歌手・俳優 井上順さん
一病息災
[歌手・俳優 井上順さん]難聴(4)周囲のフォローに助けられ
補聴器を使用していることをオープンにしている。新しい仕事を受ける時も、先方に伝えて、了解を得ている。
「難聴になってから、皆さんの親切、やさしさに接するようになり、より一層の感謝をしています。仕事の現場では、大きな声で話してくれるし、せりふのタイミングも合図してくれますから。みんなのフォローに助けられています」
見た目が変わらないと言われるが、体力維持には努力している。毎朝、自宅で腹筋、腕立て伏せ、開脚と、タップダンスの練習をしている。「プロ意識に芽生えた30歳代半ばから、ずっと続けています」。3か月ごとに血液検査など、健康診断も怠らない。
耳の回復に役立てようと、「モーツァルトの曲をよく聴いています。高周波が多く含まれているのが、よいそうですね」。
毎日、うれしいことを探し続けている。すてきな出会い、面白いもの。まだ自分の知らないことがたくさんあると信じている。
「だから、ずーっと長生きしてみたい。神さまが僕を早くあっちに呼ばないように、コーヒーや歯ブラシなどを買いだめしているの。『まだ、あんなに残っているから、あいつのお迎えは後にするか』と思ってもらえるようにね」(文・斉藤勝久、写真・菅野靖)
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歌手・俳優 井上 順(いのうえ じゅん)さん 68