大学は文系ですが、高校三年間+予備校一年目は理系の勉強をしていました。
- 医学薬学・理工農・物化生・宇宙・獣医などを題材にしているもの
- 複数の理系の友人・薬剤師の彼女を見てきた上でおすすめしたいと思うもの
- 学べる要素を含むもの
これらの条件+実際に読んだ上で、おすすめ作品を紹介します。画像はサンプルから引用しています。
目次
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- ハルロック/西餅
- 決してマネしないでください。/蛇蔵
- 薬屋りかちゃん/新井葉月
- はたらく細胞/清水茜
- コウノドリ/鈴ノ木ユウ
- ブラックジャック/手塚治虫
- 数学女子/安田まさえ
- 風の谷のナウシカ/宮崎駿
- 銀の匙 Silver Spoon/荒川弘
- もやしもん/石川雅之
- 動物のお医者さん/佐々木倫子
- プラネテス/幸村誠
- 宇宙兄弟/小山宙哉
- カンニンGOOD/毛内浩靖
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ハルロック/西餅
時代はアプリ? いやいや、電子工作でしょ! 女子大生の向阪晴(さきさかはる)が得意の電子工作を駆使してあれやこれやを一気に解決!? 前代未聞の「電子工作コミック」!
主人公・晴は、高校の先生に薦められたことがキッカケで電子工作に没頭していきます。人の役に立ち、起業していく過程が描かれています。
僕は物理全般が大の苦手ですが、それでも、読者を置いてけぼりにしないキャラの濃さや話の面白さが魅力です。「Arduino(アルドゥイーノ)」という言葉をこの漫画で覚えました。ITを駆使することが今後いかに大切になっていくのか、、、それを身をもって実感できることから、とりあえず読んでみてほしいと思える作品です。
既刊4巻・完結
講談社/モーニング
決してマネしないでください。/蛇蔵
理系大学を舞台に、今日も最高の頭脳を使った、最高におバカな実験が繰り広げられる。例えば、「スタントマンが燃えても平気な理由を検証する」「切れた蛍光灯をともす」「フライドチキンで骨格標本を作る」「2月が28日しかない理由を調べる」などなど。
『日本人の知らない日本語』を描いた蛇蔵さんによる「大人が読める学習マンガ」です。絵に癖がなく親しやすいので、普段全く漫画を読まない彼女も読んでいました。
「容器の中身を混ぜる時にどのように振るのか(転倒混和)で、文理の違いが出る」という内容があるのですが、見事に僕と彼女で異なったのは良い思い出です。理系の人は横に必ず横に振ります笑。
東大、東工大、大阪大などの研究室に取材をした作者の熱意の結晶と呼べる作品。
既刊3巻・完結
講談社/モーニング
薬屋りかちゃん/新井葉月
塩乃樹りか、小児科門前処方箋薬局勤務の薬剤師。…でもコドモが嫌い——。そんな不安だらけの彼女が織り成す、心温まるシリーズ連載が『コミックハイ!』より待望の単行本化! 漫画家であり、現役薬剤師でもある著者だからこそ描けた一作です!
薬剤師は現場によって仕事が全く異なります。例えば、薬局や病院、研究や営業……。その中でも代表的な、薬局薬剤師を描いています。
患者さんと少ない会話の中で薬の内容をどのように伝えるべきなのか……。多くの薬剤師が悩みや共感できる点を丁寧に描いている点が魅力です。
薬事法は年々改正されるので、少し内容が古い点はあります。それでも、薬剤師に関心を持つお子さん、子どもには薬剤師になってもらいたい!と願う親御さんにはおすすめ出来ます。
はたらく細胞/清水茜
肺炎球菌! スギ花粉症! インフルエンザ! すり傷! 次々とこの世界(体)を襲う脅威。その時、体の中ではどんな攻防が繰り広げられているのか!? 白血球、赤血球、血小板、B細胞、T細胞…etc.彼らは働く、24時間365日休みなく!
体内の細胞やウィルスを擬人化した、斬新な視点が特徴の作品です。主人公は、赤血球の女の子。少しドジで可愛らしく描かれていて、クールでイケメンな白血球(画像↓↓)の男の子に好意を寄せています。
キャラや絵はあまり好きじゃないんですが(失礼)、それでも体内で「はたらく細胞」に意思があるならば、こんな風に戦ってくれるのかな? と学ぶ面白さが勝ります。
理科が苦手なお子さんが興味を持つキッカケになるイメージが持てる作品です。
コウノドリ/鈴ノ木ユウ
毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
産科医やその看護師を描いた漫画が他にもありますが、僕はこの作品を推します。医師だけでなく、看護師の視点でも勉強になると思います。
「命」の現場だからこそ、医療を題材にした作品は人間の本質が描かれます。だからこそ面白い。それは作品が尽きないことが証明しています。また、出産に至る過程で同じ人はいません。これは、パートナーと生きていく上でも大切なことです。
現役の産科医もおすすめする作品です。
既刊19巻・連載中・ドラマ放映中
講談社/モーニング
ブラックジャック/手塚治虫
全身が傷だらけで黒マント姿の天才的外科医ブラック・ジャック。彼は患者に法外な料金を提示し、華麗なメスさばきで次々と不可能を可能にしていく……。 相棒・ピノコが誕生した「畸形嚢腫」、手塚治虫漫画全集未収録の「ふたりの修二」を含む18編を雑誌掲載順に収録した『ブラック・ジャック』の決定版!
