作品は自分の分身だ。
作家はファンタジーを隠れ蓑に、物語の登場人物にコッソリと自分の想いを喋らせる。
とりわけ『ビジネス書』となると、自分自身が物語の主人公なので、逃げも隠れもできない。
発信したメッセージに対する「そうじゃないだろ」という批判は作者本人に向けられる。
そのビジネス書が面白くないということは、その作者の生き様が面白くないということだ。
分かりやすくて結構じゃないか。
『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~』を発表して間もなく1ヶ月が経とうとしている。
大胆にも初版で7万部を刷って、「大丈夫なの?」という声もチラホラあったが、皆様のおかげで発売6日後には重版がかかって、当初の目標であった10万部を突破した。
作品の売り方について言及した本なので、とりあえずは面目躍如といったところ。
当然、今後も営業努力を続けていくが、僕のことを応援してくださる方が僕に求めているのは、ビジネス書を売り続ける姿ではなく、次回作や、胸が踊るような誰も見たこともないアクションだと思うので、作品販売に傾倒し過ぎないようにする。
さて、『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~』を発表したことで、自分の周辺の何がどのくらい変わったのだろうか?
まとめてみる。
肌感覚としては、あまりマイナスは無かったように思う。
毎週各地でトークショーをやっているが、都心部でのトークショーはチケットが取れなくなった。
ありがたいことに、自分のことを面白がってくれる人が増えたのだろう。
もっとも、昔から応援してくださっていた方々からすると、このタイミングでファンか増えたことに対しては、「何を今さら」感があると思う。
『革命のファンファーレ』に書いたことは、昔から言い続けてきたことだからだ。
ただ、僕はそれでいいと思っている。
オール新ネタを求める“ファン”だけに照準を合わせていると、見事な内輪ノリが完成して、最終的にはジリ貧になる。
鉄板ネタに飽きているのは関係者とファンだけで、それ以外の人からしてみると、鉄板ネタも「新ネタ」だ。
ついつい耳に入ってくる近い人間(関係者とファン)の反応に引っ張られて、ここのサジ加減を見誤ってはいけない。
鉄板ネタと新ネタの調合のバランスは、日頃の寄席(漫才出番)で身に付けた。
僕は立川志の輔師匠の大ファンで、無理矢理休みをとって『志の輔らくご』を観に行くのだけれど、いつも、3本中2本が鉄板ネタで、1本が新ネタ。
新ネタも楽しめて、鉄板ネタの変化も楽しめる、あのバランスが個人的にはとても心地良い。
また観に行こうと思える。
『革命のファンファーレ』に不満があるとするならば、男ファンしか増えなかったことだ。
本屋さんではなく、アダルトショップで販売されているのでは?という疑惑が浮上している。女子はどこへ消えた?
『革命のファンファーレ』を発表後、一番大きな動きは、やはり全国の図書館(5500館)へ寄贈したことだろう。
隠すことでもないので正直に言うが、これは、文藝春秋さんや新潮社さんの「図書館の貸し出しのせいで…」というコメントに対する僕の意見および、『革命のファンファーレ』の広告だ。
『革命のファンファーレ』には、『えんとつ町のプペル』の無料公開を題材に、「業界を衰退させるのは、フリー(無料)の風潮に抗うことだ」と書いた。
「作品にはお金を払ってください」と言いたい気持ちは痛いほど分かる。
当然だ。
どこかでマネタイズをしないと、作品を作り続けていくことはできない。
ただ、マネタイズのタイミングがここ数年で大きく変わった。
事実、「作品にはお金を払ってください」と主張する人達は、GoogleやTwitterを無料で利用しているだろう。
それでいて、Google社やTwitter社に一円も落ちていないかというと、そんなわけがない。
彼らはマネタイズのタイミングを後ろにズラして、キチンとお金を受け取っている。
出版業界は今、帰路に立たされている。
敵を見誤ってはいけない。
とくに文庫本のビジネスモデルは寿命を迎えていて、マネタイズのタイミングを本気で考える時期だ。
この時期に、「文庫本はお金を払って買ってください」と、お客さんのマインドを強要し始めたら、衰退が加速する。
お客さんの行動を決めるのはお客さんで、どの分野においても、お客さんへの“マインドの強要”が成功した歴史はない。
たとえば、『峠の茶屋』と『自動車』
その昔、峠越えは一日仕事で、休憩場所として茶屋が必要だったが、自動車か発明されて、峠で一休憩をすることがなくなった。
その時、
「峠は自動車に乗らずに歩いて越えてください。そして、茶屋で一休憩をしてください。皆、もともとは、そうだったじゃないですか!」
と、お客さんのマインドを強要した茶屋は潰れ、
『ドライブスルー』や『パーキングエリア』を提案した茶屋が生き残った。
よく「AIが人間の仕事を奪う」と言うが、違う。
AIは時代を前に進めているだけで、人間の仕事を奪うのは、前に進んだ時代を受け入れない人間だ。
アップデートを放棄した人間だ。
『適者生存』が生存競争の絶対ルールで、僕らは時代(環境)に抗ってはいけない。
何故なら、僕らは時代に抗えないからだ。
変化することを恐れず、変化に対してアンテナを張り続け、そして、時代と共存する。
『えんとつ町のプペル』を無料公開した時に、「無料公開するとは何事だ!」「作品にお金を払わせる意識(マインド)が大切なのに!」と大変な批判を浴びた。
いつもようにアンチだけが騒いでいるのかと思いきや、わりかし賢そうな人まで一緒になってTwitter(無料アプリ)で騒いでいて、
このままだと、かなりマズイことになると思ったので、『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~』を書いた。
「余計なおせっかい」とも言える。
走り書き(4日)で書いたので、その時、僕が覚えた危機感がそのまま投影されていると思う。
面白い世の中になることを心から望んでいます。
時代の声に耳を傾けて生きる。
よく分からなくなった時は『峠の茶屋』と『自動車』の話を思い出して欲しい。
もっとも、僕の作り話なんだけど。
どうしてこれだけ熱い文章を書いているかというと、飛行機の中で見た『チア☆ダン』に感動して機内で大号泣した直後だからだ。
広瀬すずサンも中条あやみサンも皆頑張っていた。きたろうサンも頑張っていた。
全米一位おめでとうございます。
僕も頑張ります。
そんなこんなで、ただいま帰国しました。
明日からはチアダンサーになろうと思います。
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まさに、圧倒的努力!!最高でした(*^◯^*)
チアダン見てみようっと🤗
西野さんのチアダンス見てみたいです!!!笑
私はHIPHOPを頑張ります♪
ご無事で何より😊
オランダ&ドイツまでファンファーレ段ボールが行かなくて良かったです
みたいデス
みんなでいっしょに
時代を楽しみたいな