Corneliusの徹底的に完成度高めたショーに満員のオーディエンス驚嘆

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小山田圭吾(撮影:棚橋亮)

小山田圭吾(撮影:棚橋亮)

Corneliusのライブツアー「Mellow Waves Tour 2017」の東京公演が10月25、26日に東京・新木場STUDIO COASTで開催された。

2006年から2008年にかけて行われた「SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW」以来の国内ツアーである今回は、10月9日の新潟・新潟LOTSから11月4日の福岡・DRUM LOGOSまで10会場で12公演を実施。東京公演では会場の外にテクニクスのオーディオシステムを設置した移動式の試聴ルーム・Technics Sound Trailerが置かれ、テクニクスのターンテーブル「SL-1200GR」の予約購入者にプレゼントするためCorneliusが制作した、非売品のオーディオチェック用アナログ盤「Audio Check」の試聴会も開催された。

このツアーでは小山田圭吾 (Vo, G)のほか、堀江博久(Key, G / NEIL AND IRAIZA)、あらきゆうこ(Dr / MI-GUsmorgas)、大野由美子(B, Key / Buffalo Daughter)がサポートメンバーとして参加し、6月に発売された10年半ぶりのオリジナルアルバム「Mellow Waves」からの新曲や、2000年代以降に発表した楽曲を中心としたセットリストでライブを展開。背面に設置された大きなスクリーンに映る映像と、さまざまな表情を見せるステージ上に置かれたLEDライトによる視覚的演出にシンクロするように、ストイックに研ぎ澄ませたバンド演奏を繰り広げた。

4人のアンサンブルは、夏に行われたライブや本ツアーのこれまでの公演を経て、ますます精錬されたものに。一方で彼らは緊張感のあるクールなステージングのみならず、「COUNT FIVE OR SIX」や「GUM」などではガレージパンクのような豪快なギターサウンドでフロアに熱気をもたらす。アルバム「Mellow Waves」ではLushのミキ・ベレーニが歌っていた「The Spell of a Vanishing Loveliness」は大野とあらきがボーカルを担当。「Surfing on Mind Wave pt.2」ではトリップ感のある重厚なサウンドを奏で、フロアに押し寄せる音の波でオーディエンスを恍惚とさせた。また終盤は、巨大なミラーボールが照らし出すカラフルな光に包まれながら「STAR FRUITS SURF RIDER」が演奏され、会場は幻想的な雰囲気になった。

アンコールでは小山田がアコースティックギターに持ち替え、それまでの楽曲とは雰囲気の異なるドリーミーなポップソング「CHAPTER 8 ~Seashore And Horizon~」を歌唱。意外な選曲に会場から驚きの声が上がった。そして最後に映像演出なしで、激しくライトが明滅する中「E」を披露。圧倒的なショーを完遂した4人に向けて、会場中から惜しみない拍手と歓声が沸き上がった。

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