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急性白血病、化合物2種で治療効果…理研がマウス実験で確認
理化学研究所などの研究チームは、再発率が高く完治が難しい急性骨髄性白血病で、2種類の化合物を投与すると治療効果が高まることをマウスを使った実験で確認したと発表した。
研究チームは2年以内の臨床研究を目指すという。論文が米医学誌に掲載された。
急性骨髄性白血病は、慢性骨髄性白血病と比べ、発病の原因となる遺伝子などの異常が多岐にわたるため、現状では根治治療が難しい。
理研の石川文彦グループディレクター(血液学)らは、患者の白血病細胞を分析し、白血病細胞を発生させたり、薬の働きを邪魔したりする2種類の遺伝子を特定した。人間の白血病を再現させたマウスに、これらの遺伝子の働きを抑える2種類の化合物を組み合わせて与えると、約8割のマウスで白血病細胞が死滅した。1種類だけの投与だと、白血病細胞がなくなったマウスは25%にとどまった。マウスの免疫細胞などに副作用はなかったという。