明らかになった遺体が発見されるまでの経緯

兄がネットで追跡しアパートを突き止めた

日没後も騒然とする9人の遺体が発見されたアパート(手前から2棟目)周辺(31日午後、神奈川県座間市で)=吉岡毅撮影

神奈川県座間市で男女9人の遺体が見つかった事件で、アパートの一室に隠された遺体が発見されるまでの経緯が、捜査関係者への取材で明らかになった。

行方不明になった東京都八王子市の女性(23)の兄がインターネットの履歴を調べた上で、警視庁に通報し、白石隆浩容疑者(27)(死体遺棄容疑で逮捕)の部屋を突き止めていた。

捜査関係者によると、女性は10月21日午後6時半頃、勤務先の知人と会ったのを最後に行方が分からなくなった。

兄が3日後の同24日、同庁高尾署に捜索願を提出。警視庁が捜査を進めると、妹が男(後に白石容疑者と判明)と一緒に歩いている姿が防犯カメラに映っていたが、同庁は、この男を特定することはできなかった。

一方、妹のツイッターには行方不明になる前、「一緒に自殺をしてくれる人を捜している」との書き込みがあった。兄は、ネット上で知り合った人物と一緒にいるとみて、妹のアカウントで、ツイッターなどにログイン。交流していた相手を調べたところ、あるハンドルネーム(通名)が浮上した。

兄が、ツイッターで妹がいなくなったことを打ち明け、情報提供を呼びかけると、女性利用者から「そのハンドルネームの人を知っています」との返信があった。

兄は、この女性利用者に、このハンドルネームの人物を誘い出すように依頼するとともに同庁に通報。女性利用者は依頼に応じ、10月30日午後、神奈川県内の駅に呼び出した。

捜査員が駅に張り込んでいると、現れたのが白石容疑者だったという。捜査員は、そのまま2人を尾行。アパート2階の白石容疑者宅に入った直後にドアをノックした。

ドアが開くと、行方不明になった妹が持っていた白いバッグが見えた。捜査員が妹の行方を尋ねると、白石容疑者は「クーラーボックスの中」と指さしながら答えたという。

そのクーラーボックスからは、砂をかぶせられた2人の頭部が見つかり、その後、室内の6個の箱からも7人の頭部が見つかった。

行方不明の妹は、八王子市のグループホームで生活していた。運営する医療法人によると、同ホームは4階建て民間マンションの5部屋を使い、今年7月に開設。利用者は精神保健福祉士の資格を持つ職員らの支援を受けながら、自立した生活を目指す。

医療法人の担当者は31日夜、報道陣の取材に「事件について詳細は不明だが、極めて遺憾と考えている」と硬い表情で話した。

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