北海道稚内市は、市街地や周辺でエゾシカの出没が増え、家庭菜園などに被害も出ていることから、吹き矢を使った捕獲に乗り出しました。

稚内市の市街地や周辺ではここ数年、エゾシカが増え始め、最近は一部の地区で住宅の家庭菜園が荒らされるなどの被害も出ています。
このため稚内市は先月３１日から３日間の計画で集中的に捕獲作戦に乗り出しました。

シカを駆除する際は通常、猟銃が使用されますが、人が多い市街地では使えないため、今回は吹き矢が使われました。
シカの出没が相次いでいる市内の公園では市から委託されたＮＰＯの職員が３人一組になって徐々にシカを囲い込みました。
およそ５メートルの距離まで近づくと、筒を吹いて麻酔薬を入れた注射器を打ち込みました。
シカは３０分ほどたつと麻酔が効いて動けなくなり、捕獲されました。

稚内市農政課の近江幸秀課長は「スムーズに捕まえることができた。吹き矢は市街地でエゾシカを捕獲する一つの有効な手段になると感じた」と話していました。

稚内市は、吹き矢による捕獲の効果を検証し、来年度以降も続けるかどうか検討することにしています。