ウォズニアック氏、本気です。
Appleの共同創業者の一人であるスティーブ・ウォズニアック氏が、高度なコンピュータ技術者の育成を目的とした教育プラットホーム「Woz U」を設立することを発表しました。
Woz Uってどんなもの?
Woz Uの公式ウェブサイトによると、
Woz Uはアリゾナ州のスコッツデールに本社を構える、政府、大学などの教育機関、企業、非営利団体と連携して科学技術に基づいた次世代のイノベーターを育てるための教育プラットホーム。
そして世界で活躍するために必要な技術のギャップを埋め、科学技術をベースとした未来の起業家、そして業界のソートリーダーとなるべき人材を育てることをミッションとして掲げています。
ウォズニアック氏の教育に対する思い
エンジニア出身のウォズニアック氏の教育に対する情熱が始まったのは最近のことではありません。Distinguished Speakers Seriesでのスピーチのように、エンジニアにならなかったら小学校の教師になりたかったと語っているほど。
実際に彼は「Steve Wozniak Was My Computer Teacher in 1995」のように学校で子供達にコンピュータの授業を行っていたこともあるのです。
さて、今回「Business Wire」に掲載されたプレスリリースの内容によれば、ウォズニアック氏は今回のWoz Uの設立にあたり、長年の教育者としての経験から感じたことについて以下のように述べています。
「人はしばしば、自分には出来ないと感じてテクノロジーを駆使するキャリアを選ぶことを怖がる。でもみんな出来るんだよ。その方法を彼らに教えてあげたいんだ」
馴染みのない人にとっては、コンピュータの仕組みやプログラミングというものは難解で得体がしれず怖いもの。ウォズニアック氏はこうしたネガティブな概念を払拭して、人々にもっと高度なエンジニアリング教育が提供できる場を作る構想をずっと練っていたようです。
Woz Uの今後の展望
今後のWoz Uはどのように展開されていくのでしょうか。
まず既に、iOSおよびAndroid向けに公式アプリが無料で配布されています。このアプリでは、アカウントを登録したあと、簡単な数学、コンピューターの知識などを問う適性検査を受けることになります。その結果から自分がどんな分野に向いているかを教えてくれるので、キャリア選択の際の助けとなるような仕組みになっています。今後はこのアプリを通じてキャリア形成や学習中のカリキュラムの管理ができるようになるとのことです。
そしてまだ始まったばかりのWoz Uが、将来的に目指す教育のビジョンはものすごく壮大です。
当初はソフトウェア開発、コンピュータのサポート技術者の育成を目的とした24時間体制のオンライン講座のみが開設されますが、今後数年をかけて物理的な学校をアメリカ国内および世界の30以上の都市で展開することがアナウンスされています。
さらに将来の教育プログラムとして、
- ・小中高の 12年間を対象とした、科学、テクノロジー、エンジニアリング、アート、数学の頭文字をとった「STEAM」プログラム
- ・多額の教育ローンがキャリア育成の足かせになっている学生の救いとなるような、若い技術者のエリートを育てることを目的とした有給インターンシップ付きの集中プログラム
- ・エンジニアとして企業に勤めているの中で、スキルのギャップを感じている人たちを対象としたトレーニングプログラム
などが開設される予定なんだそうです。
世界規模で展開するということは、もしかするといつか日本でも学校が開校されることになるかも。今後の展開が楽しみです。
Source: Woz U
(Kitayama Noriaki)