浦和のACL賞金は「莫大」か 張本氏発言が物議 J1には理念強化配分金も
野球解説者の張本勲氏が22日に、レギュラー出演しているTBS系「サンデーモーニング」のスポーツコーナーでのJ1浦和に対する発言が物議を醸している。
ACLで準決勝に進出した浦和のニュースを受けて、「浦和はこれを目標にしたんじゃないの?Jリーグは勝てないから。浦和はこれを目標にして。優勝したら莫大な金額が出るらしいから」という発言で、この言葉だけを聞くと、あたかも浦和が賞金目当てでJ1リーグ戦からACLに切り替えたとも受け取れる。実際の賞金額も、選手・スタッフのモチベーションの上でも決してそうしたことはないので、まとめておく。
まず、賞金額。Jリーグの優勝は3億円。2位には1億2000万円が支払われるが、順位と連動した金銭の支払いはこれだけではない。「理念強化配分金」という名目で、今季の優勝クラブには翌年以降3年に分けて10億円、4億円、1億5000万円の合計15億5000万円が支給される。名目上、賞金とは異なり、強化や普及、若手育成、施設整備、地域交流やスポーツ文化の振興に使途が限られるとはいえ、大きな金額であることは間違いない。
ACLは、優勝賞金が300万ドル。1ドル113円で換算すると約3億4000万円となる。準優勝は150万ドル(同約1億7000万円)。そして、準決勝進出で20万ドル(約2260万円)、準々決勝進出で12万ドル(1360万円)、ラウンド16(決勝トーナメント1回戦)に進出した時点で8万ドル(約900万円)が支給される。グループリーグでは1勝で5万ドル(約565万円)、引き分けで1万ドル(約113万円)を得られる。これ以外に、各ラウンドごとに所定の旅費補助が出る。
成績に連動した大きな項目を合算しただけでも、決してACLでJ1よりも多い金額を得られるわけではないことが分かる。ACLで決勝に進出した浦和には日本サッカー協会から8000万円の報奨金が送られるが、ACLに対する意欲の向上を促す一環とされている。
そして、それ以上に触れておきたいのは選手のモチベーションの面だ。サッカー選手というものは基本的に目の前のタイトルはすべてとるつもりでプレーしている。リーグ優勝が厳しくなった段階でやむを得ずACLに気持ちを傾けるようになった、という表現が適切だろう。
上海上港とのACL準決勝を制した浦和のDF槙野は試合直後に「もちろんリーグで優勝を目標にスタートしました」と語り、国内のカップ戦もACLも同じく目標にしていたとした上で、「現実を考えた時に、この大会でしかタイトルをとることができないので。チームとして、ファン・サポーターもフロントもこの大会を取りにいくぶれない姿勢が、目標が定まっているのが、チームとしていいです」と振り返っている。
もちろん、張本氏も浦和を揶揄しようとしたわけではないだろうし、「勝ってもらいたいなあ」とエールを送っていたことも忘れてはならない。
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