「3Dプリンター」がWTOを機能不全にする

「サービス貿易」の捕捉で、銃の氾濫は止められるか

2017年11月2日(木)

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米テキサス州のソリッド・コンセプツ社が、3Dプリンターで製造した金属製の銃(市販品の拳銃のコピー)。実弾を発射できる。(写真:Solid Concepts/Shutterstock/アフロ)

3Dプリンティングで世界貿易40%減?

INGが発信したレポート。3Dプリンティング技術の進化と普及により、世界の貿易が激減することを予想している。

 「3Dプリンティングの成長により、2040年までに世界の貿易の40%がなくなる可能性がある」── オランダに本社を置く世界的総合金融機関INGが今年9月に発信した衝撃的なレポートが話題となっている。

 INGの国際貿易分析責任者のラオル・リーリング氏の分析によると、3Dプリンティング技術への投資が現状のペースで伸びれば、2060年までに世界の製造業が生み出すものの50%が3Dプリンターで作ることができるようになる。この場合、2060年までに世界の貿易の25%が消滅するとされる。現状より投資が拡大し5年ごとに2倍のペースになった場合は、2040年までに40%の貿易がなくなる試算だ。

 これまで3Dプリンティングの主な用途は、航空関連や自動車分野における複雑な形状の特殊部材やファッション素材が有望とされており、材料はチタンやコバルトなどの金属やABSなどの樹脂がメインとなって開発が進んできた。近年は、これら無機素材でのプリンティングのみならず、有機化合物の活用も進んでおり、医療分野など新たな分野での実用化も進みつつある。

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「「3Dプリンター」がWTOを機能不全にする」の著者

羽生田 慶介

羽生田 慶介(はにゅうだ・けいすけ)

デロイト トーマツ パートナー

経済産業省、キヤノン、A.T.カーニーを経て、デロイト トーマツ コンサルティングへ。現在は、パートナー/執行役員 レギュラトリストラテジー リーダー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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