医療漫画、学習漫画の原点だと思います。あらゆる医者から見放された患者たちが、最後の望みを抱いて訪れるのが特徴。その患者に対して、法外な料金を提示するが……というのが話の大筋です。
お金と命、どちらが大切か。健康がいかにありがたいものなのか。この問いは現代でも行われていると思います。また、わかっていてもお金が必要な時もありますよね。
原点でもあり、古典や教科書のような側面もあるーー現在も読まれ続ける作品の理由がきっとわかるはず。そんな作品です。
秋田書店/週刊少年チャンピオンで連載していましたが、現在は多くの出版社から単行本が出ています
数学女子/安田まさえ
ここはK大学・理学部数学科。大学純数学についていけず、落ちこぼれ気味の主人公・内山まな。でも数学への愛と、学科に4人だけの女子の友情に支えられ、今日もめげずに数学道をまい進中!!!新鋭・安田まさえが贈る、数学科女子4人組の天然キャンパスライフ!
4コマで読みやすく「ふふっ」と笑える内容ですが、とにかくネタにリアリティを感じます。作者は数学科出身ですが、決してそれだけではありません。
数学科には女子が4人しかいないこと。ω(ガンマ)やπ(パイ)やK(ケルビン)を会話に使うこと。高校とはレベルの違う授業に四苦八苦すること。文系と異なり、教授のツテや推薦が就職に大きな影響を及ぼすという点もそうです。Amazonのレビューには「自分は~大学の数学科ですが」などの熱が入ったものが多いのも頷けます。
ただ、登場人物の体のラインが巻数を重ねる毎にエロくなっていくところが、個人的には残念でした(編集の指示だとは思いますが)。数学のネタが面白いだけに。。。
既刊5巻・完結
風の谷のナウシカ/宮崎駿
「火の7日間」とよばれる戦争によって、巨大文明が崩壊してから千年。荒れた大地に腐海という死の森が広がっていた。主人公・ナウシカのいる風の谷が、恐ろしい巨神兵を使い腐海を焼き払おうとするクシャナたちに侵略された。腐海の森と共に生きようとするナウシカと、腐海を焼き払おうとする人々。だが、その腐海には、秘密があって……。
「ナウシカは映画じゃなくて、漫画だから!」 一時期、口癖のように周囲に訴えていました。最大の理由は、映画の内容が3巻までに収まっているから。その後の展開を描いているのが漫画版なんです。
宮崎駿さんの価値観などはもちろん、生物多様性やアニミズムの観点から学べるのでこの記事に入れました。
映画しか見たことがない! という人はぜひ読んでみてほしいと思います。
【ジブリ美術館の映画】元三鷹市民が全作品の感想を紹介します!
銀の匙 Silver Spoon/荒川弘
大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に入学した八軒勇吾。授業が始まるなり子牛を追いかけて迷子、実習ではニワトリが肛門から生まれると知って驚愕…などなど、都会育ちには想定外の事態が多すぎて戸惑いの青春真っ最中。仲間や家畜たちに支えられたりコケにされたりしながらも日々奮闘する、酪農青春グラフィティ!!
農業高校の青春を描いています。都会育ちの主人公がなぜ農業高校を選んだのか、また、どのように酪農に打ち込んでいくのか――日々の挑戦や仲間との絆、そして恋愛も描かれています。
個人的に好きな点は、主人公と父親の反りが合わないこと。どちらの視点も描いているので、親からの「自立」という側面でも学べる作品です。
前作の「鋼の錬金術師」も組成式がありますし、コミックエッセイの「百姓貴族」は荒川弘先生自身が北海道で育った経験を描いています。牛乳を沢山飲んでもおっぱいは大きくならない(荒川調べ)といったネタはエッセイならでは。こちらもおすすめです。
もやしもん/石川雅之
菌が見える特殊能力を持つ、もやし(種麹)屋の次男坊、沢木惣右衛門直保。彼は東京の某農大に入学する。農大を舞台に、沢木と研究室その他の仲間達、そして菌が活躍したりしなかったりのキャンパスライフ。大学生活のモラトリアム感と、菌が満載の「もやしもん」。あなたもぜひ、かもされてみてください。カバーや本体表紙もきっちり収録!
