生まれつきの茶色い髪の毛の黒染めを強要した学校が話題になっている。生まれつき金髪、天然パーマな私も厳しい校則で大変な思いをしたことがある。黒染めを強要されたわけではないけど、外国人な私が体験した少し変わった話だ。

私は日本生まれ、日本育ち。両親はアメリカ人なのでアメリカ国籍を持つ。小学2年生から公立の学校に通った。
小・中・高と、外国人は私1人だけで、当然ながらとても目立つ存在だった。
自分だけ見た目が違う
小学校は友達とゲームをして遊んだり、楽しい毎日だった。
でも、どこかに出かければ「あっ!外人!」と指をさされ、ジロジロ見られることがとても嫌だった。
人がたくさんいる場所で家族が英語で話していると、周りがすごく見てくるので「なんで英語話すの!恥ずかしい!」と怒ることもあった。
私もみんなと同じような外見だったらどこに行ってもジロジロ見られないし、「外人」と言われなくなる。なんで私だけこんなに見た目が違うのだろうと、考えることが多かった。

小学2年生の時に「私」を書いた絵。地毛は金髪だったけど、ここでは黒く塗った。
髪をストレートにすれば目立たなくなるかも
私は中学校に行くことが本当に怖かった。「いじめ」があることを知り、一番目立つ自分が標的になるのではないかと心配でたまらなかった。
そんな私に母と祖母はある提案をした。「髪、ストレートにしてみたら?」
私の地毛は強めの天然パーマで金髪。せめて髪の毛をまっすぐにすればより周りに溶けこめるのではないか。私は母と美容院に行き、くるくるの髪の毛をまっすぐにした。
これが大きな間違いで、私の母は今もまだ後悔しているという。
中学校に入学し、最初の数ヶ月は問題なく過ごした。突然来た外国人にびっくりしたのか、よく教室まで先輩が私を見に来た。
私は極力目立たないように過ごした。先輩には必ず敬語で話し、とにかく反感を買わないように気をつけた。
でも、縮毛矯正が取れ、根元や顔の周りに地毛のパーマが出てくる。月に1回は縮毛矯正をしないとダメで、金銭的にも髪へのダメージを考えても良くなかった。私はいやいや髪の毛を元の天然パーマに戻した。すると、私の学校生活は豹変した。
地毛と言っても信じてくれない
学校には「髪を染めたり、パーマをかけたりしてはいけない」という校則があった。いわゆる「黒髪ストレート」だ。なので、元に戻したら「校則違反」になった。
「なんでパーマかけてんだよ」「キモい」「外人のくせに調子乗るな」廊下を歩く時、全校集会の時、休み時間の時、毎日言われ続けるようになった。
先生は私を呼び出し、「その頭どうしたの。戻しなさい」と怒る。「これは地毛」と言っても、信じてくれない。
地毛が天然パーマであることは、小学校の友達も含め、誰も信じてくれなかった。母が学校側に言っても何も変わらなかった。
みんな私を避けるようになった。恐れていたことが起き、いじめを受けるようになった。いじめに耐えられなくなり、私は不登校になった。
学校側は困り、別室を用意され、そこで1人で1日を過ごすようになった。他の生徒たちが部屋の前を通るたびに見つかるのではないかと怯えていたのを覚えている。
この状況に呆れた親は私を転校させた。転校先は完璧ではなかったけど、怯えて過ごすことはなくなった。
今思い返しても、全ては私の髪の毛から始まった。「黒髪ストレート」の決まりがなければ…
成績1位の「不良」
進学先の高校では、同じように厳しい校則があった。私を中学校でいじめた人も進学してくる。でも、今回はやり方を変えようと決めた。「もう二度といじめられない」そう決心した。
真正面から校則を破ることにした。誰にも遠慮せず、何か言われたら言い返す。
「不良」という認識が広まったけど、田舎を出て東京に進学したかったので、勉強はした。中学の遅れを取り戻そうとした。
試験ではクラス1位を取り、頭髪検査ではピアスと髪の毛を怒られる。これがくだらない校則で辛い思いをした私なりの反抗だった。
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生まれつき茶色い髪の毛を黒く染めろ。そう教師から強要された女子高校生が裁判を起こしました。この件に限らず、教育の場には、生徒の個性や多様性、自主性を奪うルールが存在しています。
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