鷲塚針原駅で出発を待つさくら色のフクラム。相互乗り入れ便が全て次世代型低床車両に切り替わり、利用者から好評を得ている=10月31日、福井市

 福井県のえちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れ区間に、福鉄の次世代型低床車両「フクラム」のさくら色が仲間入りした。これで直通便の上下22本全てがバリアフリー化された低床車両に切り替わり、どの時間帯もホームとの段差を気にせず、快適に乗り降りできるようになった。お年寄りらから「さらに便利になった」と好評を得ている。

 直通便区間(福井市の鷲塚針原―越前市の越前武生)では当初、▽えち鉄の次世代型低床車両で黄色い車体が特徴の「キーボ」(2両1編成、定員100人)▽福鉄の次世代型低床車両フクラム(3両1編成、定員155人)▽福鉄の通常タイプ「770形」(2両1編成、定員90人)―で運行されていた。このうちフクラムは、さくら色を除くオレンジ色と青色、緑色が走っていた。

 だが770形は乗降口に階段があるため、お年寄りや体の不自由な人、車いす利用者からは改善を求める声があったほか、定員が少なくラッシュ時には使いづらい面があった。このため、福鉄はさくら色のフクラムの機器をえち鉄の区間も走ることができる直通便用に切り替えた。9月中旬からはキーボとフクラムの計5色のバリアフリー化された低床車両で運行されている。

 病院帰りに、さくら色のフクラムに乗車した鷲塚針原駅近くの井端俊行さん(81)は「ホームとの段差がほとんどなくてとても便利。安心して乗り降りできました」と笑顔で語った。

 福鉄の村田治夫社長は「さくら色のフクラムを直通便に導入したことで、通勤通学客の多いラッシュ時もフクラムで常時対応できるようになった。これで直通便の全車両がバリアフリー化されたので、さらに多くのお客さまに快適にご利用いただければ」と話している。

CASA
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