高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

5年連続の“官製春闘”で糊塗するアベノミクスの経済失政

 ロコツな政治介入はこれで実に5年連続となる。26日の経済財政諮問会議で、安倍首相が経済界に「3%の賃上げ」を迫った。時の政権トップが民間企業の給与水準にまでくちばしを挟み、「賃金を上げろ」と圧力を加える姿は異常だ。ましてや、本来なら労使が話し合って決める賃上げ水準について、具体的な数値まであげるなんて許されない。

 日本経済は、物価がほとんど上がらず、したがって実質賃金は横ばい状態だ。連合でさえ、来年の春闘での要求は「月給の2%程度のベア」にとどめている。労組すら求めていない水準の賃上げを、国家権力をカサに着て安倍首相が財界トップに持ちかけるとは、もっての外だ。

 政治介入を慎むことこそ権力者に求められる姿勢であることが、どうして安倍首相には理解できないのか。5年も「官製春闘」を続けること自体、総理としての資格がないことを物語る。

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