一人のROCK音楽ファンにとって幸せな40日間のまとめ
近年のRockシーンはまるで結託しているかの様に、ビッグタイトルのアルバムをリリースラッシュと言うべきレベルでまとめて出してくる。
昨年にもそんな事があったように想うけど、今年は特に濃厚で芳醇な一月と少しの時間が訪れた。僕の誕生月にだ。
あまりロックを聞かないなって人にも聞き覚えのあるバンドばかりかと想う。
それも是非聴いて欲しいトンデモクオリティなアルバムばかり。
贈り物の様に想って感謝して聴き倒し、ポジティブに気持ち高めに過ごしていれば、日頃のイライラもどっかに行くもんだ。
それほどまでに、たくさんの贈り物が続いた40日間。
サマソニを引きずってのフーファイのNEWアルバムに始まり、ずっとお伽話でしかなかったハイスタとリアムの新譜、ベックのポップネスに踊らされ、心のバンド・シンプルプランのライブを見て、ウィーザーの傑作が届く。
11月はこの余韻だけで生きていけそうだ。ノエルの新譜も出るけど。
そんな40日をまとめて見ました。
まだ聞けていないアルバムがあれば、是非聴いて損はないものばかりだと思います。
これをきっかけに聴いて頂けると、とても幸いです。
1. Foo fighters "Concrete and Gold” サマソニでの感激のステージからの新時代ROCKを鳴らしたNEWアルバム
Foo Fighters - The Sky Is A Neighborhood
ニルヴァーナ以降、世界最強のロックバンドとして、現在に燦然と輝くロックバンド、フー・ファイターズのNEWアルバム。
サマソニ2017の初ヘッドライナーとして、このアルバムの発売を前に来日していたフーファイのステージは圧巻で、その音圧とパフォーマンスは他に類を見ないシンプルな最強さを魅せつけられた。
www.footballsoundtrack.comそんな想い出で一杯のまま、一ヶ月後9月中頃に発売された”コンクリート&ゴールド”。
キャッチーなロックミュージックではない、ダークでサイケでアンタッチャブルな重い音。
暗さに影を落とすだけでなく、豪快なボリュームを奥に奥に濃縮した様な、とてつもない質量を感じる今までにない怪盤だった。
浮世離れしたポップスが続く音楽シーンに、深く黒く燃えるロックの美しさを濃縮したロックの価値を表現出来るアルバムだった。
【バンドレビューはこちら】
2.Hi-STANDARD "The Gift"&”Live At AIR JAM 2000" 全ての世代へ向けたパンクな贈り物
Hi-STANDARD -All Generations(OFFICIAL VIDEO)
説明不要の伝説のパンクロックバンド、Hi-SATNDARDの完全新作アルバム。
18年前の解散ライブとなったこれも伝説のエアジャムのライブDVDも当日ゲリラ発売された。
日本中を巻き込んだDIYなメロコアパンクブームを起こし18年前の解散、6年前の震災後の復活、1年前のレコーディング、シングルの発売。。。
様々な世代で分断されたハイスタも、このアルバムで全ての世代が繋がった。
ステイゴールド2ではない、今の・あの頃のハイスタが劇的に混ざったドラマチックなアルバムだった。
一緒にAIRJAM2000のDVDを発売したのも、過去も現在もひっくるめた一つの渦で新しい世代も巻き込もうって思いもあるだろう。
今まで聴いたことない人も是非この2つのタイトルから聞くので全く間違いはない。
【名曲 バンドレビューはこちら】
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3.Liam Gallagher ’As You Were' リアムの声とロックを存分に
Liam Gallagher - Wall Of Glass (Official Video)
世界を制した近年最強のロックバンド、元Oasisのフロントマン、リアム・ギャラガーの初のソロアルバム。
ハイスタと同じか、ある意味それ以上に実現が難しいと思われていたリアムのソロ・アルバムは、「このアルバムがハズれたら、俺は消え去る」と並々ならぬ気概で制作された。
先行で公開された”Wall Of Glass"に数秒で心臓をわしづかみにされ、ごく自然に滲み出るロックのダイナミズムと鬼気迫る程の決意が半々で混ざり合う、実に伸びやかで渋い声。
アルバム通して聴いてみると、ロックンロール回帰的なテーマでありながら、懐かしさに浸るわけではなく、現代のモダンロックとしてビルドアップされたサウンドが凄く耳に馴染む。
その中心にいるリアムの堂々と、繊細に歌い上げるクリアなロックボーカルに、世界を制すだけのパワーはあると思わせる。
今のリアムの傑作は、過去の超大作と並べてもけして見劣りはしないのだ。
【Oasis 関連レビューはこちら】
4.Beck 'Colors'
オルタナティヴ・ミュージック界の王子ベックの待ちに待たされた新アルバム。
モダンなポップを他の誰よりも美しくカッコよく仕上げることのできたオルタナロック王子のベックの凄さを実感した。
10曲という曲数で無数の世界観を往来するアート性と、その一つ一つがオシャレでパワフルな彼にしか出来ない芸当の、芸術作品的アルバムだった。
現代でも劇的に響く、完璧なポップアルバムだ。
- アーティスト: ベック,ベック・ハンセン,グレッグ・カースティン,アンドリュー・ワイヤット
- 出版社/メーカー: Hostess Entertainment
- 発売日: 2017/10/11
- メディア: CD
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幕間.Simpleplanの'No Pad,No Helmets...Just a Balls'Tourに行ってきた!
僕らポップパンク直撃世代としては、絶対に外すことはできないライブだった。
Simpleplanの1stアルバム完全再現のライブ。
あの頃の音を、大きくなった僕らと一緒に歌ってくれる僕らのシンプルプランは、いつまでも不惑で、凄くハッピーな時間だったのだ。
また今度も一緒に歌いたい。
Simple Plan - I'd Do Anything (Official Video)
4.Weezer ”Pacific Daydream” 不思議な不思議な最高傑作
いつまでも等身大にもどかしい、そんな世界最高のパワーポップバンドWeezerの11枚目のアルバム。
白昼夢をテーマに、不可思議な空間で口笛の様に軽やかなポップネスを存分なロックで彩る鮮やかな世界。
前作のホワイト・アルバムの時点で、彼ららしいとされているパワーポップサウンドを見事に描いていたけど、今作のフワフワした眩い陶酔感も、また十分に彼ららしい。
彼ら自身は変わってはなくて、フォルムを変えて鳴らすロックの数々は、どうしても心を掴まれてしまう。
今作もまた、名作。もうほぼ出来てると言っていた12作目のブラックアルバムも期待大であるのだ。