「プレゼンがうまくいかない」「資料作りが苦手…」
少しでも、そんな風に思ったことはありませんか。
私の周りで、プレゼンが特に上手だと思う数人をピックアップしてみると
- ついつい引き込まれる、話し方がうまいタイプの人
- 資料が見やすく、伝わりやすいタイプの人
- どちらも備えた完璧超人タイプ
のような人に分かれる印象です。
もちろん理想は完璧超人なんですが、人には得手不得手があります。
実際「プレゼンに苦手意識を持っている」という社内メンバーに「それはなぜ?」ということを深掘って聞いてみると、以下のような声が聞かれました。
- 人前で話すのが苦手
- 資料がキレイに作れない・ゴチャゴチャしてしまう
- 資料作りに時間がかかってしまう
というように、(2)の資料作りへのハードルが高いことがわかってきました。
プレゼンの鍵を握るのは「わかりやすく、美しい図解」

ビジネスシーンでのプレゼンでは、複雑な情報・相手の知らない情報を説明する場面も少なくありません。
そんな時に「ゴチャゴチャした図解」では損をしてしまいます。
ほんの少しの見え方の違いでも、数十ページにおよぶスライドや説明資料では、見え方が大きく変わってきます。
図解を作るのが苦手な人ほど、プレゼンの現場では言葉での説明で補おうとする傾向があるように思います。
焦って何度も説明を重ねてしまい、上司から「それはもういいから、先へ進めて!」なんて言われることを想像すると、胃がキリキリしますね…
しかし分かりやすく美しい図解があれば、多少説明下手な部分があったとしても帳消しにできたりします。
デザイナーが教える!プレゼンに利く「美しく分かりやすい図解」の鉄則

そこで今回、デザイン部門の責任者をやっており、自他共に認めるプレゼン上手の知人に「プレゼン資料で美しい図解を作るコツは何か」の鉄則を聞いてきました。
全部で13項目+αとなります。ではいきましょう。
1.読む人の視線の動きを意識しよう
資料を読む人は、基本「左上から右下」へと視線を移動する傾向があります。(縦書きの場合は右上から左下)
これらの傾向を理解することで、内容のつながりが自然と伝わる図解に近づきます。
ポイントは
- アピールしたい部分の前提(起点)部分を左上に配置
- 結論を右下に配置
この2つです。
これを無視して図解を作ってしまうと、図の中での出発点と結論部分が分からなくなってしまいます。
2.図形はできるだけシンプルな形にしよう

パワーポイント等ではさまざまな図形が使えますが、ついつい変わった図形を使ってしまうことはありませんか。
図解の目的は、複雑な事象を分かりやすくシンプルにすることと言っても良いです。
図解で複雑な形を使ってしまうと、そこに不要な要素が出てしまいます。
正円・正三角形・正方形などなるべくシンプルな形を意識して使いましょう。
3.色数は多くしすぎない/3色までがベター

特定のルールに基づかずに、思いつくままに色を置いていった図解は「ガチャガチャする」「目に痛い」印象を与えてしまいかねません。
配色は
- 基本となるベースカラー
- 注目箇所をしめすアクセントカラー
- 一番目を引かせるためのポイントカラー
の3色にとどめましょう。
配色全体のバランスによるので、図が掲載されるところの配色にしたがって決定していきましょう。
上記のカラーを決定する時、なんとなくで決定するより「カラーパレット」に従って選ぶ方がずっと効果的です。
また図解が載るところが決まっていれば(会社でパワーポイントのフォーマットが決まっているなど)そこで使われている色を使うのが良いでしょう。
筆者オススメのカラーパレットサイト
参考までに私が好んで利用している、カラーパレットサイトを紹介しておきましょう。
どれも甲乙つけ難い便利なサービスです。
COLOURLovers

http://www.colourlovers.com/palettes
COOLERS
https://coolors.co/
HUE/360

http://hue360.herokuapp.com/
4.なるべく文章は短くしよう

プレゼン資料の鉄則のひとつは「長い文章を短く言い換えること」です。
図解でもそれは変わりません。
文字要素を長くすればするほど、理解に時間がかかります。
色々と補足したくなる気持ちは分かりますが、ぐっとこらえて「なるべくシンプルで、可能な限り要素を減らした」文章にすることが大切です。
「同じ主語/修飾語の場合は、見出しで説明しておいて何回も使わない」と覚えておきましょう。
5.線を多用しすぎないようにしよう

情報を区切るのにとても簡単な方法は「線で区切ること」です。
しかし文字と同様に、線も種類が多いほどゴチャゴチャして見にくい図解になってしまいます。
- 適切にスペースをとる
- 線を多用しない配置にする
- 線を使わずに地の色を変える
など工夫して、なるべく線を厳選する作業をしましょう。
6.何重にも囲まないようにしよう

