半田病院 移転先方針転換

愛知県半田市の老朽化した市立病院の移転先について、半田市の榊原市長は市民の理解や愛知県の協力を得る必要があるとして、これまで市の職員駐車場としていた移転計画を断念し、高台の運動公園を検討していく考えを示しました。
半田市立半田病院は知多半島で唯一、救命救急センターを持つ災害拠点病院ですが、完成から35年たって老朽化が進み、市は病院に隣接する市の職員駐車場を移転先として検討してきました。
一方で、市民団体が職員駐車場が津波の避難地域の中にあるとして反対し、高台に移転すべきだとして住民投票の実施を求めるなど、移転先をめぐって市と一部の住民の意見が対立していました。
こうした中、先日、愛知県の大村知事が榊原市長に対して「大多数の理解や賛同を得て事業を進めるべきではないか」などとする提案を行ったことから、1日、榊原市長が臨時の会見を開きました。
この中で、市長は「知事のことばを重く受け止め、いったん立ち止まって候補地を見直すという考えにいたった。より多くの市民に理解を得られる適地を示し具体化したい」として職員駐車場への移転計画を断念し、高台にある半田運動公園を検討していく考えを示しました。
半田市では、今後、住民や病院関係者などに意見を聞くなどして、今年度中には移転先を決定したいとしています。