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SNSで話題の“ヤバいパソコンショップ”に骨董級PCを並べる理由を聞いた!店主「戦友の墓場です」

今泉コンピュータの店舗外観 提供:すめしちんさん

今泉コンピュータの店舗外観 提供:すめしちんさん

青森県十和田市のIT企業・有限会社今泉コンピュータが、「ヤバいパソコンショップ」としてTwitter上で注目を集めています。

まさに地元出身の筆者が、同社に取材しました。

骨董品のようなコンピュータがずらり

Twitterユーザーのすめしちんさん(@sumeshizushi)は10月25日、同社の店舗外観の写真を投稿しました。展示スペースには、一目で年代物と分かる据え置き型のパソコンがずらりと並んでいます。

今泉コンピュータの店舗外観 提供:すしちめんさん

今泉コンピュータの店舗外観 提供:すめしちんさん

今泉コンピュータの看板 提供:すしちめんさん

今泉コンピュータの看板 提供:すめしちんさん

投稿には「懐かしい」「骨董屋だ」「時間が止まったかのような光景」「魔窟発見」といった往時を知る人たちからコメントが集まり、30日朝の時点で6000以上もリツイートされています。

戦友たちの墓場「一応、可動品」

今泉コンピュータは1980(昭和55)年に、東京で働いていた店主の今泉礼三さんが里帰りして創業しました。

現在は、地域の零細企業向けに業務用システムを開発しています。

昭和50年頃、東京でプログラマーをしていました。メモリ64キロバイトで今のパソコンにも劣る機械が数億円、大勢のプログラマーが大切に扱っていました。

そんなある日、秋葉原でコモドール社のマイコンを見つけました。 100万円ぐらいでしたが、自動車と同じ価格なら田舎でも商売になると思って、故郷の十和田市で昭和55年に開業しました。以来38年、 毎日スタッフ4人でプログラムを作り続けています。機材も格安で提供しています。 (今泉さん)

現在の今泉コンピュータの店舗内 提供:今泉礼三さん

古いコンピュータ機材は、今泉さんにとって愛着深い品々です。

パソコンが出始めた頃、巷にソフトウェアがなく、ベーシックと機械語を駆使してソフト開発をしていました。その時に使用していたのが店頭の機材です。

今では使い道もなく、さりとて捨てるのも忍びず、ウィンドウに飾っています。戦友の墓場ですね。

販売することはあるのでしょうか。

売りません。一応、可動品なのでお客様のサポートに使うことはあります。

今泉コンピュータの店舗外観 提供:すめしちんさん

今泉コンピュータの店舗外観 提供:すめしちんさん

Twitterで話題になり掃除する

同店は十和田市中心部から十和田湖につながる国道102号線(旧4号線)沿い、交通量が多い交差点の手前に店舗を構えています。

市の秋祭りでは大型の山車(だし)が通り、多くの市民が前を通ります。

今泉コンピュータの店舗正面 提供:今泉礼三さん

今泉コンピュータの店舗正面、両側は駐車場 提供:今泉礼三さん

今泉さんはインターネット上で話題になったことを、筆者が取材を申し込んだことで知ったそうです。同郷のよしみで取材をご快諾いただきました。

今更ながら、ツイッターの拡散の速さに驚いています。

見物客が来るかと思って店の掃除をしたのですが、誰も来ませんでした(10月28日現在)。田舎町ですから…。

苦楽をともにした戦友たちが、今日も店の看板としてお客様を出迎えています。

※写真とツイートは、今泉コンピュータとすめしちんさん(@sumeshizushi)の許可を得て掲載しています。

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