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2017/11/03

シンクロナイズドモンスター 感想 ~煮ても、焼いても、叩いても、アン・ハサウェイは可愛いのです!キリッ~【映画レビュー】






◆シンクロナイズドモンスター 感想◆



評価/オススメ:★★★★

この作品ジャンルは?:コメディタッチのファンタジー

オススメしたい人は?:カップルや女性の方も楽しめるかも。

印象を一言で?:超B級映画と思いきや、実は深い。
アン・ハサウェイがふつーのお姉さんを演じているのは必見。
つーか、ツンとしていないので、すごーーーーく可愛い。

グロテスクですか?:グロシーンはありません。


◆synopsis◆



巨大な怪獣を操るダメウーマンが、負け犬人生と世界の危機に立ち向かう!!

職ナシ、家ナシ、彼氏ナシ。
酒に溺れて失敗ばかりのグロリアは、ニューヨークから故郷の田舎町へと逃げ帰る。
時を同じくして、韓国ソウルに突如巨大な怪獣が襲来!
その怪獣の動作は、なぜか遥か遠く離れたグロリアとシンクロしていた―。
世界の運命は、酔っ払いのダメウーマンに託された?!
憧れのニューヨークで働いていたグロリア(アン・ハサウェイ)だったが、失業してからというもの毎晩酒に酔って暴走し、ついには同棲中の彼氏ティム(ダン・スティーヴンス)に家を追い出されてしまう。 家も仕事も彼氏も失ったグロリアが向かったのは、生まれ故郷の小さな田舎町。 そこでばったり再会した幼馴染のオスカー(ジェイソン・サダイキス)に誘われ、グロリアはオスカーが営むバーで働くことになる。

グロリアが新生活への一歩を踏み出す中、衝撃のニュースが世界を駆け巡る。 韓国のソウルで突如巨大な怪獣が現れたというのだ。 テレビに映し出された衝撃映像に皆が騒然とする中、ただひとりグロリアはある異変に気付く。 「この怪獣、私と全く同じ動きをする…?!」舞い上がったグロリアは、怪獣を操り世界をさらなる混乱へと陥れるが、そこに「新たなる存在」が立ちはだかる―!

※公式HPより


◆comment◆



2017/11/3 本日から劇場公開です。


・・・曰く、

「ゴミ映画」

「主人公の女が嫌い」

「なんだこれ?」

「ストーリーが浅い」

「説明不足」

「設定が中途半端」

「アン・ハサウェイがミスキャスト」

エトセトラ、エトセトラ。

・・・・手強い。これは手強い戦いだ。

わたしは劇場を後にしながら、ネット上に散見されるこれらの言葉に正直な所あたまを抱えていました。


本作は製作段階で権利問題で報道されたのをご記憶の方も多いでしょう。



ただ、これは製作者側の迂闊さもさることながら、東宝が過剰に反応したのではとも思うのはわたしだけでしょうか?


おかげで舞台設定が日本から韓国に変更になっただとか、怪獣が将軍様がゴジラスタッフさんと製作したやつに似ているだとか、いろいろと物議をかもしたのもご存知の方が多いでしょうね。


これは是非とも、日本を舞台のひとつにして欲しかった・・・・

麗しのアン嬢が日本に大手を振って来られるじゃないですか・・・・


それにしてもここまでキツイ言葉で語られる本作ですが、わたしは単純にアン・ハサウェイがふつーーーーのおねえさんを演じているだけで、激レア物件だと(小声)

これを擁護しつつ、オススメとして紹介するにはどうすればいいかなぁ。

わたしは好きなんですよねぇ。

そして恐らく配給会社さんも、親しみやすさを最大限に訴求したくて、ピンクを基調にしたビジュアルと邦題を考えたのでしょうけど、、、、惜しい
この邦題では原題:Colossalに隠された対比というかユーモアが伝わらない。

それこそ怪獣メインの話にしか捉えてくれなくなっちゃうでしょーが。

確かに怪獣のビジュアルや事前のニュース何かを見ると、パニック映画やそれこそパシフィック・リム寄りのゴリゴリ系なアクションを期待してしまうと裏切られたと感じるのも無理も無いこと。

ましてや主演があのアン・ハサウェイならなおのこと大作であることも期待されるのも同感。

だけど、日本語版もオリジナル版の予告編にも、それこそ公式サイトにもシリアスな要素はほとんど見られません。

そうです。

たしかに純粋な怪獣映画とも言えず、大作であると定義するほど壮大もない。

本作はもっと身近で、
ごくごく小さなコミュニティの、
そしてパーソナルな問題を取り扱った物語。

これは怪獣をモチーフにした『ちょっと不思議な』自己再生の物語なのです。
(けっこうぶっ飛んでますけどね)

歯切れが悪くなるのには訳があって、面白いのですけど、なかなか上手く表現できないんですよねぇ。

例えが悪くて申し訳ないのですが、星新一的なとてもシュールなお話で。

あの「おーいでてこーい」がまっさきに想起されたのです。

ま、ストーリーの最大の謎としては、

『あの怪獣の正体はなんであるのか?』

に尽きるのです。


と、書いていたら、公開に伴う監督のインタビューを発見して妙に納得。


これらを踏まえて、この映画を整理すると、彼らがこの作品を通してどんなメッセージを伝えたかったのかが朧気ながら見えてきます。

故郷というもっともパーソナルな場所に埋まった

忘れているようで姿を見せないだけの『思い出』

子供時代だからこそ覚えることができる『ピュアで強大な怒り、傷心』

決着をつけないで、そのままにしてしまった多くの人が持つ『何か』

大人になること≒誰もが横並びであることはあり得ないという『現実』

自身が苦しいゆえに、感じる『羨望』『嫉妬』

故に他者を支配したいと思う『エゴ』

個々人の心のうちにしまい込まれた強烈な思いというのは、時とともに純化するものもあるけど、その逆に腐臭を放つものもある。

わたしたちは人と関わるが故に悩み傷つくのですが、人と関わらず生きていくことは不可能。

ミクロの集合体がマクロ。

そしてテクノロジーがもたらした距離の喪失、言葉の壁の消失が、世界との境界線をものすごく曖昧にしてしまった。

ネット上では鍵でも掛けておかない限り「パーソナル」な言葉などない。

何気なくポロッと書いた一語でも、とてつもなく大きな問題に発展する事もある。

気が付かないうちに世界の何処かで何かを無情にも破壊してしまう恐ろしい力を、現代の言葉は持ってしまっていて、その危うさをほとんどの人が(わたしも含めて)自覚せずにデジタルに載せてしまっている。

例え個人の問題でも、世界中がそれを自由に閲覧し、共有し、返信することができる。

今月公開のトム・ハンクス/エマ・ワトソン出演の『サークル』



この作品と根底では共通しているであろうテーマを本作はあくまでもコメディタッチに描いているのです。

なので、よーーーく目を凝らして観てみると、本作品には意外な魅力があるのです。

というわけで、高嶺の花が舞い降りた。

わたしたちふつーの人達と同じ視線に立ってくれたアン・ハサウェイを観られる貴重な作品。
お楽しみください。

そうそう。本作のキャストは豪華ですよ♫

2017年映画鑑賞 190本目

◆overview◆


・原題:Colossal  2016年公開
・上映時間:110分

・監督:ナチョ・ビガロンド
代表作:『ブラック・ハッカー』『TIME CRIMES タイム クライムス』
・脚本:ナチョ・ビガロンド
     

・メイン・キャスト
アン・ハサウェイ
ジェイソン・サダイキス
ダン・スティーブンス
オースティン・ストウェル
ティム・ブレイク・ネルソン

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