「銀の匙」は農業高校ですが、こちらは農業大学が舞台です。肉眼で「菌」が見えたら世界が変わるだろうな。。。そんな思いを漫画化した作品で、主人公は菌が見えます。
デフォルメされた菌のイラストは可愛いだけでなく、菌たちが発する「かもす=発酵、腐敗させるの意」という言葉が印象深い作品です。農業大学の特異な環境もしっかり描いています。
また、コマの余白にも有用な書き込みが多く、じっくり読みたい作品でもあります。普段は見えない世界を知ることで、学びながら楽しめる作品です。
既刊13巻・完結
講談社/イブニング→月刊モーニングtwo
動物のお医者さん/佐々木倫子
今日も獣医学部のユニークな仲間とかわいい動物たちは大騒ぎ。思わずニヤリのおもしろさで、国民的人気大爆発のドクトル・コメディ!
この作品の影響で獣医を志す人が増えたと言われている漫画です。獣医師を目指す学生の日常を1話完結で描いています。
僕が考える最大の魅力は、動物に人間の言葉を嵌めても違和感がない点です(しかも明朝体)。猫のミケはなぜか関西弁ですし、チョビは電話に出て「ワン(いるよ)」と吠える描写もほっこり。佐々木倫子先生のセンスを感じます。また、巻末には、「動物のお医者さんができるまで」という、著者の苦悩や読者からの手紙が公開されています。読者と一緒に作られた作品という点も魅力です。
ただ、現実で獣医になるためには金銭面がネックになります(獣医学部に進んでも獣医になる選択をしなかった知人が周囲にいます)。なので、慎重に。
プラネテス/幸村誠
SFニュースタンダード登場!! 400万年を経て人は地上より飛び立った
この宙(そら)は人の強さを試す
宇宙に浮遊しているゴミ(スペースデブリ)の除去を題材として取り上げています。
幸村誠先生は、プラスとマイナスの視点を描くのがとても上手いと思います。今作では、宇宙開発の影響を良い点と悪い点を一般人の視点から客観的に描いています。読者を巻き込んで考えさせるのが本当に上手い漫画家さんです。
また、ゴミを回収しなければ宇宙社会が成り立たなくなるという点が描かれているのですが、これは何も宇宙に限ったことではありません。漫画の舞台は宇宙ですが、そのまま現代社会にも共通することが非常に多いのもポイントです。
そういった視点でも学べる作品です。
既刊4巻・完結
講談社/モーニング
宇宙兄弟/小山宙哉
2025年。兄は、もう一度だけ自分を信じた。筑波経由火星行きの物語がはじまる! 本格兄弟宇宙漫画発進! 幼少時代、星空を眺めながら約束を交わした兄・六太と弟・日々人。2025年、弟は約束どおり宇宙飛行士となり、月面の第1次長期滞在クルーの一員となっていた。一方、会社をクビになり、無職の兄・六太。弟からの1通のメールで、兄は再び宇宙を目指しはじめる!
宇宙を目指す兄弟の絆と成長の物語ではあるのですが、決してそれだけではありません。
NASAやJAXAの技術や知識、リストラなどの組織マネジメント、上司と部下のいざこざ関係、家族や兄弟の絆、国籍を越えた友情ーーあらゆる要素が兄弟の成長へとつながることを多角的に学べます。それらがとにかく現実的で、読者自身も共感・成長して行けるイメージを与えてくれる作品です。
夢を持つこと、夢を追うことって本当に素晴らしい……自分の子供に見せたいと思う友人も少なくないです。
既刊31巻・連載中
講談社/モーニング
カンニンGOOD/毛内浩靖
あっと驚くカンニングを鮮やかな手口でこなし、満点街道まっしぐらの主人公、満天完人(通称・カンニン)。彼のゆくてに立ちはだかるさまざまな強敵を祖父、満天幕金太郎(通称・マックじい)の発明したカンニン(グ)グッズで次つぎとたおしていく痛快おもしろカンニングまんが。文部省公認、PTAご推薦、小学生ご用達(?)の一冊。
落とせない授業が多いのが理系の宿命ですよね。特に、大学での勉強や試験は本当に大変でしょう。。。そんな時に思うはずです。……その気持ちをこの漫画を読むことで、カンニングを避けてほしい(絶版ですけど)
という思いから紹介してます。決して推奨しているわけではないので間違いなく(カンニングがバレても僕は一切の責任を負いませんよ、念のため)。
ウチの大学では除籍か何年間の停学だったような記憶があります。くれぐれも不正に手を染めることなかれ。
「学び」について、自分なりに考えてきました⤵⤵