コンビニ50店舗を渡り歩く「ハイパー店員」

単発バイトの増加、人手不足の現れ

2017年10月31日(火)

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 客だけでなく、働き手にとっても「近くて便利」な存在だったコンビニエンスストア。未経験者であっても積極採用しているため、人生初めてのアルバイトに臨む高校生や大学生にとっては、働く場所として登竜門ともいえる存在だった。

 だが深刻さを増す人手不足を背景に、コンビニバイトの常識は揺らぎつつある。「タウンワーク」「an」などの求人メディアで募集広告を見つけ、履歴書を持って面接に出向き、店長と週ごとのシフトを決めていく……。そんな従来のコンビニ店員とは全く異なる、その日限りの単発のバイト店員が増えているのだ。

店舗数の増加は、働き手の確保という面でも加盟店を苦しめている(撮影:的野 弘路)

 「多いときで週4〜5日働いてます。だいたい半分がファミマで、もう半分がローソンって感じです」。神奈川県在住の女性(31)は語る。「接客重視で常に『ファミチキできました!』って呼びかけを求められる店もあれば、とにかくみんな下を向いている静かな店もありますね。店によって客層もバラバラで、その都度、新鮮な気持ちで働くことができます」

 女性がコンビニ店舗を「渡り歩く」ようになったのは2年ほど前。高校を卒業してからスーパーで試食をすすめる販売員として働いたが、家族が体調を崩したことをきっかけに退職。一段落し、仕事を再開しようと思ったとき出会ったのが、単発バイトとして毎回異なる店舗に出向くという勤務スタイルだった。

 普通のコンビニバイトとして働いたことがないわけではない。だが「店長から『この日も入ってくれ』『あの日も入ってくれ』って無理を言われるんです」(女性)。人手不足に苦しむ加盟店オーナーの悲鳴が、働き手にとってはストレスとなり、その言葉がさらにバイトを遠ざけてしまうという悪循環の構図だ。

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「コンビニ大試練」の目次

「コンビニ50店舗を渡り歩く「ハイパー店員」」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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