冷たい空気に秋の深まりを感じる10月上旬、ヤマメの天然種が棲む川を訪れた
向かった先は神奈川県の某河川
天然種のヤマメが棲息する河川としてマニアにはそこそこ名の知られた渓である
友人情報によると
アベレージは18㎝前後、シーズン終盤には数は少ないながらもコンディションのいい8寸(24㎝)サイズ以上が望めるとの事
もちろん漁協による養殖魚の放流は完全にない川だ(ここ重要w)
小規模本流のように開けた渓は
水量がありダイナミックに流れる瀬と水深のある淵のポイントが交合に現れる
水質はいかにも関東のヤマメ河川といった感じの若干濁りのある水質で、お世辞にも綺麗な川とは言えないが、大きなヤマメが好みそうな流れが幾つも点在している
あまりゆっくりできる時間もないので
今回は大場所メインでポイントを絞っての釣行だ
1週間以上ぶりの魚釣りに胸が高鳴る!
本命ポイントで竿を出すと直ぐに、ここの天然種達と思われる15㎝にも満たない綺麗なチビヤマメが連続で釣れてくる
やや流れの緩やかな淵尻のカケアガリで小さなアタリに合わせると
手元にズッシリとした重い魚信が伝わる
これは結構デカいぞ!!
濁った水の中から時折、幅広の赤い魚影が身を翻すのが見える
ん?ニジマスか!?
水面で暴れさせないように竿でいなし
魚を浮かしてその姿をじっくり確認する....
真っ赤な婚姻色を纏った鼻曲がりのヤマメだ!!
厳つい顔をしたオスのヤマメは怒ったような表情でオレを睨みつけ再び水中に潜ろうと激しく抵抗する
何とも言えないこの緊迫感!!
たまらん瞬間だ
再度魚を浮かしスムーズに1発でネットへ誘導
ズッシリとした野生の生命体がネットへ収まった
鼻先が曲がり、顎がシャクレ精悍さを増した獰猛な顔つき
極太幅広体型で体高があり抜群のプロポーション
大イワナのように大きく発達した胸鰭、
ピンと張った綺麗な形の大きな尾鰭
腹鰭、尻鰭も全て大きく鰭ピン
真っ赤に浮かびあがったこの鮮やかな婚姻色
これぞ自然界が育んだ芸術
究極の野生美がここにある
全長と体高のバランスも完璧!
尺にはあと2㎝足りなかったけど、この圧倒的なオーラと魚の質感はサイズを補って余りある程
餌の豊富な大河川で急激に成長した個体とは違い、この河川で生まれ、長い年月をかけてゆっくり大きく成長した個体ならではの凄み、そんな野生のオーラがこの魚には溢れている
下手な尺ヤマメより
よっぽど格好いい個体なんじゃねーのかな?
尺には届かなかったけど
「残念だな」って気持ちには全くならなかったね
言うならば「究極の28㎝ヤマメの姿」と言える個体だろう
漁協による養殖魚の放流は完全にない河川だから当然、成魚放流も稚魚放流もない
だいいち成魚放流魚では、こんな綺麗な形の大きい鰭ピンの尾鰭には回復しないのは明らかだし、稚魚放流魚では、こんな発達した分厚く大きい胸鰭には成長しない
自然河川に放流された稚魚が大きく成長するまで生き延びれるケースは極めて少ないのだ
この川で昔から独自に世代交代を繰り返す天然種の血が入っている可能性は極めて高いと言える
究極の野生は
真っ赤に染まった体と大きな尾鰭をくねらせながら元いた流れへとゆっくり戻っていった
また再会できる事を願って....
現在の渓流釣りは
漁協の放流が無ければ成り立たない。だが、少ないながらも国内の河川には今回の魚ような天然種の血を受け継いだヤマメも確実にいて、ホンモノの野生は今も存在している
今回の遠征先でお世話になった友人及び地元の方々の協力に深く感謝したい
究極の野生、ネイティブヤマメを求めるオレの旅はまだまだ続く....
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