トップ > スポーツ > ウインタースポーツ > ウインター その他
平昌五輪のロシア参加問題、ANOCは全面的禁止の声を批判
2017年11月4日 12:57 発信地:プラハ/チェコ
【11月4日 AFP】国内オリンピック委員会連合(ANOC)は3日、2018年平昌冬季五輪でロシア選手全員を出場禁止にするべきだとする声を批判し、政治権力のスポーツへの介入に対して警告した。チェコの首都プラハで開かれた同連合の総会では、クリーンなアスリートを保護することが「今後も最優先課題であり続ける」とする最終決議に達した。
世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査官、リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏が発表した報告書で、2011年から15年にかけてロシアで組織的なドーピングが行われていた疑惑が指摘されたことを受け、その調査を行っているスイスの元大統領サミュエル・シュミット(Samuel Schmid)氏による調査委員会と、国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーであるデニス・オズワルド(Denis Oswald)氏による懲罰委員会に対し、ANOCは「全面的に信頼している」とつけ加えた。
ANOCは「これら二つの委員会による作業が終わらないうちに、ある特定の制裁が要求されている社会的風潮は受け入れられない」とすると、「これは世界ドーピング防止規程(WADA Code)に抵触するという理由で、2018年平昌五輪ではロシア選手の出場を全面的に禁止することを求めている同機関の決議も含まれる」と主張した。
懲罰委員会の調査結果を受け、今月1日には男子クロスカントリースキーのアレクサンドル・レグコフ(Alexander Legkov、ロシア)が、2014年ソチ冬季五輪でメダルをはく奪された第1号の選手となった。ロシアに対する平昌五輪参加の可否については、IOCが来月に決断を下すことになっている。
ANOCのグニラ・リンドベリ(Gunilla Lindberg)委員長は、総会後の記者会見で、「世界中で現在行われている調査が終了する前に、この問題について発言したり人を批判したりするべきではない」と述べた。
チェコ五輪委員会の会長も、政治とスポーツは別世界のものであるとして、「政治家はそれぞれの立場を求め、スポーツは団結を求めるものだ。過去の事例については、証拠や資料を基に慎重に調べていく必要がある。しかし、誰かの未来について決めつけることはできない」と述べた。
「私は楽観的に考えている。大会にはできる限り多くの選手に、平等な条件で参加してもらいたい。われわれは全員、北朝鮮の選手にも(平昌五輪に)出場してもらいたい。なぜなら、五輪憲章では政治とスポーツは無関係と提唱されているからだ。それがオリンピズムの原則である」(c)AFP