パレスチナ暫定自治区のガザ地区と隣接するエジプト、イスラエルとの境界の検問所を管理する権限は１日、イスラム原理主義組織ハマスから暫定自治政府に返還されました。
このうちエジプトとの境界にあるラファの検問所では記念の式典が開かれ、暫定自治政府のハサーイナ長官は「パレスチナは和解に向けて大きく前進した。分断の過ちを繰り返さないよう努力していきたい」と述べました。

イスラエルに対する武装闘争を掲げてきたハマスは２００７年、パレスチナの穏健派勢力との抗争を経てガザ地区の実効支配に乗り出し、パレスチナは１０年に及ぶ分断が続いてきました。
しかしイスラエルなどによる長年の経済封鎖で苦しい生活を強いられた住民の不満はこれまでになく高まり、ハマスは強硬路線の転換を余儀なくされた形です。

ハマスは来月１日までに行政権限も返還する予定で、実効支配に終止符が打たれる見通しです。