坂本龍一、戦メリのメロディーは「目覚めると譜面に書いてあった」
2017年11月1日19時3分 スポーツ報知
音楽家の坂本龍一(65)が1日、都内で開催中の東京国際映画祭でトークショーを行った。
自らを追ったドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto:CODA」(4日公開)の同映画祭での上映に併せて行われたトーク。映画「戦場のメリークリスマス」(1983年、大島渚監督)で自ら担当し、代表作として知られる音楽について「2週間試行錯誤していたら、ある時、意識が吹っ飛んだ。で、目覚めると、あのメロディーが譜面に書いてあった。だから自分でつくった気がしないんです」と天才にのみ許される誕生秘話を紹介。「でも、自分の職業を否定するようですけど、優れた映画に音楽は必要ないです」と持論を語り、映画監督に挑む野心を問われると「ビジュアルの才能はないんです。才能のない人はつくっちゃいけない」と明言しつつ「一時期、ミュージシャンが映画をつくっていた時期がありますけど、自分はやらないですよ。誰とは言わないけど、利益にはならない。資源のムダ…人の悪口を言っちゃいけないな…」と笑顔をほころばせた。
続いて行われた舞台あいさつでは、優れた映画関係者をたたえるSAMURAI賞を受賞。刀のモチーフにしたトロフィーで自らを切り付けるジェスチャーを見せ、意外とお茶目な一面をのぞかせた後で「そういえば(俳優としても出演した)『戦メリ』でも居合のシーンがあって練習しましたね。今は環境保全活動をしているのに、当時はそんな意識なんてなくて(ロケ地で)木をバッサバサ切ってましたね」と若かりし頃を回想していた。