です
こういった札束で人を片っ端からかき集める方法を取れるならこの記事を読んでいないと思いますし、ここでは「どうやって人を帰さないか」について説明したいと思います
人を集める=帰る人を減らす
はい、これ大切なので覚えておいてください。僕達サービス運営者がお金をかけずにできる集客というので一番大切なのはこれです
すごくシンプルな話ですが
サイトから去る人 < サイトに来る人
であれば、(時間はかかったとしても)人は少しずつ増えていきます
誰も来ないってことはない
実感はあると思いますが「サイトに誰一人来ない」ということはありません、なんだかんだで5人とか10人くらいはサイトに来てくれます(誰も来なかったらフォロワーさんにお願いして使ってもらおう
サイトに人を集めるために一番大切なのはこの「来てくれたユーザーにリピーターになってもらうこと」であり、「どういうサイトだとすぐに帰ってしまうのか」を考えてそれを潰していく事で自然とユーザーが居着くようになります
つまり、「どうしたら帰る人が減るのか?」について考えれば人を集める方法が分かるというわけですね!:)
1.自分に関係なさそうだとユーザーは帰ってしまう
これはちょっと説明が難しいのですが、例えば「犬好きな人が猫専用SNSに訪れてくれた」場合おそらく登録などせずにすぐに帰ってしまうでしょう
全く関係ないのでこれは仕方ありません。でも、ここで大事なのは「関係ない」ではなく「関係なさそう」でも帰ってしまうという事です
例えばこの猫専用SNSに「猫が好きだけど猫を飼っていない人が訪れた」とします
猫は好きだけどサイトに居るのは「猫を飼っている人ばかりに見えた」ので「ここは猫を飼っている人だけなんだな」と登録せずに帰ってしまった、などという事はあるでしょう
これは明らかに対象ユーザーにもかかわらずサイトの設計がまずいことで「帰ってしまう」という悪い例です
どうしたら関係ありそうと思ってもらえるのか?と言うのは沢山方法があるのですがそのうちの1つの方法として「ターゲットを絞る」というのがあります
範囲を狭めたほうがむしろ使いやすい
トップページに大きく書いてあるキャッチ文でイメージしてください
- 「猫専用SNS」
- 「猫が好きな人のSNS」
- 「猫が好き、猫を飼ってみたい人のSNS」
- 「猫が好きな人や猫を飼ってみたい人が写真と日記で猫を楽しむSNS」
これは極端な例ですが、下に行くほど範囲が狭まっているはずなのにむしろ「自分向けっぽいな」と感じて使う人が増えます
沢山の人に使ってもらいたいからふわっとしたコピーにするのは逆効果
というのを覚えておいてください
今回作ったCulonであればざっくり言うと「インスタグラムは実名だしリア友だしなんか怖いしリア充なものしかアップできないから使わないけど、ネットのフォロワーさんと使えるオタク系なものもアップできるインスタグラム的なものがあったらいいのに……と思ってた人へ」などというキャッチになるかと思います
この記事のタイトルにもなっている「キラキラしてないInstagram」に比べれば随分と幅が狭く感じますので、これを見て「これだとターゲットを絞りすぎてターゲット外の人は使わないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、意外とそうでもありません
例えば「新橋のサラリーマンがランチに食べられるめちゃくちゃ美味しいラーメン屋20専」というタイトルを見た時に「今土曜日で銀座で買い物をしていて、夕方から美味しいごはんを食べたいOL」は「自分はターゲットではないな……」と離脱するでしょうか?条件だけ見れば全く当てはまっていませんが意外と人の心は許容範囲が広いので「ラーメン」くらいしか共通点がなくても勝手に心のなかで補完して気にせず読んでくれます
こういうのは「心に刺さる文章の書き方」みたいな本がすごい数出ているのでそういうのを参考にすれば良いと思いますが、大事なのはふわっとした大きな範囲ではなく、ある程度絞った範囲を示したほうがやりやすいということです
2.過疎に見えるとユーザーは帰ってしまう
これも実感あると思いますがじゃあ過疎に見えるって具体的には?と言うと難しいと思います
これまた非常に多くのポイントがあるのですがケースバイケースなのでとりあえず誰でもできる部分で一つだけ説明するなら
