浪費家ナッツです。おはようございます。
MSCIジャパン・インデックスって知っていますか?つみたてNISAの対象商品を見ていて気になったのですが、先進国の株式を対象としたインデックスのMSCIコクサイには、日本は含まれていません。
そして、新興国の株式を対象としたMSCIエマージング・マーケットは、新興国だけです。日本を対象とするインデックスは、TOPIX、日経225、日経JPXだけで、MSCI社のインデックスではありません。
MSCI社から日本がハブられているのか?と思い調べて見たら、ありました「MSCIジャパン・インデックス」。
どういう構成なのか、整理してみました。
MSCIジャパン・インデックスとは?
MSCIジャパン・インデックスは、MSCI社が提供するMSCI全世界インデックス(ACWI)のうち、日本の株式市場を対象としたインデックスです。
日本市場の大型・中型株の321銘柄で構成されており、浮動株調整後の時価総額で日本ほ株式市場の85%をカバーしています。
MSCI社 MSCI Japan Index ファクトシート(2017/10)
日本では、国内株式市場のインデックスとして、日経平均株価やTOPIXが一般的ですが、海外では日本株式市場のインデックスとしてはMSCIジャパン・インデックスがよく使われるようです。
構成銘柄(上位10社)
銘柄 | 業種 | 保有比率 |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 4.62% |
三菱UFJフィナンシャルG | 銀行業 | 2.35% |
ソフトバンクG | 情報・通信業 | 2.15% |
三井住友FG | 金銀行業 | 1.57% |
本田技研 | 輸送用機器 | 1.53% |
キーエンス | 電気機器 | 1.52% |
KDDI | 情報・通信業 | 1.37% |
ソニー | 電気機器 | 1.35% |
ファナック | 電気機器 | 1.26% |
みずほFG | 銀行業 | 1.25% |
ソース:iシェアーズMSCIジャパンETF(EWJ)
※TOPIXと比較のため、業種を東証33業種区分に差し替えています。
セクター内訳
※TOPIXと比較のため、業種を東証33業種区分に差し替えています。
TOPIXとは?
TOPIX(東証株価指数)とは、東証1部に上場している全銘柄を対象に、浮動株調整後の時価総額を指数化したものです。東証1部の会社数は2,029社、日本株式市場の96%をカバーしています。
つみたてNISA 対象商品の基本情報整理(TOPIX編) - 浪費家ナッツの投資日記
構成銘柄(上位10社)
銘柄 | 業種 | 保有比率 |
トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 3.31% |
三菱UFJフィナンシャルG | 銀行業 | 2.08% |
ソフトバンクG | 情報・通信業 | 1.74% |
日本電信電話 | 情報・通信業 | 1.52% |
三井住友FG | 金銀行業 | 1.32% |
ソニー | 電気機器 | 1.27% |
本田技研 | 輸送用機器 | 1.24% |
キーエンス | 電気機器 | 1.19% |
みずほFG | 銀行業 | 1.07% |
KDDI | 情報・通信業 | 1.05% |
ソース:iシェアーズ TOPIX ETF(1475)
セクター内訳
パフォーマンス比較
MSCIジャパン・インデックスとTOPIXの過去のパフォーマンスを「わたしのインデックス」サイトより引用させていただきました。共に上記サイトにて独自に円換算した結果となっています。
MSCIジャパン・インデックス
TOPIX
比較
MSCIジャパン・インデックスとTOPIXを比較すると、差の大小はあるものの一貫してTOPIXのリターンが高いですね。さらに、若干ではあるもののリスクも低いです。
MSCIジャパン・インデックスに連動する商品は?
東京証券取引所で買える商品は?
MSCIジャパン・インデックスに連動し、日本で買える銘柄として「上場インデックスファンド日本株式(1544)」というETFがありました。「ありました」と過去形になっているのは、2015年で上場廃止してしまっているためです。残念。
海外ETFで日本から購入できる商品は?
他にMSCIジャパン・インデックスに連動する商品というと、米国ETFになってしまいますがBlackRockの「iシェアーズMSCIジャパンETF(EWJ)」というETFがあります。1単位58.65ドル、経費率0.48%、配当利回り2.8%となっています。(2017年10月末) 3大ネット証券では、SBI証券、楽天証券、マネックス証券全てで取扱があります。
TOPIXに連動する商品は?
東京証券取引所で買える商品は?
TOPIX連動型上場投資信託(1306)をはじめとして、上場インデックスファンドTOPIX(1308)など多くのETFが上場しています。ざっと確認した範囲では、TOPIX連動型上場投資信託(1306)の出来高が圧倒的に多いようです。ETFを購入するのであれば、出来高には注意したいところです。出来高が少ないと、基準価格との乖離が大きくなってしまうデメリットがあります。
投資信託は?
TOPIXに連動する投資信託も多数あります。正直どれを選べば良いのか分からないくらいです。でもTOPIXに連動する投資信託を購入するのであれば、金融庁お墨付きの「つみたてNISA」対象商品から選ぶのが良いのではないでしょうか?
つみたてNISA 対象商品の基本情報整理(TOPIX編) - 浪費家ナッツの投資日記
まとめ
この記事を書いた理由は、「つみたてNISA」対象商品を調べていく中で、先進国はMSCIコクサイ(日本除く)、新興国はMSCIエマージング・マーケットというインデックスがあるのに、なぜ日本の株式市場の指標でMSCI社のインデックスが採用されていないのか?疑問に思ったからでした。
今回は、日本の株式市場の指標代表としてTOPIXとMSCIジャパン・インデックスとを比較してみましたが、両者を比べてすぐ分かるように、購入しやすいのはTOPIXに連動する投資信託、パフォーマンスが良いのもTOPIXでした。
全世界の株式市場に分散投資する場合、1商品でやりくりできれば簡単に済みますが、このパフォーマンス・リスクの違いを見ると、日本だけはTOPIXでも良いと思えてきました。
また、今回は代表としてTOPIXで比較しましたが、日経平均やJPX400についても比較してみたいですね。後は、全世界の株式市場を対象とする「MSCI ACWI」と「FTSE All World」の比較もできたらと考えています。