ブロードコム、11兆円でのクアルコム買収を計画-関係者

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  • ハイテク分野では15年のデルによるEMC買収上回る過去最大規模
  • 実現すればスマートフォン向け半導体で業界リーダーに

半導体メーカー、ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は、同業のクアルコムを1000億ドル(約11兆4100億円)で買収することを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ハイテク分野では過去最大規模となる買収を通じ、無線通信用半導体の市場を支配する巨大企業の構築を目指す。

  現金と株式による1株当たり約70ドルの買収案は、向こう数日以内に提示される公算が大きい。協議が公になっていないことを理由に同関係者が匿名を条件に語ったもので、提案が実現しない可能性も残っているという。  

  クアルコムを買収すれば、ブロードコムはインテル、サムスン電子に次ぐ世界3位の半導体メーカーとなり、毎年10億台超が販売されているスマートフォン向けの半導体では業界リーダーとなる。これまでのハイテク分野の買収では2015年のデルによる670億ドルでのEMC買収が最大。クアルコムは携帯端末を無線通信網と結ぶ半導体で支配的な地位にあり、ブロードコムは端末をWi-Fi(ワイファイ)ネットワークと結ぶ半導体技術を専門としている。

  インスティネットのアナリスト、ロミト・シャー氏はブルームバーグテレビジョンの番組で、「非常に理にかなう買収だ」と指摘。「ブロードコムは300億ドルの収入を確保し、これは極めて戦略的だ。両社ともスマートフォン分野で大きな存在感がある」と述べた。

  ブルームバーグ・ニュースが買収計画を報じたことを受け、3日のニューヨーク株式市場でクアルコムの株価は一時19%高となった。終値は13%高の61.81ドルで、これに基づく時価総額は910億ドル。ブロードコムの終値は5.5%高で、時価総額は約1120億ドルとなった。両社の担当者はいずれもコメントを控えた。

  トランプ米大統領とタンCEOは2日、ブロードコムが本社をシンガポールから米国に移すとホワイトハウスで発表していた。

原題:Broadcom Plans $100 Billion Qualcomm Deal to Build Chip Colossus(抜粋)

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【米国株・国債・商品】主要株価指数が最高値、アップル高い

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  • 米国の非農業部門雇用者数と平均時給の伸び率、市場予想を下回る
  • WTI原油は55ドル台、2015年7月以来の高値に

3日の米株式市場ではS&P500種株価指数が続伸し、週ベースで2013年以来最長の8週連続高となった。アップルの好決算と堅調な米ISM非製造業総合景況指数を受け、景気楽観論が強まった。米国債は長期債が上昇。雇用統計を受けて値動きが激しい場面もあったが、市場の利上げ見通しはほとんど変わらなかった。

  • 米国株は上昇、主要3株価指数が全て過去最高値更新
  • 米国債はまちまち、10年債は続伸-雇用統計発表後に乱高下
  • NY原油は続伸、55ドル台で終了-2015年以来の高水準
  • NY金は下落、米経済指標が堅調でドル上昇

  午後の取引ではアップルが3.7%高まで買い進まれたこともあり、S&P500種が着実に上値を伸ばした。米国債相場は、10月の非農業部門雇用者数が予想を下回ったことに反応して一時大きく伸びたが、その後は上げ幅を縮小。短期債利回りが小幅上昇する一方で中長期債利回りは低下し、イールドカーブがフラット化した。

  S&P500種は前日比0.3%上げて2587.84、ダウ工業株30種平均は22.93ドル(0.1%)上げて23539.19ドル。ナスダック総合指数は0.7%上昇した。ニューヨーク午後5時現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して2.33%。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。終値で2015年7月以来の高値となった。石油輸出国機構(OPEC)減産延長が焦点になる中、ナイジェリアとベネズエラからの供給が滞る可能性も買い材料になった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比1.10ドル(2%)高の1バレル=55.64ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント1月限は1.45ドル上げて62.07ドル。

  ニューヨーク金先物相場は下落。米雇用統計やISM非製造業景況指数で米経済の底堅さが示唆され、ドルが上昇したことが手掛かり。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.7%安の1オンス=1269.20ドルで終了。一時は0.2%上昇する場面もあった。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は終値ベースで過去最低となった。

  主要3株価指数は週ベースで、S&P500種が0.3%高、ダウ平均が0.5%高、ナスダック総合が0.9%高と全て上昇した。

  10月の米雇用統計はまちまちな内容で、8月のハリケーンの影響でデータにゆがみが生じたこともあり、明確な結論を引き出しにくいものとなった。フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む12月利上げの確率は高水準を維持した。

原題:U.S. Stocks at Records, Dollar Gains on Economy: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Edge Higher, Curve Flattens After NFP Action Unwound(抜粋)
OIL FUTURES: WTI Closes Above $55 First Time Since July 2015(抜粋)
Gold Drops as Rising Dollar Saps Demand Amid Firm U.S. Economy(抜粋)
Bulls Prevail as VIX Rejoins S&P 500 in Record Territory: Chart(抜粋)

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