最初から大手の真似(データ数が多い前提)をしてデザインを組んではいけない
これも覚えておいてください。例えば
出典:ツイフィール http://twpf.jp/
こちら大手のプロフィールサイトのトップページですが、これを真似してサイトを作ったとするとこうなると思います
このようにデータ数が少ないのに大手のようなデザインを採用したり、リスト形式のデザインを使ってしまうとスカスカに感じてどうしても過疎だという印象を与えてしまいます
それだったらいっそ潔く
こういった形にしてしまった方が良いです、サンプルに使っている画像も自分でデータを埋めたので作った段階では投稿数はサイト全体で6件程度でした
確かにこのデザインだとサイト内のユーザー数などは検討がつきませんが1000人以下くらいの間は数字を出すほうがデメリットが大きいので色々不詳なくらいのほうがちょうどいいのです
スタート段階において少ない数字……例えば「サイト利用者12人!」などを素直に表示してしまうと「過疎っている」という印象を与えてしまい「面白そう」と思った人でも登録せずに帰ってしまいます
データ数が増えてきたらまた変更するのは良いとして、最初は数字を出さない事を意識した方がいいでしょう
URLに注意する
余談ですが、投稿した時に「/item/6」とかユーザーページを「/user/4」とか数字を出すと数が直結するのでTwitterのようにユーザーIDを使ったり、qiitaのように記事IDをハッシュにする事でこの不詳感を高めて過疎感をなくすことが可能です
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3.やることがないとユーザーは帰ってしまう
上に書いてあるような作業を行っていくことで「人が来ても登録してくれない」という部分は少しずつ解消できると思います
そうなると次はユーザーが思ったように投稿してくれないが悩みになると思いますがこれも改善することが出来ます
純粋にやることがない
例えば自作ゲーム投稿サイトなどの場合はそんなにポンポン投稿できるわけではないので一度投稿すると「もうやることがない」となります
レビュー機能をつけるなり、イイねボタンを設置するなり、ブログのように新着記事を投稿できるようにするなり何かしら「やること」を用意してあげることでサイトの投稿が増えていきます
精神的にやりづらい
例えば「何を投稿すればいいかわからない」はよくある問題なのでCulonではこのように「よく使われるタグ」を投稿画面に設置しています
最初の段階から20個ほど並べておくことで2番目に登録した人であっても「あ、こんなのを投稿すればいいのか」とわかりやすい指標になりますし既に投稿されている(わけではないけど、そういう風に見える)安心感から投稿のハードルが下がります
他にも「人が少なそうだから投稿したら浮きそう」などもよくある問題ですがその点に関してもCulonでは「検索や新着一覧を設置しない」という対応を取っています
あるのはタグ検索のみですし、それも件数が出るわけではないのでハードルはかなり低くなります
2で述べたように登録したらトップに表示されるような仕組みだとどうしても人が少ないうちは晒し上げのようになってしまい心理ハードルが上がるのでいっそ表示しないくらいの潔さが必要です
また、将来的に設置したい場合は「新着一覧ページは現在開発中により、12月上旬に公開予定」としておけば極初期の数が少なすぎて投稿しづらいという部分はクリアできます
100件ほどデータが投稿されてしまえばそういったハードルを感じる事はかなり低くなるので本当に最初の段階だけ使う手法としてはとても使いやすいかと思います
4.(現実的)居場所が無いとユーザーは帰ってしまう
マイページ、タイムライン、なんでも良いのですが「とりあえず開いて放置してたまに更新する画面」がなければユーザーは居着いてくれません
何かを投稿する系のサービスを作る場合「投稿されたページや検索は力を入れている」けれど、マイページのようなものが無かったり殆ど情報を置くだけだったりする場合をよく見かけます
