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「子供に手は出さない」 若い小児性愛者の告白

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キャサリン・バーンズ、BBC番組「ビクトリア・ダービシャー」

小児性愛者(ペドファイル)の中には、自分は決して子供を虐待しないと言い切る人たちがいる。この人たちにはどのような支援体制があるのか。虐待が起きないようにするために、社会はこの人たちとどう向き合えばいいのだろうか(文中敬称略)。

<注意>この記事には題材の性質上、不快に感じられるような詳細描写が含まれています

アダムは私と初めて会うことになった時、数日前にこんなメッセージを送ってきた。

「目印になるように、着て行く服の色でもお知らせします。でもまあ、ただのキモいやつと思ってもらえば(笑)」

待ち合わせたのは土曜の夜ともなると、「1杯で2杯目無料」のカクテルを楽しむ客でいっぱいになるような店だった。でもアダムはただの水道の水でいいという。

彼は見るからに緊張していた。

20代に入ったばかりだが、もっと下と言っても通るだろう。

きゃしゃな体格にさっぱりとした顔つき、茶色の髪、きれいな肌、そして穏やかな話し方。「キモいやつ」なんてとんでもない。

自分は「普通」の人で、友達と遊んだり旅行に行ったり、テレビゲームをしたりするのが好きだと話す。ぱっと見たところ、反論できる感じはしない。

だが、この若者には秘密がある。

「アダム」は仮名だ。本名は使わないでくれと頼まれた。法律を破ったことは一度もないというのだが。

アダムは小児性愛者だ。

小児性愛者という言葉は現在、広く使われている。一般には子供を性的に虐待する人と同じ意味で使われ、性犯罪者の犯行を伝えるニュースによく出てくる。

だが研究者は違った使い方をする。世界各国の精神科医が参照する診断マニュアル、米精神医学会(APA)の「DSM-5」で、小児性愛は「パラフィリア、性嗜好障害」に分類されている。

つまり小児性愛とは、大人が思春期前の子供ばかりに性的魅力を感じる場合の精神状態、という意味だ。

この場合の「小児性愛者」に、子供を虐待した前歴を持つという意味は含まれていない。精神科医や犯罪学者の定説によると、子供を性的に虐待する者全員が、医学的な意味での「小児性愛者」だとは限らない。犯行の動機は多くの場合、強い権力を持ちたい、相手を支配したいという欲望だ。

アダムのような人は、自分たちを「反接触派」の小児性愛者と呼ぶ。子供に性的魅力を感じると自覚しながらも、虐待するのはいけないと分かっている人たちだ。

アダムは13歳の時、自分が人とどこか違うことに気付いた。友達はみんな急に女の子のことを話し始めたのに、いっこうに興味が持てなかった。

本当のことはだれにも打ち明けられなかった。女の子はまるで眼中になくて、気になるのは年下の男の子ばかりだった。

当時はまだ相手の子と大きな年の差はなくて、せいぜいが2~3歳違いだった。

「自分が年をとっても、相手の年は変わらなかった。むしろもっと下がっていった」

アダムはそれからの数年間、十代の若者ならほとんどだれもがするように、周りに溶け込もうと頑張った。

当時のことになると、アダムは早口になった。畳みかけるように話し続けた。

「周りから切り離された気分だった。なんとか隠そうとしたし、ひたすら無視しようとした。そんなことはないんだと、自分に言い聞かせて、普通を装った。学校の勉強に集中して、サッカーに打ち込んだ」。

うそをつこうと心に決めて、同じクラスの女の子が好きなふりをした。美人と評判の子をわざと選ぶくらいの知恵はあった。アダムはとても内気だったので、その子やほかの女の子をデートに誘わなくても、「どうして」と聞いてくる人はいなかった。

けれども当時はまだ、自分が小児性愛者だという自覚はなかった。

「自分の年でそんなはずはないと思った。小児性愛者というのは、子供を眺めてる年寄りのことだと思ってたので」

それもある意味で事実だ。APA分類で小児性愛者に入るのは16歳以上のみ。さらに、性愛の対象になる子供との間に5歳以上の差があることも条件とされる。

デレク・パーキンス教授は、性犯罪者のための治療プログラムを立ち上げた司法心理学コンサルタントだ。

「小児性愛は精神障害と認定されている。本人の意志で選ぶものではない。うつ病や注意欠陥多動性障害(ADHD)の人と同じこと」とパーキンス教授は言う。

「小児性愛を行動に移さずにやっていける人も多い」

アダムはやがて、17歳になった。子供に対する自分の気持ちから目をそらし続けて、すでに4年がたっていた。成長すればなくなるというものではないと気付いたアダムは、問題を「解決」しようと心に決めた。

この時期についての話で、アダムが一番多く口にしたのは「怖い」という言葉だ。

そしてもう一つ、何度も出てきたのが「普通」という単語。いつの日か結婚して子供を持ちたいと、ずっと考えていた。そう話しながら「普通」という言葉を繰り返した。

だがそれは無理なことだと、いつしか思い知らされた。

「しまいには子供に危害を加えて刑務所に入ることになるんじゃないかと、すごく心配になった。そうなれば人生は終わりだと」

アダムのような小児性愛の若者を扱う研究は増えている。その中には、一度も罪に問われたことのない若者もいる。

インターネット上でフォーラムやチャット・グループを立ち上げ、悩みを語り合う人たちも出てきた。

アダムも含めて、当人たちは「小児性愛者」という言葉を嫌うことが多い。メディアが「児童レイプ犯」や「児童虐待者」と同じ意味で使うからだ。

それに代わる呼び名として、アダムは自分は「MAP」だと名乗るの。「minor-attracted person=未成年者に引かれる人」という意味の略語だ。

アダムは一見、感じのいい青年だ。その彼を、「いい人」の印象を与えようとごまかしているだけだろうと決め付けるのはたやすい。本人が心の底で何を狙っているのか、私が証明してみせることはできない。それでもごまかしではないと、私は思う。

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