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サンジャポでの神対応が話題 爆笑・田中のアナウンス力

【実はアナウンス力抜群の爆笑問題・田中(公式HPより)】

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、サンジャポでの神対応が絶賛される爆笑問題・田中の実力を検証。

 * * *
 10月29日、『サンデージャポン』(TBS系)の本番中のこと。体調不良で呂律がまわらなくなった吉田明世アナを咄嗟の判断で椅子に座らせ、優しい声をかけたうえ、突然発射されたVTR終了後、介抱した女医の西川史子の様子も含めて説明した爆笑問題・田中裕二にネット民や視聴者が称賛の声をあげたことは皆さん、御存知のとおり。

 その3日後、『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)にて、相方の太田光から「V発射した後、(田中は)一切、吉田のこと見てないから」「吉田は自分で立ってハケてる。結局、苦しい時間を増しただけ」などとツッコまれた田中は特に否定をしなかった。

 いずれにせよ、田中の咄嗟の判断により、生放送がつつがなく終了したことにはテレビやラジオの制作陣から「田中くんには安心して番組を任せられる」と大評判だ。

 なかでも改めて評価されているのが田中のアナウンス力だ。吉田アナが退席した後、本来なら吉田アナが読む原稿の全てを読んだのが田中裕二。本来、田中の役割は、コメンテーターへの振りや、常に暴走気味な太田のボケへの丁寧なツッコミなどであり、VTRの振りやフォローなどは吉田アナがやっている。

 つまり、田中は吉田アナが読むハズの原稿の内容はわかっていただろうが、読みの練習は一度もせずに、番組最後まで代役を担ったのである。そんな田中の完璧で落ち着いたアナウンス力が評価されているというワケだ。

 実は田中は大学時代、アナウンサーを目指していたことがあり、筆者はその様子を間近で見ていた時期がある。

 それは、新卒で入った「TBS954キャスタードライバー」の中継を受けるTBSラジオ内のラジオマスター室に常設された、通称「無線室」でのことだ。

 ここは、「954」を含むラジオカー=中継車の電波測定をしたり、音声チェックをしてスタジオに繋いだりする場所。早朝から、ときには深夜にも出ていく中継車の音声を受ける「無線室」のオペレーターは、当時、男子大学生がアルバイトで担当していた。

 この「無線室」にやってくるのは、各大学の放送研究会に所属する、アナウンサー志望の男子たち。実際、NHKの元エグゼクティブアナウンサーの渡辺英美氏や、日本テレビの人気アナウンサーだった小倉淳氏、テレビ朝日の『欽ちゃんのどこまでやるの!?』で「ほんとのアナウンサー」として人気を博した藤井暁氏(現在は異動)ら、在京局のアナウンサーを多数輩出している。

 なかでも小倉氏は、「無線室」でバイトをする傍ら、久米宏の『ぴったしカン・カン』の影武者をしていたことも。当時、視聴者参加型だった同番組のオーディションの司会を担当しながら、アナウンスの勉強やテレビ業界の作法を学んでいたのである。

 その「無線室」の予備軍としてやってきたのが田中裕二。実際、シフトには入らなかったようだったが、そうした“環境“に一時、身を置いていたのは確か。田中は高校時代、「ウーチャカ」という愛称で『ウーチャカ大放送』なる校内ラジオのパーソナリティーをしていたともいうし、人前に出るのが大好きで、男性アイドル風の衣装に身を包み、ものまねをしている写真は度々バラエティー番組などで紹介されている。

 また、『ミスDJリクエストパレード』(文化放送)のハガキ職人をしていたこともあったということで、爆笑問題になる前から、ラジオやテレビが大好きで、番組を仕切るタレントやアナウンサーなどの振る舞いを隅々までチェックしていた青年だったというワケだ。

 こうして長年培った“仕切り力”と、本物のアナウンサーやアナウンサー志望の学生らの近くで学んだ“アナウンス力”によって、いまの田中裕二が出来上がっていることは間違いなさそうだ。

 生番組に強い芸人でもある。なにせ相方は、視聴者がドキッとするようなスレスレのボケが真骨頂の芸人。稲垣吾郎、草?剛、香取慎吾が出演中のAbemaTV『72時間ホンネテレビ』の中でも、久々の共演が嬉しくて仕方がないのか、さまざまな人物名を出して暴走する太田に、「やめろよ!」「いい加減にしろ!」「しつけーよ」などと、おなじみのツッコミを連発する田中だったが、よくよく聞いてみると、その直後に太田のボケを繰り返し、その意味を解説してみたり、固有名詞に“さんづけ”をしたりと、フォロー役に徹しているのである。

 さらに、カンニング竹山、メイプル超合金、バービー、橋下徹氏らとパターゴルフに挑戦するコーナーでは、ゴルフの知識がそうはないであろう女性視聴者にもわかるように細かい説明をしたり、いわゆる“裏まわし”に励む田中。ちなみに田中は、大の野球ファンでもあり、プロスポーツにも精通しているのである。

 プライベートでは、“再婚同志”の山口もえと結婚し3児のパパとなり、そのイクメンぶりも女性視聴者から高い評価を得ている田中。筆者は放送作家として爆笑問題とは古くから仕事をしているが、昔から、山口もえを始めとした共演女性からの相談に真摯にのる田中の姿をよく見てきた。彼女イナイ歴は長いが、女性との接し方はわかっていて、気が利くし、優しくて、女性タレントからの人気は元々とても高い男だった。

 そうした気配りや優しさ、生放送で自分がどう振る舞えば、番組がスムーズに、面白く展開していくかが、もっとも身についている芸人。それが爆笑問題の田中裕二なのである。

 そして、太田光という猛獣が安心して暴れられるのも、静かにさせるツボを心得ている田中が居るからこそだ。それをわかっていらしたのか、まだ、その魅力が世間に知られていない頃から、「田中を絶対に手放しちゃいけない」と大田に何度も説いていたのは。多くの若手や中堅芸人を適切なアドバイスですくい上げたことでも有名で、太田が尊敬してやまない立川談志さんだった。

 5日、『サンデージャポン』で明かされるであろう吉田明世アナの“その後”も含め、好感度急上昇の田中裕二の“アナウンス力”を堪能したいものである。

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