語学マスター、気象予報士の資格取得、俳優、そして芸人。多彩な才能を発揮しているにも関わらず「いやいや、僕は成功しているわけではないので…」と、カラテカの矢部太郎(40)はいつもどこか恐縮している。そんな矢部が、50歳近く年上の女性の大家のおばあさんとの“ひとつ屋根の下”での生活を描いた自身初の漫画『大家さんと僕』(新潮社)をきょう31日に出版する。「笑いにフォーカスすると話しきれないような、実感というか、それだとこぼれ落ちるような体験や情感があったので、それを漫画にして描きたかった」と意図を説明する矢部に、漫画初挑戦の訳を詳しく聞いてみた。
■大家さんとの8年間の交流で「人間性を回復」 大みそかの仕事NGの理由とは?
矢部が都内にある一軒家に引っ越してきたのは8年前。「壁の薄さとかも含めて、実家に住んでいる感じがする」というほどの物件を大家が賃貸に出したのには、理由があった。「もともと大家さんのご家族が住んでいて、二世帯、三世帯住宅みたいだったのが、誰もいなくなっちゃって、さみしくて不安だから貸しに出したみたいなので、新しい家族を招く感覚だったと思います。僕の前には大学生が住んでいて、その方とも仲良くて、ご飯に行ったりとかしていたみたいです。その大学生とはまだ直接お会いしたことないので、この本をきっかけに連絡取って、一緒に話をしてみたいです」。
はじめは距離感に悩むこともあったが、毎月恒例の「家賃手渡し後のお茶会」を重ねるうち、心を通わせていった。「読書好きなところとか、共通の趣味とかもあったりして、若い女性よりも話が合う(笑)。一緒にお茶したり、新宿の伊勢丹に買い物行ったり、それまでのひとり暮らしにはない経験の連続で、それがすごく面白かった。同じ街に住んでいるのに、全然違うところを見ていて、こんなにも見える景色が違うんだなっていうことに気付きました」。サプライズで誕生日を祝われたり、大家との濃い付き合いで、得たものがあると言葉に力を込める。
「大家さんが、僕のことをご近所の方に紹介してくれることで、広がることもあって…そうすることで、徐々に人間性を回復していくといいますか、地に足の着いた、社会とのつながりを回復することができました。やっぱり、都会でひとり暮らしをしていると、何かを失っていますよね。『となりの人うるせーな』とか、マイナス面しか見なくて、いい面ってなかなか見えてこないですけど、そういうところが見えてきました」。
気付けば大家が中心の生活になっていると、恥ずかしそうに頭をかきながら打ち明ける。「大みそかには大家さんがおせちを取ってくれて、紅白歌合戦を見ながら一緒に食べています。それが毎年の恒例行事で、僕もテレビ以外の仕事、例えばライブなどのお仕事は『大家さんと過ごしたいから』という理由で断っています。さすがに相方の入江(慎也)くんとはもめましたけど、大みそかNG出しています(笑)」。
■芸人としての葛藤と先輩たちの愛 不惑で新たな決意「まだまだこれから」
大家とのほのぼのとしたエピソードの中には、芸人としての葛藤も描かれている。その点をぶつけると、矢部の目つきが変わった。「ダウンタウンさんに憧れて吉本に入ったんですけど、すぐに絶対になれないとわかった。『進ぬ!電波少年』の語学企画の時も、編集で面白くしてもらっていて、僕は別に何かをしているっていう気持ちはなかった。今も芸人としてやっていますけど、ネタとかをやっているわけではないですから、モヤモヤといろいろ思うところもあったりしますね」。同書の中で、そんな矢部と大家との出来事をガサツながらも温かく見守っているのが“先輩”だ。
先輩のモデルとなったのは、ほんこん、板尾創路、木下ほうか、石田靖、島田紳助さんの5人。大家と鹿児島県の知覧町を訪れた際には、紳助さんのアシストに助けられたと振り返る。「紳助さんが知覧好きで、大家さんと旅行に行くと伝えたら『すごくいい運転手さんがおるから!』って紹介してくれた。大家さんも、紳助さんが車を用意してくれたっていうことで、本当に感謝していました。紳助さんにはいろんな番組でめちゃくちゃお世話になっていましたし、大家さんとの話も面白がって聞いてくれていましたね」。
相方の入江と一緒にメディアに出る姿をすっかり見なくなったが、現在のコンビ仲はどうなっているのだろうか。「彼は企業のコンサルティングや講演とかをやっているので、本当に遠くに行っちゃったって感じです。6人以上いる飲み会に行くと、入江くんの知り合いがひとりはいますね。今回の漫画は好意的に受け止めてくれていて『オレが描けって言ったんですよ』って勝手に宣伝してくれています(笑)。僕もそれに乗っかろうと思って『入江くんのおかげで漫画が描けました』と言うようにしました。もともと高校の同級生ということもありますが、コンビの仕事がそれほどない分“友だち”の要素が強くなってきているのかもしれないです」。
将来に不安がないわけではないが、大家との暮らしが矢部の背中を後押ししている。「僕ももう40歳なので、これから先のことに対する漠然とした不安は持っていますけど、大家さんからすれば『まだ、矢部さんは若いからいいわね』っていう風に見えているみたいで、その視点があったかと思いました(笑)。それを聞くと、これから頑張らないとなっていう気持ちになりますね」。不惑を迎えた矢部太郎。まだまだもがきながら、前へと進んでいく。
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