Twitterが流行ったことでタイムラインを用意するサービスは多くなりましたが、ニコニコ動画などはタイムラインがずっとありませんでしたYoutubeなどのように「主に検索から辿り着く」場合は気にしなくて良いのですが新興SNSであれば検索から人は来ないので重要になります
(もちろんサイトによりますが)ユーザーの行動の流れとして居場所となる基幹ページを用意してあげることでユーザーがサイトに訪れやすくなりこれもまた「帰る人を減らす」行為になることは大切なポイントです
Culonの場合はインスタグラムと同じようにフォローした人のタイムラインが見れます、これに関しては特に何も説明することはありませんが
上の項目で書いたように「たとえフォロワーに更新がなくても何かしら見に来る要素」を設置するという事で何かしらの変化をつけてやるような仕組みがあると良いかもしれません
例えばサイト内の新着投稿を帯で流すとか、Twitterのようにフォロワーのイイねを流すとか(ウザいかどうかは置いといて)
再訪のきっかけを作る
これは非常に色々な所で語られていると思うのですが再訪のきっかけを作ってやることは非常に大切です
例えばイイねされたら通知を送るとか、フォローされたら通知を送るとか、何かしら「サイトを見に行きたい」と思わせるきっかけが必要です
こういった面ではpush通知できるスマートフォンアプリが最強なので出来るだけ早い段階でスマートフォンアプリを作って公開してしまうことがユーザーのリピーター化には大切だと思っています
と言いつつ、僕は今までweb重視でアプリを殆ど作ってきませんでした。Culonではそれを反省して早い段階でアプリを公開したいと思っています:)
5.(心理的)居場所が無いとユーザーは帰ってしまう
最後にメンタル的な話ですが
既に出来上がっている輪には入りづらい
身内感で盛り上がっているチャットルームとか、掲示板とか、コメント欄一つとっても仲良さそうな人同士で話してたら入って行きづらいですよね
これはサイトの設計段階で考えておかないといけない問題で、出来る限り「輪を小さくする」のが大切だと思います
例えば20人いないと成立しないサービスであればその20人はお互いが居なくなると困るので結束します
だから新しく来た人からは排他的に見えるし入りづらいということになります
それが3人や5人、できれば1人で完結するような仕組みであればあぶれている人はいくらでも見つかりますし、なんならTwitter等で仲のいい人を一人誘って連れてくるだけで良いので充分楽しむことが出来ます
「サイト内で出会って交流する」ではなく「もともと出来ている交友関係をサイト上に持ってきてもらう」方が100倍楽だし手間も少ないのでそういう設計を目指しましょう
Culonの場合は宣伝ツイートにその旨を記載しており「仲のいいフォロワーさんを5人誘えば楽しめるサービスです」と書いています
ツイッターへ同時投稿機能なども設置していますし、(今実装中ですが)未ログインユーザーの場合は以下のようなテキストを出す予定です
と、ここまで読んでいてわかると思いますが「どれも大手サービスは普通にやっていること」だったりします
メンタルについての項目は話が長くなるので割愛しますがとりあえず「大手では何百人もの人間が考えて結果を出すために取り組んでいる」わけですし全てそのままとは行きませんが参考にできる部分はとても多いのでこの記事を読んだ後はぜひ色んなサービスを確認してみてください
まとめ
最初に書きましたが細かく書いていたらものすごい文量になったのでかなり削りました
消したら文章の流れが変な感じになってしまいましたが既に6時間かかってるのでこのあたりで諦めます
サービスによってケースバイケースですが出来るだけユーザー参加型のSNSであれば共通して使えるようなものに絞ったつもりです
大事なのは
その一つ一つに理由はある?
というところで、「なんとなくこうしました」が一番良くないパターンです。「開発速度重視だからシンプルにしました」でもいいし「サイトのテキスト量が少ないのでシンプルにしました」でもいいし、そのデザイン、仕様にした理由を自分の中で持っていると同じものを作っても全く違うものが出来上がっていきます
僕自身も完全完璧に出来ているわけではありませんが、少しでも気をつけていくだけで違うのかなと思っています
読んでいただきありがとうございました:)