「線を引く」のともうひとつ、情報を区切る・まとめる有効な方法は「囲み」の使用です。
資料を作っていると、複数の要素が重なることがあります。
上記の事例だと
の2つの要素ですね。
しかし複数の囲みを併用すると、とても見づらい図解になってしまいます。
「囲むのは1重まで」のルールに従うことをオススメします。
7.矢印は目立ちすぎないように使おう

矢印は図解内で視線の流れを誘導し、理解を助ける大切な要素です。
ただし、矢印はあくまで「それぞれの関係性をつなげる」役割です。
他の要素よりも矢印が目立ってしまうと、本当に見て欲しい部分に注目が集まりません。
矢印は小さめ・細めにして、主要なテーマの邪魔をしないようにしましょう。
8.「ヌキ」をうまく活用しよう

「ヌキ」とは地に色を置き、文字を白く抜くことです。
地に対してただ文字や図形を置くことを繰り返すと、
の2つでしか要素を区別できなくなります。
結果、デザインがのっぺりとしてしまいます。
通常の置き方に加え
を組み合わせることで、グループ分けをキレイに見せることができるでしょう。
9.文字サイズ2種、書体2種以内に収めよう

ここまでお伝えしてきたように、いかにシンプルに情報を整理・区別するかということが図解作りのポイントです。
その上で配色や線と同様、多すぎる要素は図解を煩雑にしてしまいます。
に収めましょう。
例えば、上がフォーマルな書体(服でいえばスーツ)なのに、下が遊び書体(服でいえばビーチサンダル)であれば違和感を感じますよね。
同じような形態の書体でも、テイストは微妙に異なります。
1つの図解の中で「統一された雰囲気を作る」ことが、分かりやすく美しい図の秘訣といってよいでしょう。
10.吹き出しを使いすぎない・ツノは適度な大きさにとどめよう

ここぞという部分でアクセントに使える「吹き出し」ですが、多用は禁物です。
ひとつの図解に吹き出しを5~6つも使うことは避けましょう。
おすすめの吹き出し素材サイト「フキダシデザイン」

またツノ(吹き出しから飛び出している部分)が大きすぎると、不安定ですし、吹き出しらしく見えません。
11.立体的よりも平面を意識しよう

図解作成の時、ついついやってしまうのが「立体処理」です。
書体を立体的にしたり、アイコンに影をつけるなど。
立体的にすると、これまた要素が増えてしまい伝えたいことへの誘導がボヤけます。
平面的でシンプルなアイコンにすることを心がけましょう。
12.項目は識別しやすい配色にしよう

上記のように、グラフを作成する際には「項目同士を区別しやすくする」ことが大切です。
「左の図は色要素も少ないんだからいいんじゃないの?」と思いませんでしたか?
もちろん多色にすると見分けやすくはなる一方で要素も増え、ゴチャゴチャしがちです。
しかし、項目同士の色があまりに似ていると隣り合っている項目が識別しづらくなり、分かりにくい図になってしまいます。
冒頭でお伝えしたような「HUE/360」などを参考に、同系統色・かつ差別化できる色を使いましょう。
13.項目を指す線の「角度」に注意しよう

上記のような円グラフや棒グラフでは、各項目を文言で表すことが多くなります。
しかし、項目が多かったり数値が小さいとグラフ内に収まらず「線でグラフ外の文言と結びつける」必要があります。
その際の落とし穴が「線をあちこち違う方向に引いてしまう」こと。
文言と項目を結ぶ線は
の3つに絞るのが鉄則。なおかつ線同士が交わらないようにしましょう。
さて、ここからはおまけです。
あなたの図解・資料作成がスムーズになるように
- 図解の勘を磨ける参考サイト
- 図解作りに非常に役立つ!素材サイト
をご紹介しましょう。
図解の勘を磨くオススメサイト:ZUNNY
図解作りの勘を磨くには、自分で作ってみる経験を積むことはもちろん「良い図解の事例」に触れることも大切です。
上記の「ZUNNY」は、コンテンツの全てが画像で作られている特長的なサイトです。
今回お伝えしたような図解の鉄則を踏まえ、分かりやすく興味を引く図解が多くあります。
ぜひお時間がある時に見てみてください。
クオリティの高いアイコン・素材が集まるサイト
アイコンは図解で頻繁に使用する要素です。
自作してもいいですが、質の高いアイコンの作成はとても時間がかかります。
普段から質の高いアイコン素材をストックしておけば、図解をワンランク上のクオリティに仕上げることもできますよ。
以下の素材サイトをぜひチェックしてみてください。
ICOOON MONO

http://icooon-mono.com/
吹き出し素材専門サイト「フキダシデザイン」

http://fukidesign.com/
シルエットデザイン

http://kage-design.com/
FLAT ICON DESIGN

http://flat-icon-design.com/
human pictogram 2.0

http://pictogram2.com/
FLAT ICON

http://www.flaticon.com/
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