僕は月に30~40本、漫才のステージに立っています。
講演会は月に7~8本。
さらには交流会なんてのも開催したり。

比較的長い時間、お客さんと同じ空間を共にしている方だと思います。
すると見えてきたのが、ここ数年でお客さんの中での「面白い」が明らかに変わったということ。

スマホの影響が大きいように思います。
「発信」することを覚えた人達は、これまでのような“受信一方”のエンタメを窮屈に感じ、次第に『参加型』に流れます。
インタラクティブというやつ。

それにも慣れてくると、次に、自分達が食べる料理を自分達で作ることに快感を覚え、スナックし始めます。
発信者(作り手)と受信者(お客さん)の境界線が曖昧になり、上下関係が壊れ、垂平関係になり、今、『全員クリエイター、全員オーディエンス』の時代を迎えている。

たとえば。
僕は、ときどきコッソリ、『しるし書店』や『レターポット』等の開発会議の参加チケットを販売するのですか、1~2分で完売します。
お金を払って作り手を体験したい人が少なくありません。

『えんとつ町のプペル』は、そこを徹底的に突きました。
国内で開催されている『えんとつ町のプペル展』は、そのほとんどが「お客さん」の手によるもの。
お客さんが主催して、自分好みの『えんとつ町のプペル展』を作り、お客さんを呼んでいる。

クラウドファンディングを使って制作費を集めた理由も、当然、資金調達ではなく、共犯者作りの為。
絵本『えんとつ町のプペル』はクラウドファンディングによって、大人から子供まで、のべ1万人の共犯者と作られました。
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昨夜、『えんとつ町のプペル 光る絵本展inオランダ』のトークショーがありました。
トークショーがあることは、トークショーが始まる1時間前に知ったのだけれど、そんなのは海外じゃ日常茶飯事。
まったく問題ありません。

ただ、一つだけ問題がありました。
前日の嵐で、『えんとつ町のプペル』の光る絵が全て倒れてしまい、絵を立て掛ける器具が壊れてしまったのです。
さすがにこれは、せっかく集まってくださった皆様に申し訳がたちません。

スタッフが
「どうします? とりあえず、お客さんに待ってもらって、なんとなく見栄えがするように絵を並べます?」
と泣きそうな顔で言ってきたので、
「いやいや、事情を全て話して、お客さんと一緒に新たに設営しよう」
と返事をしました。

これまでも、『えんとつ町のプペル』はお客さんと一緒に作ってきたのです。

オランダ在住の日本人の方々が、かなり早い段階から集まってくださっていたので、「昨日の嵐で絵が全部倒れてしまってですねぇ~、そこで皆さんにお願いがあるのですが…」とオネダリを炸裂。

話し合いの結果、噴水前にあるデッキに、光る絵を敷き詰めようという話に。
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「もっと、こうした方がいいんじゃない?」
「いやいや、それだったら…」
と会話をしながら、『えんとつ町のプペル光る絵本展inオランダ』は、お客さんと一緒に作られていった。
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夜、地面に敷き詰められた絵が点灯式が行われ、僕はそこに立ち会うことはできなかったのだけれど、先程、映像で確認させてもらいました。

綺麗でした。

「あ、これは○○君が並べてくれた絵だ」と、昼間の作業を振り返りました。
(※点灯時の動画は、また後日、発表します)

『えんとつ町のプペル』は今、映画化に向けて動いています。
映画も、やっぱり、「俺たち(作り手)が作ったモノを見ろ!」ではなく、「あ~でもない」「こ~でもない」と皆でスナックしながら作っていきたいな。

その際はご協力ください。

『えんとつ町のプペル光る絵本展inオランダ』は、『えんとつ町のプペル』の方向性を再確認するイイ機会となりました。
楽しかったです。

最後に。
設営を手伝ってくれた子供達に絵本をプレゼントしました。
ボッタクリサイトで絵本を購入してくださった皆様のおかげです。
いつもありがとう。
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