全てを否定するつもりはありませんが、少なくとも、やり方を知らない人がガス抜きに赤ちゃんの肛門からカテーテルを突っ込む事はお勧めしないです。
イタリアと日本では事情が違います
イタリアでは、赤ちゃんの授乳後にげっぷをさせる風習が無い、コリックで泣く時はガス抜きにカテーテルを使う、との事。
海外事情はさっぱり詳しくありませんので、これらの情報から想像される事は、恐らくイタリアでは赤ちゃんはお腹にガスが多くなり、ガスが原因で腹痛(コリック・疝痛)を起こす事が多い。そのため、原因がはっきりしないのに泣く時にはコリックを疑い、ガス抜きのためにカテーテルを使う、という事なのではないかと思います。
昔からゲップをさせる風習がなく、昔からカテーテルを使う事が脈々と続いているのであれば、周囲の誰かが使い方に習熟しているでしょう。そのため、使い方も調べやすく、教えてもらいやすい。そのために大きな事故もなく(いや、多分起こっていると思うんですが……)ガス抜きができているのだと思います。
私が現在の日本で薦めない理由は、
- 日本の場合、ゲップをさせる風習がありますので、イタリアほどには赤ちゃんがガスで原因で泣く可能性は低い事が考えられます。
- あのカテーテルの長さでは、抜けるガスに限度があります。
- 周囲に使える人が皆無だと思うので(医療関係者ならまあ……)、わけもわからず突っ込めば、腸を傷つけます。潰瘍くらいならまだしも、場合によっては穴があきます。(直腸穿孔などを起こせば、入院です……)
などです。
コリックの概念自体は知っていて欲しいと思いますし、黄昏泣きと訳される事もあります。ガスがお腹の中でパンパンになり、出れば楽になる……という事もあります。
が、いわゆる黄昏泣きの理由が全てコリックだ! というのも乱暴な話ですし、「訳もなく赤ちゃんが泣く時には、お腹にガスがたまっている事もある」というくらいに考えてくれた方がいいのではないでしょうか。
便秘やガスが原因で、赤ちゃんがぐずる事はよく経験します。綿棒浣腸なんかで改善する事もありますし、げっぷのさせ方を改善させるのも一つの手と思います。おなかのマッサージも同じですね。腸の蠕動を促して、便通やガスの排出を促します。
無理にお尻から管を入れてガスを出させる必要はありません。
アメリカのコリック対策
アメリカは日本と同じくげっぷをさせる(らしい)と聞いたので、コリック対策は似ているかもしれません。日本語のいいサイトを見つけられなかったのですいません(もしいいソースがあればご紹介ください)。アメリカの小児科学会が一般向けに作っている(と思う)サイトの中のページです。Colic Relief Tips for Parents - HealthyChildren.org
https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/crying-colic/Pages/Colic.aspx
ここの対策の一番上にも書いてますが、病気がなにか隠れている事があるので、黄昏泣きで困る時はまずは小児科でご相談下さい。
場合によっては、ガスが溜まっているとしても、その原因が「病気があるから」である可能性があります。泣いて困る事で小児科を受診する事は、おかしな事でもなんでもありません。
この中にある、「保護者の膝の上に腹這いにさせて、背中を優しくさする」のは、ゲップもおならも出やすいですし、赤ちゃんの気持ちも落ち着くのでいいかな、と思います。
個人的には、便秘対策をする事でガスはかなりたまりにくく抜けやすくなるので、便秘がある赤ちゃんはまず小児科で質問してもらうのがいいのではないかと思います。
赤ちゃんが泣く理由、それは沢山あります。
コリックだけで全てが説明はつきませんし、コリック自体の原因も一つではありません。
どうか、ネット上の情報には気をつけて接して欲しいと思います。
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