リーダーに求められる究極の資質は「度胸」だ

経営が行き詰まったときにどうするべきか

行き詰まったときの経営者がとるべき対応とは何か(写真:Elnur / PIXTA)

経営を進めていく際に感じることは「山あり谷あり」ではありません。むしろ、「谷あり、谷あり、谷あり、そして山あり」といったところかもしれません。困難ばかりが襲いかかってくるように感じる。それが経営というものです。

時には、「もうこれでおしまいだ」と絶望的になることもある。しかし、そういうときに経営者は、自らを奮い立たせて、「やり方は無限にある。どこかに打開の道がある。考えよう。探そう。大丈夫だぞ。心配するな」と、自分自身に声をかけることが必要だと思います。絶体絶命ということはありません。

壁にぶつかって気力を失うようではダメ

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もし、もうおしまいだと思ったとするならば、知恵を出すことも、工夫することもなく、気力も失い、その場にへたり込んでしまうでしょう。多くの経営者、とりわけ若い人たちに、そのような傾向があるのではないかと思います。少し壁にぶつかると、あきらめる。放り出す。それでは成功の道を切り開いていくことはできません。いま、大きくなっている会社は、困難苦難にぶつかったとき、そういう知恵を出して、どこかに道があると考え、壁を乗り越え、新しい発展の道を歩んできたのです。

今のままで、ただどうしようか、何をしたらいいのかとオロオロしてへたり込むのではなく、やり方はいくらでもある。この壁は、きっと突き破ることができる。行き詰まっても行き詰まっていないと考えれば、そこに勇気と知恵も湧いて、成功への扉を見つけることができるものです。

また、起業して、そのアイデアはいいけれども、経営がうまくいかない。しかし、あきらめるのではなく、新しい売り方、あるいは、自分のアイデアを活用して、新たな製品を考えてみる。釣り糸が売れないから、この会社を畳もうと考えるのではなく、なにか工夫できないか。考えた結果、マットレスのエアウィーヴという会社ができました。この会社は、今では大いに成長発展しています。

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  • 知ったかぶりの爺たん67feb822adfc
     ニトリの会長が白井社長のことを「愛嬌があるだけでなく度胸がある」と評していたのを思い出した。成功する経営者は確かに度胸がある人ですね。著者に同感。
     いつも思うが、ここでの話は経営者だけでなく市井の人にも当てはまる。行き詰まったときに必ず活路はあるものだ。以前「念じる力」が大切と言われていたが、念じて活路を見出す。そして一歩を踏み出す。若い人は特にこれからなので見習ってほしい。
    up7
    down0
    2017/11/2 14:33
  • NO NAMEe0e5f42b068b
    確かに土壇場で挫けて逃げる人にはついて行きたくない。一方で、自分が度胸あるように振る舞うのはすごく難しいし、正直恐ろしい。いつも逃げたくなる。

    だからこそ、ここ一番で腹を括って支えてくれる人には心底ついて行こうと思う。また自分もそう振る舞っている(つもり)。いつか、つもりが本当の姿になることを信じて。
    up6
    down0
    2017/11/2 11:21
  • NO NAME0e3587623560
    土壇場で部下のせいにして綺麗に逃げ切るという上司に2度当たった。社長と支店長。
    なぜか社外、支店外の評判はよくその処世術は見習うものがあるわけないだろう。
    今おもいだしても腹が立つ。
    up6
    down1
    2017/11/2 12:18
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